フッ化物洗口は優れた公衆衛生特性から、世界的にも広く実施されている。『日本むし歯予防フッ素推進会議』は、『日本学校歯科医会』、『8020推進財団』、『WHO口腔保健協力センター』と共同で行った「我が国における施設での集団応用フッ化物洗口調査」の2014年速報値を昨年10月に発表。それによると、集団応用フッ化物洗口を実施している自治体は全国の53%を占めることがわかった。
フッ化物洗口は優れた公衆衛生特性から、世界的にも広く実施されている。『日本むし歯予防フッ素推進会議』は、『日本学校歯科医会』、『8020推進財団』、『WHO口腔保健協力センター』と共同で行った「我が国における施設での集団応用フッ化物洗口調査」の2014年速報値を昨年10月に発表。それによると、集団応用フッ化物洗口を実施している自治体は全国の53%を占めることがわかった。
◇「切る」前から術後管理まで
初めて心臓手術を執刀してから今年で27年目、経験した手術数はまもなく7000例です。自分の執刀ではないものの管理面などで接した患者も含めると1万例を超えました。
振り返れば、本当に多くの患者の皆さんに命を預けられたものだと身震いし、同時に心から感謝しています。中には期待以上の健康を回復された方も多い半面、少ないながらも手術をきっかけに健康状態が悪化した方、亡くなられた方もいます。亡くなられた患者の皆さんには本当に申し訳なく思い、わびて済むことではありませんが、改めておわびと合掌をした上で、このコラムを始めさせていただきたいと思います。
読者の皆さんは、外科では何でも手術で治そうとしていると考えるかもしれませんが、外科医の仕事は手術だけではありません。患者にとって本当に手術が必要か、予定される手術に耐えられる状態かを専門家として検討することも外科医の仕事です。特に、75歳以上の高齢者では体力が低下するので、心臓手術という「人生の一大事業」に耐えられるかどうかを判断しなければなりません。現在は多くの症例から検証された手術の危険性を客観的に示す「リスクスコア」が発達しています。高リスクと判断されても手術しか選択肢がない場合は、体力・気力・意欲向上を目的とした術前のリハビリを計画することも外科医の仕事です。
しかし、いよいよ手術となれば、外科医は慎重かつ大胆にメスを振るいます。術前の診断で見落としがないかを術野(手術する目に見える部分)で確かめながら、心臓外科では機能障害を起こした部分をよみがえらせて元気な心臓を取り戻すようにします。術野で疾患と症状のつながりを発見し、修復できたときの喜びは格別です。手術中、まだ麻酔がかかっている患者の方が元気で退院される姿が思い浮かぶほどです。
心臓外科手術のポリシーは「早い、安い、うまい」の三拍子ですが、患者への対応や手術は早く、費用負担、薬剤や医療材料の無駄は少なく、さらに高いレベルの修復と痕が目立たない傷口を目指します。
手術後の管理も大切です。検査結果の解釈や傷の治り具合だけではなく、術後に患者の方が社会復帰するレールにきちんと乗ったかを大局的に判断します。また、周りへの気遣いのため悪くなるきっかけを患者本人が我慢して黙っていないかどうかを聞き出すことも重要で、この役割は世間話に慣れたベテラン外科医が担います。このように一気に回復に向かうポイントを逃さず、患者の皆さんが前向きに社会復帰できるようにするのが今の私の役目です。
患者一人一人、手術内容によって入院生活は変わり、若い方と高齢者では大きく異なります。それでもいつか手術したことさえ忘れて健康を取り戻し、思い通りの生活ができる。そんな日を取り戻してもらうために働く毎日は、忙しくてもとても充実した日々と感じています。
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■人物略歴
◇あまの・あつし
1955年生まれ。埼玉県出身。83年日本大医学部卒。亀田総合病院、新東京病院などを経て、2002年から現職。12年に天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀したことで知られる。
厚生労働省は31日、家庭での子どもの誤飲事故に関する2013年度の病院モニター報告で531件(前年度比146件増)の事例が寄せられ、医薬品や医薬部外品を誤飲したケースが96件(同39件増)で最多だったと発表した。死亡などの重篤事例はなかった。
報告制度が始まった1979年度以来トップだったたばこの誤飲は13年度94件で、薬が初めてたばこを上回った。厚労省は「細心の注意を払ってほしい」としている。
全国15施設の協力医療機関のうち、9施設の小児科が診察した事例をまとめた。具体例としては、3歳男児がタンスの上にあった抗てんかん薬の錠剤をお菓子と間違えて食べ、ふらつくなどして病院を受診した例があった。1歳7カ月の男児が母親のバッグから風邪薬を取り出して14錠ほど食べ、軽いぜんそくの症状が出た例があった。
誤飲した物は薬、たばこの他にペットボトルの包装など食品の付属物や、玩具の部品などがあった。年齢別では、生後6カ月から1歳未満が147件と最も多く、1歳から1歳半未満が130件と続いた。
84歳の女性。2年ほど前から食後の激しい嘔吐(おうと)に悩まされてきました。ひどい時は3、4日、水分もとれず、点滴を受けるほどでした。内視鏡検査では胃に異常はなく、逆流性食道炎と診断されました。薬で小康状態を保っていますが、また起きないかと心配です。(神奈川県・S)
■答える人 鈴木秀和(すずきひでかず)さん 慶応大学准教授(消化器内科)=東京都新宿区
Q 逆流性食道炎とは。
