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8割が患者・家族から暴力や暴言◆Vol.1

「最近、ハードクレーマーが激増している」。そんな声が、m3.com編集部が今年3月に実施した医師調査で寄せられた(『「外来にレコーダー必須」「1年後の返戻、対応困難」◆Vol.18』を参照)。理不尽な要求をする患者とのトラブルは、最近では、患者の高齢化や認知症患者の増加を背景にしたケースや、医療を否定する内容の本やニュースの影響を受けたとみられるケースも指摘されている。

 突然のトラブルが起きた時、まず対応を迫られるのは現場の医師。どうすればトラブルを防げるのか、関心は高いものの抜本的な対応策はなかなか見つからないのが現状だ。

歯医者さんの隣に保育園を開設 福岡県大野城市、乳幼児ケアの充実目指し

歯医者さんのお隣は保育園―。福岡県大野城市白木原のはなだ歯科クリニックが6月1日から、医院に隣接して「キッズガーデン ル・タンデ保育園」を開設する。乳幼児に必要な食事や呼吸指導を行いやすくすると同時に、クリニックに勤める歯科衛生士らの育児を支えるのが狙いだ。歯科医院が保育園を隣接して開設するのは全国的にも珍しいという。

 はなだ歯科クリニックでは、30人近いクリニックのスタッフのうち理事長以外は全員女性。出産を迎えた女性の歯科衛生士が退職すると、新たな人材を見つけるのに苦労してきた。産前産後休暇や育児休業から復帰し、子育てしながら安心して働ける職場にしたいという思いがあった。

 同時に、これまでに3千人を超える歯の矯正に携わった花田真也理事長(46)は、かねて「乳幼児の頃から食べ方を指導したい」と考えていた。矯正が必要になる小学生以上の患者は、かみ方や飲み込み方が不自然だったり、鼻ではなく口で呼吸をしていたりする子が多いからだ。だが歯が生えそろわない子を受診させる家庭は少なく、乳幼児に関わる糸口を探していた。

 そこで思い付いたのが事業所内保育所の開設だった。事業所内保育所は、昨年の規制緩和によって従業員に限らず、保護者が雇用保険に入っている子どもであれば受け入れることが可能になった。当面は従業員と患者が利用できる保育園とするが、将来的には患者以外も利用できるよう体制を整えたいという。

 保育園では、口呼吸を鼻呼吸に変える「あいうべ体操」((1)「あー」と口を大きく開く(2)「いー」と口を大きく横に広げる(3)「うー」と口を強く前に突き出す(4)「ベー」と舌を突き出す)や、子どもの月齢・年齢別の保護者教室を実施していく予定だ。歯の成長に合った離乳食の進め方や食べさせ方もアドバイスする。

 花田理事長は「母乳や離乳食の段階で、歯並びに影響を与える。赤ちゃんから高齢者まで、生涯にわたって関われる歯科にしたい」と話している。

医療費支払いを負担に感じて受診ためらい死亡 秋田県央部の60代女性

秋田県央部の60代女性が昨年秋、医療費の支払いを負担に感じて医療機関の受診をためらい、がんで亡くなっていたことが明らかになった。亡くなる直前に救急搬送されたものの、手遅れだった。女性は国民健康保険の保険料(税)を滞納し、医療費を窓口でいったん全額支払わなければならない「被保険者資格証明書(資格証)」の交付を受けていた。

 昨年秋の夕方、女性は近くに住む親族を通じて「自宅で動けなくなった」と119番した。秋田市の中通総合病院に救急搬送され、末期がんと判明。手術ができないほど進行していた。

 女性はそのまま入院し、同病院医療福祉相談室の医療ソーシャルワーカーに「以前、腫瘍があると診断を受けた。ただ、医療費が払えないので通院しなかった」と打ち明けた。

 女性はアパートに1人暮らしで、パートを二つ掛け持ちしていた。支払う保険料は月1万3千円程度だったという。医療ソーシャルワーカーは「仮に払ったとしても、収入が少ないため、通常の自己負担(医療費の3割)も重荷になると考えたのではないか」と推測する。

 医療ソーシャルワーカーは女性の資格証について地元自治体へ相談。女性が重病であることを説明し、有効期限は短いが窓口負担が軽くなる「短期被保険者証(短期証)」に切り替えてもらった。女性は働けなくなって収入も途絶えたため、生活保護も申請する予定だった。だが、入院から約1週間後、息を引き取った。

 地元自治体によると、女性は保険料支払いの相談に訪れておらず、女性宅は民生委員の訪問対象でもなかった。このため女性の家計状況や健康状態を把握しておらず、行政のセーフティーネット(安全網)ですくい上げることができなかったという。

○「第1回 医療安全講習会のお知らせ

<日 時> 平成27年 5月21日(金)17:30~18:30
<会 場> 当院 講堂(外来棟2階)

<テーマ> ①最近の院内感染報道から学ぶ  
     
         感染管理認定看護師 看護副部長 平岡 康子
       
     ②インシデント・アクシデント集計報告

               医療安全管理者 栗原 篤子

<申 込> 医療機関職員(職種は問いません)に限らせていただきます。
       参加ご希望の方は、5月15日(金)までに
       地域医療連携室(Tel:0166-27-8585)へご連絡下さい。

