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診療所の報酬単価「5.5%引き下げを」

財務省は財政制度等審議会において「病床を持たない診療所は極めて良好な経営状況であり、診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」と示唆した。

 建議(意見書)では診療所の報酬単価が高過ぎるとして初・再診料を中心に5.5%程度引き下げるべきと主張した。改定率に換算するとマイナス1%程度で、医療費ベースで約48,000億円の削減となる。

 日本医師会の松本吉郎 会長は財務省が示した診療所の収益状況のデータについて「診療所がもうかっているという印象を与える恣意的なものといわざるを得ない」と批判した。

 また、高橋英登・日歯会長は「財政審の主張はフェイク情報に基づくフェイクニュースだ」と苦言を呈している。

【メディファクス・歯科通信】

診療報酬改定に向けて 議員と省庁に要望

国民歯科問題議員連盟(関口昌一 会長)の総会が開かれた。高橋英登 日歯会長、太田謙司 日歯連会長が国会議員や関係省庁に向けて、令和6年度診療報酬改定に向けた課題を示し、要望を行なった。

 林 正純 日歯副会長は、令和6年度診療報酬改定に向けた課題として、「医科歯科格差の是正」「食べる喜び、話す楽しみ等のQOL向上のための口腔機能管理の育成」「口腔バイオフィルム感染症の育成」「予防と重症化予防の重要性」「在宅歯科医療の更なる推進」「新規医療技術、新規材料の開発及び保険収載」「歯科固有の技術の再評価」の七つを提示。

 基本診療料格差のみならず加算にかかわる格差の是正が必要なこと、口腔内スキャナーによる光学印象が保険に適用されていないなど、「新規技術や新規材料の開発、保険収載は歯科の活性化には重要であり、金パラを使用しない材料の開発や保険導入のさらなる推進に向けて取り組んでいるところ」と述べた。また、海外先進国と比べた日本の歯科医療費は極端に安い点を裏付けるデータを示し、現行の皆保険で歯科医療を提供するのは限界があると対応を要望した。

 総会の冒頭あいさつで高橋日歯会長は「財政審で、医療関係がこんなに儲かっているではないか、マイナス改定ではないかという文言あった。これはフェイク情報に基づくフェイクニュースである」と苦言を呈した。

【歯科通信】

キャッシュレス決済 会員限定の手数料を交渉

厚労省通知で療養担当規則の問題がクリアになったものの、保険診療でのキャッシュレス決済で課題となっている手数料について、日本歯科医師会の瀬古口精良 専務理事は、カード会社との交渉を続けており、今月下旬にも会員限定の手数料を示せるとの見通しを明らかにした。15日に日歯の専務理事連絡協議会で報告したもの。

 瀬古口専務理事は、キャッシュレス決済推進タスクチームが実施した、国民向けと医療機関向けのアンケート結果を示して、キャッシュレス決済のニーズが高い一方、手数料の問題があると説明。手数料の交渉については、11月30日の理事会で一定の結果が出る可能性を示唆した。

【歯科通信】

老化抑制に効果が期待される「NMN」

いま老化抑制、アンチエイジングに効果があるのではと巷で大いに話題と
なっているのがNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)です。NMNは体内に
おいてはビタミンB3から生成される物質で、母乳に含まれているほか、ブロッ
コリーやアボガド、トマトや枝豆などの野菜にも含まれています。その存在は
1960年代から知られておりましたが、近年、抗老化研究の第一人者である今井
眞一郎教授(米ワシントン大学医学部)の大発見により、機能性食品素材とし
て一躍ブームとなりました。研究から長寿遺伝子とも呼ばれている酵素サー
チュインの活性化が、老化防止や寿命の制御に重要であることが解明され、そ
の活性化のカギとなるのがNMNなのです。酵素サーチュインはNAD(ニコチン
アミド・アデニン・ジヌクレオチド)という物質によって活性化されますが、
NADは体内においてNMNから生成されます。NADは10代後半をピークに減少に
転じ、40代でピーク時の半分まで減少してしまうため、サプリメント等でNMN
を摂取しNADを増加させることで、様々な効能を促すという仕組みです。
 今井教授の行った臨床実験によれば、老化に伴い2型糖尿病となったマウス
にNMNを投与したところ症状に改善が見られ、さらに健康な大人のマウスへの
投与では、中年太りの抑制、目の網膜機能や骨密度の低下抑制など、顕著な抗
老化作用が確認されたそうです。
 このような効能を示すNMNですが、今井教授は同時にNMNの日本での急速な
広まりに対して警鐘も鳴らしています。人間に対して適切な摂取量がまだ明確
でないため、高用量の摂取を長く続けると「肝機能の障害を起こす恐れがある」
と指摘。また、医薬品として認められていない点滴での投与を勧める
クリニックも増えていること、ネット等で売られているサプリメントに偽物が
多い点にも注意が必要だとしています。「人生100年時代」の“切り札”として
期待される若返り物質「NMN」。その効能を得るには、科学に基づいた確かな
情報、信頼できるエビデンスこそ、欠くことのできない前提となりそうです。

