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北海道)旭川赤十字病院が創立100年 道北医療の要

旭川赤十字病院(旭川市)が今年、創立から1世紀を迎えた。救急医療を中心に、道北の基幹病院として住民が安心して暮らせる地域づくりを支えてきた。新たな100年に向け、「高齢者にふさわしい医療の提供」と「病院価値の向上」を目標に掲げる。

 4年前の3月11日。東日本大震災が発生すると、同病院の医師や看護師、災害派遣医療チーム(DMAT)などが、病院のドクターヘリなどを使って被災地に向かった。災害時の救護活動は、赤十字の大きな柱の一つだ。同年7月末までに112人を派遣し、緊急物資の搬送を続けた。

 その病院の発足は$りが増えている。回復期の病院をどこにするのか、介護ヘルパーをどうするのか。そこまで考えた医療が求められる。

 その一環として、地域の医療機関が患者の治療データを共有できるネットワークを作った。現在、旭川市周辺の他の病院や開業医、歯科や薬局など約380施設が登録している。

認知症、どう向き合う 38年の研究一冊に 山口教授

厚生労働省の推計で、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に認知症の高齢者は700万人前後に達し、現状の7人に1人から、5人に1人に増えるとされる。「歳重ね いつかは誰もが 認知症」―。こんな一句を詠んだ群馬大大学院保健学研究科(前橋市)の山口晴保教授が「認知症にならない、負けない生き方」を出版した。認知症を受け入れ、どう生きるかを考える大切さを説いている。

 山口教授はアルツハイマー病の神経病理学やリハビリテーション医学が専門。認知症の実践医療の研究や脳活性化リハビリテーションなどに取り組んできた。

 著書は群馬大医学部卒業後、歩んできた38年の集大成的な位置付け。書名とは逆に「認知症に勝つとか負けるとかではなく、認知症と仲良く生きていこうという『生き方』の本」と山口教授。ユーモアあふれる筆致で、認知症の原因や前兆、症状、予防、治療などを解説している。

 第5章「認知症と『ともに生きる』」では、家族などに向けて認知症の受け入れ方やケアのこつをアドバイス。自らが認知症になった場合に備えるべきことも記している。

 05年は3人の労働世代(20~64歳)で1人の高齢者(65歳以上)を支える「騎馬戦」型社会だったが、55年には労働世代1.2人で高齢者1人を支える「肩車」型社会になると見込まれる。

 社会保障費が増え続ける現状を踏まえ、山口教授は「高齢者は自分の健康を守り、近所同士で助け合うことが大切。子育てしやすい環境も整備すべきだ」と訴える。地域包括ケアの時代に求められる「自助と互助」の観点から、山口教授が育成に力を入れてきた本県独自の「介護予防サポーター」なども紹介。「認知症を恐れることなく正しく理解し、豊かな老後を送ってほしい」と話している。

 「認知症にならない、負けない生き方」(サンマーク出版)は四六判、260ページ。1300円(税別)。

みんなの○○ 救命・応急手当て 蘇生編 胸骨圧迫と人工呼吸繰り返し

倒れている人に普段通りの呼吸がなかったら、心肺蘇生が必要だ。手当ての要点を東京防災救急協会の大久保雄司さん(64)に聞いた。

 (1)胸骨圧迫を行う

 胸骨の上から心臓を押して血液を循環させ、脳に酸素を送り込む手当てだ。左右の乳頭の中間付近に、手のひらの厚い部分を胸骨(のどの下から胃の方へ延びる骨)に当て、他方の手を重ねる。肘を伸ばして真上から、胸が毎回少なくとも5センチ沈むくらい強く、1分間に少なくとも100回のペースで押そう。

 「救急車が来るまで絶え間なく続けて」と大久保さん。周囲に人がいれば交代しながらやろう。強く押すと胸骨が折れることもあるが、「骨折は後で治る。とにかく蘇生を優先してください」。善意の処置中なら過失は問われない。

 (2)可能なら人工呼吸も

 胸骨を30回押したら、1秒の人工呼吸を2回――できればこれを繰り返したい。

 顔にかぶせるシートと一体になった人工呼吸用のマウスピースを、倒れた人の口に差し込む。その人の鼻の根元をつまんで塞ぎ、逆の手の指2本であごを上げ気道を確保。そして口を大きく開け、倒れた人の口全体を覆うように密着させて、胸が上がるのを確かめながら1秒間、静かに息を吹き込む。これを2回。「強く大量には吹かないで」。吹き込む息が多すぎると胃に空気が入り、吐いてしまう。

 マウスピースは病気等の感染を防ぐために使う。「ない時や、出血や嘔吐(おうと)をしていれば、人工呼吸をせず胸骨圧迫だけで構いません」。インターネット通信販売などで安価で買えるので、お守り代わりに携帯しておくといい。

 (3)AEDを使用する

 自動体外式除細動器(AED)があれば、胸骨圧迫を続けながら使おう。心臓が無秩序に震えて機能しない状態の場合に、電気ショックを与えて回復させる。機械の音声指示に従って操作すればいい。体から離れるよう指示が出た時は必ず従う。