A 胃から胃酸や食べ物が逆流して、食道に炎症を起こした状態です。主な症状には胸やけや胸の痛み、げっぷ、嘔吐(おうと)があります。「酸っぱい味がする」と言う人もいます。相談者のように、食道の下に炎症のない場合も含め、総称して「胃食道逆流症」と呼びます。男性では中年以降、女性では更年期以降によく見られます。
Q 原因は。
A 胃の動きが悪くて食べ物が十分にためられない時や、胃から十二指腸に食べ物が下りない時に、起きやすくなります。胃や食道の筋肉がゆるんでも起きます。肥満や猫背の人もおなかに圧力がかかり、逆流症状が出やすくなります。
Q 調べる方法は。
A 内視鏡で食道の炎症の有無をまず調べます。胃や食道、十二指腸などに腫瘍(しゅよう)があって食べ物を通りにくくしていないかも確認します。
Q 治療法は。
A 胃酸を減らすプロトンポンプ阻害薬を使うのが一般的です。ほとんどの人が改善します。胃もたれやげっぷがつらい人には、胃の動きをよくする薬を使います。
Q 相談者は再発しないか心配しています。
A 薬で症状が治まっても、不適切な食生活を続けていると、ぶりかえす可能性はあります。どんな時に症状が出たかや、食べた物、量を毎日記録すると、見直す点がわかってきます。規則正しく食事をとり、食後3時間は横にならないようにします。あんこや生クリーム、チョコレート、サツマイモ、穀類など糖分・油分が多い食事は避けましょう。食べ物は細かく刻むと消化しやすくなります。
不適格なファンドへの出資で多額の損害を与えたなどとして、学校法人神奈川歯科大(横須賀市)が2008年当時の理事長や総務担当理事ら3人に計12億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。加藤正男裁判長は「出資の必要性と危険性を検討し、慎重に判断すべき義務に違反した」として、3人に総額9億5000万円の支払いを命じた。
判決によると、理事会は08年9月と11月、投資会社のファンドに計12億5000万円の出資を決議したが、運用の失敗などで全額が消失した。
加藤裁判長は「(元理事長は)慎重に検討することなく、安易に出資に賛成した」と指摘。元総務担当理事ら2人に対しては「他理事らに出資に賛成するよう積極的に働きかけたり、虚偽の説明で出資の決議を得たりしていた」として賠償責任を認めた。
同大側は、投資損失の発覚後、元総務担当理事が住宅や土地を妻に贈与していたとして、贈与契約の取り消しなども求めていたが、判決は「(妻は)贈与が損害賠償責任の追及から免れる目的と認識していた」として、この請求も認めた。
東京消防庁は25日、事故や災害現場に居合わせてけが人らの手当てをした人が感染症にかかるといったトラブルに遭った場合に、保険金が支払われる制度を2015年度中に導入すると明らかにした。ためらわずに安心して救命措置に関わってもらうことで、傷病者の生存率を高める狙いもある。
同庁によると、急病人や負傷者が出た際に、たまたま近くにいた人は「バイスタンダー」と呼ばれる。同庁の13年の統計では、心肺停止時にバイスタンダーが応急手当てした場合は約14%が生存し、しなかった場合の3倍以上となった。
救急車の出動が年々増加するのに伴い、救急隊の到着時間は09年には6分強だったのが、13年には8分弱と遅くなっており、バイスタンダーの関与が生死を分けるケースも想定される。
13年は、4割のケースでバイスタンダーが自動体外式除細動器(AED)などを利用し、救命措置を実施。一方で、ためらう理由として「責任を取れと言われるかもしれない」「感染症を避けたい」というアンケートの回答もあったという。
同庁の担当者は「早い心肺蘇生処置があれば生存率が高くなる。ぜひ応急救護をやってほしい」と話している。
舌の表面にできる白い汚れ「舌苔(ぜったい)」が多い人は、口や喉のがんの原因になるとされる化合物「アセトアルデヒド」の口中濃度が高いことを岡山大と北海道大のチームが突き止め、27日発表した。
チームは、舌苔を取り除くと濃度が下がることも確認しており、舌をきれいにすることが、がん予防につながる可能性がある、としている。
チームによると、舌苔は、食べかすや、口の中からはがれ落ちた粘膜細胞、細菌がたまったもの。口の中が乾燥しやすいと付着しやすく、口臭の原因ともされる。
研究は健康な男女65人を対象に実施。その結果、舌苔が舌全体の3分の2以上付着した人の呼気中のアセトアルデヒド濃度は、付着が3分の1以下の人の約3倍だった。
口の中のアセトアルデヒドは喫煙や飲酒などで発生するとされるが、チームは、舌苔に含まれる細菌もアセトアルデヒドを作り出しているとみている。
チームの岡山大病院歯科医師横井彩(よこい・あや)さんは「舌苔と発がんとの詳しい関連性や、どんな細菌が関与しているのかさらに調べたい」と話す。成果は海外の科学誌電子版に掲載された。
五島市・久賀島で27日、久賀歯科診療所の開設式があり、野口市太郎市長や島民代表らがテープカットして開所を祝った。歯科診療の再開は約35年ぶり。同市三井楽町の歯科医師、米山須弥也さん(40)が4月から毎週木曜日に出張診療する。
久賀島は人口約350人の半農半漁の島。島民は市中心部の歯科医院に通院していたが、船と車を乗り継ぐ通院は、高齢者には大きな負担で、治療を放置している人もいるという。地元の要望で市が南松歯科医師会に出張診療を要請。長崎大歯学部の後押しもあり、悲願がかなった。歯科診療所は久賀診療所に増設し、診療器機も新たに整備した。
市内には最も人口が多い奈留島を除き人口100人以上の離島が3島。嵯峨島は米山さんの父宏さん(72)が、椛島は長崎大歯学部の派遣医師が、いずれも週1回、出張診療しており、歯科がなかったのは久賀島だけだった。