忘年会は午後9時まで? 働く20~50代の意識調査

忘年会は午後9時には帰りたい―。シチズン時計(東京)が全国の働く20~50代の男女計400人を対象に、生活のさまざまな場面における時間に関するイメージ調査をした結果、社会人の約40%が忘年会など会社での飲み会は午後9時までの1次会で終わらせてほしいと思っている実態が浮かんだ。

 一方で同社の2019年調査では「忘年会で帰りを気にする時間」を9時までと回答したのは約56%だった。質問が異なるので単純比較はできないが、新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての年末年始を控え、久しぶりの忘年会へ期待感が高まっている側面もありそうだ。

 調査は今年10月4~6日にインターネットで実施。現実の出来事や仮想世界に関してイメージする時間を尋ねた。「会社の飲み会で帰りたくなる時間」は午後9時が23・8%、8時が17・0%、10時が13・3%だった。年代別では、20代の最多は10時で、全年代を通じて最も遅かった。

 また、「(大みそかに)年越しそばを食べる時間」は午後11時が30・8%で最多。次いで午前0時と午後7時は13・8%だった。「サンタクロースが家にプレゼントを持ってくる時間」は午前0時が43・5%と最多で、次いで午後11時が24・5%だった。

病院歯科の機能評価や医科歯科連携など議論 第 565 回中央社会保険医療協議会総会

第 565 回中央社会保険医療協議会総会が 11 月 17 日に都内で開催され、令和 6
年度診療報酬改定に向けて歯科医療の 2 回目の議論を行いました。
日本歯科医師会副会長の林正純委員は、4 つの論点(①病院における歯科の機能
に係る評価、②医科歯科連携、医歯薬連携、③ライフステージに応じた口腔機能
の管理、④障害者・有病者・認知症の人への歯科医療)に基づいて意見を述べま
した。
①については、回復期および慢性期医療を担う病
院における口腔健康管理の重要性や多職種連携の取
り組みにおいて歯科専門職の関与が少ない実態を説
明しました。その上で、入院中の高齢の患者の多く
に何らかの口腔機能障害が認められており、歯科専
門職による口腔管理の実施により口腔状態や咀嚼嚥
下、栄養状態の改善に効果があったことが示されて
いることから、リハ・栄養と口腔の一体的な取り組
みの推進が必須であることを訴えました。また、急
性期の入院患者への周術期等口腔機能管理の評価は
あるものの、回復期・慢性期の入院患者に対する口
腔管理への評価の仕組みも必要であり、退院時の口
腔に関する情報連携や地域歯科診療所との連携も含めた検討を要望しました。

令和5年12月31日までに電子情報処理組織の使用による 請求を開始することとしている医療機関等における 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の特例について

医療DXの基盤となるオンライン資格確認を行なった際に算定できる医療情報・システム基盤整備体制充実加算につきましては、「電子情報処理組織の使用による請求」(以下「オンライン請求」という)を行なっていることが要件となっているところですが、オンライン請求の推進の観点から、特例が設けられました。
 
 当該加算のオンライン請求に係る特例では、本年12月31日までにオンライン請求を開始する旨の届出を行うことによって、同日までの間に限り、オンライン請求を行なっているものとみなすというものですが、当該特例にかかわる届出をおこなったにもかかわらず、いまだオンライン請求を開始されてない医療機関が確認されているところです。


 当該特例にかかわる届出を行なったことにより医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定した保険医療機関等が、期日である12月31日時点でオンライン請求が開始されていない場合には、当該特例に係る届出当初から施設基準を満たさなかったこととなり、算定開始日から遡って当該加算の算定額を返還が必要になります。


 該当する医療機関においては可及的速やかにオンライン請求を開始(12月31日までにオンライン請求に関する届出を支払基金に提出)してください。

白石麻衣さん、鈴木福さんが受賞! ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2023

ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2023(主
催:日本歯科医師会、協賛:株式会社ロッテ)
の授賞式が「いい歯の日」の 11 月 8 日に東京都
内で開催され、女優・モデルの白石麻衣さん、
俳優の鈴木福さんが「今年、最も笑顔が輝いた
著名人」に選ばれました。
主催者代表挨拶で高橋英登会長は、自分のお
口でしっかり食べて幸せに暮らす国民を増やす
ことが日本歯科医師会の活動の目的であると述
べました。また、8020 運動を始めた当初は、
8020 達成者は 1 割にも満たなかったが、厚生労
働省の令和 4 年歯科疾患実態調査の結果では 51.6%になったことを説明。その上で、世界に
誇ることができる日本の国民皆保険制度を守るためにも、国民がおいしく食べて、健康で暮
らすことを目標にこれからも取り組んでいきたいと話しました。

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