 実際の場面でも慌てないためには、救命講習の受講がお勧めだ。3時間の普通救命講習では胸骨圧迫、人工呼吸、AED使用法などを体験でき、8時間の上級救命講習なら乳幼児の心肺蘇生や、けがの手当てなども教われる。日程や料金の問い合わせは最寄りの消防署へ。東京都内なら東京防災救急協会(03・5276・0995)でも受け付けている。

健康生活認証 健康によい食事メニューを認証

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)と博報堂は17日、東京都内で記者会見し、健康によい食事メニューを独自に認証する「健康生活認証」事業を7月から始めると発表した。

 糖尿病など生活習慣病の予防が目的で、レストランのメニューや宅配弁当、加工食品などが対象。同センターが設けた専門家委員会が、(1)1食当たりのエネルギー量は約600~700キロカロリーで、食物繊維6グラム以上、塩分2グラム以下など同センターが定めた基準値内(2)生活者の食の改善に向け事業者が積極的に取り組む(3)厚生労働省の安全衛生管理基準などを満たす――の3項目を審査。合格した食事メニューは「健康生活認証」マーク=を表示できる。マークの許可・使用料金は今後決める。

【沖縄】妊婦喫煙で低体重児1.4倍 痩せた人もリスク

喫煙している妊婦や痩せている妊婦は低体重児(2500グラム未満)を産むリスクが高い傾向にあることが、県が実施している妊婦健診と乳幼児健診のデータ分析事業で示された。

県は全国よりも高い県内の低体重児出生率の要因を分析するため、2014年度から分析事業を実施しており、17日に南風原町の沖縄小児保健センターで開かれた同事業最終報告会で、分析結果が報告された。

 分析結果は、事業を受託している東邦大学医学部講師の田中太一郎さんと同大院生の林友紗さんが報告した。

 12年度に妊娠届け出を提出した人が出産した子のうち低体重児の割合は9・8%だったが、喫煙する妊婦が出産した子のうち低体重児の割合は14%と、約1・4倍に上った。

 出生児の平均体重でも喫煙している妊婦の出生児は非喫煙者・禁煙者と比較して80グラム~100グラム程度体重が軽かった。

 妊娠中に喫煙していた母親の子どもは1歳半健診時で運動機能、視聴覚、言語、対人関係性・精神発達の4項目で何らかの発達の遅れを招くリスクが1・24~2倍に上ることも報告された。

 一方、妊娠前の体格指数(BMI)が18・5未満と痩せている妊婦からも低体重児が生まれる割合が高いことも報告された。BMI18・5未満で妊娠中の体重増加量が推奨値の9キログラム~12キログラムに満たなかった場合、低体重児が生まれる割合は、推奨値を満たした場合に比べ1・76倍~2倍となった。

 分析結果を受け県は15年度、妊婦やその同居家族に対する禁煙支援と、痩せている妊婦への適度な体重増加に重点を置いた保健指導をモデル地区の5市町村で実施する。

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歯学部試験、事前に漏らす 長崎大、研修医ら処分

長崎大は13日、昨年9月に実施した歯学部の実技試験で、事前に課題を学生に漏らす不正をしたとして、歯科研修医3人を戒告の懲戒処分にしたと発表した。管理責任を問い、中山浩次(なかやま・こうじ)歯学部長ら4人は訓告などの処分にした。

 中山学部長は、記者会見で「研修医が事前に課題を把握できないようにし、再発防止に努める」と述べた。

 歯学部によると、試験は「医療系大学間共用試験実施評価機構」(東京)が提供。歯を抜いたり、フッ素を歯に塗ったりするなど臨床能力を確かめる内容だった。

 昨年9月、5年生約50人が臨床実習に進むために受験。うち3人の学生が、内容を知っていた研修医から電話などで聞き出し、無料通信アプリLINE(ライン)を使ってほかの学生にも知らせていた。試験当日、預かった学生の荷物から課題が書かれた紙が見つかり、不正が発覚した。

 処分は昨年12月16日付。公表が遅れた理由を歯学部は「処分対象者の研修が続いており、研修が終わるまで待った」と釈明している。

やせ女子・考/上 摂取カロリー、終戦直後以下

現代人の食生活では、メタボリックシンドロームなど肥満が問題視されることが多いが、実は日本人の平均的なエネルギー摂取量は以前に比べ減っている。特に若い女性で顕著な傾向で、専門家から「他の国では見られない現象だ」と懸念の声が上がるほどだ。「飽食の国」といわれる日本で、若い世代の女性の食にいま何が起こっているのか。その背景を2回に分けて考える。

 ●夕食は野菜スープ

 「仕事が忙しいし、食べることにあまり興味が湧かないから、最低限の食事になってしまう。気が付けば夕方まで何も食べていなかったということもあります」。東京都中央区の佳織さん(30)=仮名=は話す。