早く寝る子は「自分好き」で自信とやる気がある!  文科省

4月30日(木)文部科学省は昨年11月行った「睡眠を中心とした生活習慣
と子供の自立等との関係性に関する調査」の結果を公表した。対象と
なったのは全国の小学5年~高校3年まで8学年で、各学年100校(計800校)
を抽出し、このうち771校の2万3,139人の児童・生徒から毎日の睡眠や
朝食の状況についてなど35項目の設問に回答を得た。結果のなかで、
「午前中の授業で眠くてしかたがないことがよくある」と答えた小学
生は、休日になると起きる時間が2時間以上遅くなることが「よくある」
と答えた児童の24.2%で、遅くなることが「ない」と答えた児童の4倍
近くの高率であった。休日に平日より長く寝ている児童ほど授業での眠
さを感じていて、中学生や高校生も同様の傾向を示した。また、夜早く
寝る子どもはやる気につながる自己肯定感が高い傾向にあることが明ら
かになった。就寝時刻と「自分のことが好きだ」という自己肯定感の程
度との関連を調べたところ、自己肯定感が高い子どもは、午後9時より
前に寝るグループで約2割を占めた。自己肯定感が高い子どもは、就寝
時刻が遅くなるとともに減少し、午前0時前後に寝るグループでは1割
にまで下がった。自己肯定感は、やる気や自信につながるとされ、文
科省は、自己肯定感の育成を、小学校高学年での重視すべき課題とし
て位置付けている。さて、皆さんのお子さん、お孫さんはいかがです
か?

詳細はこちら 文科省ホームぺージ
www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1357460.htm

歯の健康、キモかわいく呼び掛け 京都府などがアニメ制作

京都府などはこのほど、歯と口の健康をテーマにしたアニメーション動画「歯っとするアニメ」の第1話を制作し、インターネットで公開を始めた。男性会社員という設定のキャラクターを中心に物語が展開するシュールな仕上がりで、府は「働き出すと歯科健診に行かなくなる傾向がある若い世代に関心を持ってほしい」としている。

 動画は、成長段階に応じた注意点を分かりやすく説明しようと企画し、歯周病予防や歯科健診受診、乳幼児期の注意点などを盛り込んだ全5話を制作予定。専門家以外の視点を大事にしようと、府歯科医師会に府の若手職員を加えた計14人がチームを立ち上げ、大まかな脚本をまとめた。

 アニメーション制作は、京都工芸繊維大に依頼し、中野仁人教授の研究室に所属する4年生7人が担当。キャラクターを考案した豊田真由さん(22)は「シュールな脚本に合わせ、あえて違和感のある『キモかわいい』デザインにした」と説明する。

 第1話は、女性にもてたい28歳の会社員歯山健助が、女性社員の「歯山さんの歯が汚い」という評価にショックを受け、悩んだ末に歯科医を訪れる様子をコミカルに描いた。制作メンバーの藪本拓朗さん(22)は工夫した点について「主人公の動きや受診後の変化、話の展開を強調するため、女性との出会いの場面を、2人がぶつかるように変更した」と話していた。

 動画は約2分40秒。府のネット放送局「ねっとTV京都府」などで閲覧できる。

歯周病と関節リウマチ発症との相関  京都大学

歯周病と関節リウマチの関連性については臨床の場で以前から指摘さ
れていたが、京都大学附属病院リウマチセンターの橋本求 特定助教と
別所和久 医学部附属病院教授を中心とする共同研究グループは、約
1万人の健常人を対象とした疫学調査と、京大病院リウマチセンター
を未治療・未診断で受診した関節痛患者の追跡調査によって、歯周病
の罹患が関節リウマチの発症に影響を与える可能性があることを示し
た。約1万人の健常人を調査し、関節リウマチに特異度の高い抗シトル
リン化蛋白抗体の産生とその力価に歯周病罹患が相関することを明ら
かにした。さらに、2011年5月以降に同センターを受診した未診断・
無治療の関節痛患者98人を対象に、歯周病の合併がその後の治療など
に及ぼす影響についてコホート分析による検討を行い、歯周病を有す
る患者は有さない患者と比較して有意に関節炎の活動性が高く、後に
リウマチ性関節炎と診断され、メトトレキサート治療を導入される可
能性が高いことを明らかにした。上記二つの成果は、「Journal of
Autoimmunity」電子版に2015年3月26日(木)「PLOS ONE」電子版に
2015年4月7日(火)にそれぞれ掲載された。

第三者機関の受け付け開始 医療事故調査制度で厚労省

厚生労働省は8日、10月から始まる医療事故調査制度で、診察や検査、治療に関連した患者の予期せぬ死亡事例が起きた際に医療機関側からの届け出を受け付ける第三者機関「医療事故調査・支援センター」の募集を始めた。

 申請できるのは、医療の安全確保などを目的とする一般社団法人か一般財団法人。22日までの応募期間を経て、要件を満たしているかを審査した上で厚労相が指定する。

 同制度は全国の病院や診療所、助産所の計約18万施設が対象。患者の予期せぬ死亡事例が起きた際、第三者機関への届け出や院内調査の実施を医療機関側に法的に義務付ける。

 第三者機関は、医療機関が行う院内調査の報告を受け、分析した上で類似事案ごとに整理。患者の名前を匿名にするなどし、各医療機関にも報告する。院内調査の内容を不服とする遺族側からの依頼を受け、直接調査することもできる。

 厚労省は8日、こうした内容を定めた運用指針を正式決定し、関係機関などに通知した。これまでに「病院職員が匿名で内部告発できる外部組織を別に設け、その組織から病院の管理者に事故調査を行うよう命令できるようにすべきだ」といった指摘のほか、院内調査の報告書の扱いについて、遺族側に渡すことを努力義務とした点への賛否など151件の意見が寄せられた。

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