 朝、出社すると職場でココア味のプロテイン(たんぱく質を多く含む栄養補助食品)を水に溶かして飲む。それが朝食代わりだ。「朝、何も食べないよりはいいと思って」

 ある日の3食はいずれも少量だ。朝食に水に溶いたプロテインとコーヒー1杯。昼食はサンドイッチとコーヒー。夕食は自宅で作り置きしていた野菜スープをスープ皿に1杯。3食を食べているものの、推定エネルギー摂取量(1日当たり)は、厚生労働省が定める一般的な30代女性の必要量2000キロカロリーの半分にも満たない。

 同居する夫とは仕事の勤務時間が合わず、自宅で一緒に食事を取ることは少ない。家で作る料理もサラダやスープなどの単品が多いという。身長は161センチ、体重は47キロ。肥満ややせ度合いを表すBMI値は18・1で、明らかなやせ傾向だ。

 ●20代の5人に1人

 厚労省がまとめた2013年の国民健康・栄養調査によると、BMI18・5未満の「やせ」に分類される割合を性別・年代別にみると、20代女性が21・5%と最も多く、次いで30代女性も17・6%に上る。女性全体の「やせ」割合は12・3%で、データがある1980年以降で最も高くなった。

 同調査は1995年以降に、世帯単位ではなく個人単位で調査結果をまとめるようになった。全体の平均エネルギー摂取量は減少傾向にあり、20代女性のエネルギー摂取量も同じ傾向で徐々に減少している。20代女性のBMI値で「やせ」の割合は、95年以降、2割以上で推移しており、「5人に1人が『やせ』」という状態は定着している。

 また、平均エネルギー摂取量をみると、20代女性は1628キロカロリー(13年)だった。厚労省によると、終戦からわずか半年後の1946年2月時点のデータとして残っている「都市部」の平均値は1696キロカロリーで、13年の20代女性の方が少ない状態だった。

 さらに、国連食糧農業機関(FAO)によると、北朝鮮国民への1日の平均エネルギー供給量は11年で約2100キロカロリーとされる。日本の若い女性が取り込むエネルギー量は、経済制裁下の北朝鮮の人々への供給量よりも少ないことになる。

 国立健康・栄養研究所の滝本秀美・栄養疫学研究部長によると、20代の女性は食べる量が少ないこともあって、ビタミンやミネラルなどのいわゆる微量栄養素の摂取量も少なめだという。例えばビタミンB群の一種である葉酸や、鉄などが不足している。葉酸は、妊娠して間もない女性で不足すると、胎児の先天性障害のリスクを高めることが分かっている。

 滝本さんは「普段食べる量が少ない人は、最低限のカロリーは確保していても、健康の維持や妊娠、出産のための栄養素が不足している可能性がある」と話す。

 同調査からは、若い女性の食事バランスが取れていない状況も浮かんでくる。13年には3食ともに、(1)穀類(2)魚介類・肉類・卵・大豆(大豆製品)(3)野菜――の3種類を組み合わせて食べる人の割合は、20代は24・6%、30代は23・8%で、女性全体の平均36・5%を大きく下回り、男女別の全年齢層でも最も低くなっている。

 冒頭の佳織さんは「健康には気を付けなきゃ、野菜をとらなきゃ、という意識はある。外食すれば出されたものはきちんと食べるし、粉末を水に溶かすグリーンスムージーを常備して、毎日飲むようにしている。でも、一汁三菜を作って食べるような時間や気力があるなら、それを別のものに使いたいと思う」と話す。

 ●世界的に珍しく

 日本栄養士会の迫和子専務理事は「他の先進国では肥満対策が課題となっているが、日本では若い世代を中心に女性のエネルギー摂取量が減り、肥満者の割合が減っている。世界的にこんな国はない」と指摘する。80年代から栄養指導などで生活習慣病対策に力を入れてきた成果ともいえるが、一方で必ずしも肥満解消と同一線上で結びつけられないほど、若い女性のやせ対策が緊急課題になっているという。

 迫さんは「ここまで若い女性のやせ問題が進展するとは思わなかった。働き盛りの男性は肥満解消がなお課題で、日本は肥満とやせが共存する社会といえる」と話す。

歯科に鍼灸整骨院併設 前橋市、体のゆがみ取り治療で連携

前橋市の歯科が、歯科医院の建て替えに伴い鍼灸整骨院を併設した医療施設を開院した。原因不明の片頭痛や耳鳴り、顎(がく)関節症の治療に力を入れ、歯科診療と同時に体のゆがみを取ることで症状の改善を図る。

 新施設は鉄骨2階建。体のバランスが崩れるとかみ合わせが悪くなり、頭痛や耳鳴り、顎関節症につながるとも言われており、両院で連携して治療に当たる。具体的には、歯科でマウスピースを作る際、整骨院で頭蓋骨のゆがみを改善してからマウスピースを調整する。

 整骨院ではストレッチやリハビリを通して治療後も再発しない体づくりを支援する。

 理事長は歯科医として顎関節症に苦しむ患者に接してきた。10年ほど前に整骨院で膝の治療を受け、自らの顎関節症が治った経験から、鍼灸師の資格を取得した。「歯科と整骨院が合わさって初めて治療の可能性が開ける」と話している。

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