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開業医の「環境悪化」、実に2倍に◆Vol.2 初・再診料などの引き上げも、効果薄く

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「2013年と比較した仕事のやりがい、勤務時間や給与などの勤務条件、医師・患者関係、職場の人間関係など総合的に見た2014年の職場環境」について聞いた。

 「とても悪くなった」「悪くなった」が合わせ50.5%となり、前回比べて22.8ポイントと大幅に増加した(前回の結果は、『開業医の職場環境、改善傾向◆Vol.2』を参照)。勤務医は43.5%で前回比13.5ポイントの伸び。これに対し、開業医は57.5%で、32.1ポイントの伸びとなり、勤務医の2倍以上に上った。実質マイナス改定となった2014年度の診療報酬改定では、幅広くいきわたるように、初・再診料や入院基本料などに重点的に配分する方針となったが、診療所経営が厳しいためか、逆に不満が拡大したことが伺える。「とても良くなった」「良くなった」との回答は、合計で4.9%となり、前回から10.0ポイント減少した。
「2014年と比較した2015年の職場環境」について聞いた。「とても悪くなる」「悪くなる」を合わせて、33.4%で、前回比0.5ポイント減少した。「変わらない」は前回比1.2ポイント増、「とても良くなる」「良くなる」は0.7ポイント減で、前回と大きく変わらない結果となった。職場環境は、医療政策の結果として現場に表れる側面があるが、12月中旬の衆院選を経ても、2012年末に誕生した自民党政権による医療政策と大きく変わらないと見通している側面もありそうだ。 

 勤務医における「とても悪くなる」「悪くなる」は30.1ポイントだったのに対して、開業医では36.7ポイント。開業医の方が、6.6ポイント高く、若干暗い見通しを持っていることが伺えた。

フォーラム 「在宅における歯科口腔保健の今後」

岩嶋義雄・国立循環器病研究センター高血圧・腎臓科医長が「高齢者における歯科口腔保健と全身疾患罹患リスクとの関連~生活習慣病・循環器疾患~」の演題で講演し、歯科疾患と糖尿病や心疾患、肺炎等の全身疾患との関連性が報告されていることを解説。特に国立循環器病研究センターと大阪大学大学院歯学研究科が連携して行った研究により、歯科口腔機能異常が累積すると高血圧のリスクとなることが示され、口腔内を健康に保つことは、生活習慣病や循環器疾患の発病予防や、病気の進行を防ぐために重要である可能性を示唆した。
              日歯広報 2014.12.1 1633号

「食事で窒息死」認めず 筋ジス患者、高松地裁

筋ジストロフィー患者の男性=当時(50)=が食べ物をのどに詰まらせて窒息死したのは、付き添いの看護師が注意を怠ったのが原因として、遺族が、高松市の社会福祉法人と看護師に約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地裁は10日、請求を棄却した。

 判決によると、死亡確認した医師は死亡診断書に、食べ物をのどに詰まらせたことを死因と記載したが、訴訟では「突然の心停止の可能性も残り、死因を特定する努力を怠った」と証言。福田修久(ふくだ・のぶひさ)裁判長は「死亡診断書に基づいて死因を判断できない」と結論付けた。

 判決によると、男性は筋力低下で歩行困難になったり、食べ物の飲み込みに障害が出たりする筋ジストロフィー患者で、社会福祉法人「朝日園」が運営する身体障害者療養施設に通所。2012年5月、施設の看護師に付き添われてホテルの食事会に出席し、途中でトイレに行って意識を失い、間もなく死亡した。

健康は歯から~歯科が支える健康長寿~

第35回全国歯科保健大会が11月8日(土)、「健康は歯から~歯科が支える健康長寿~」のテーマの下、大阪府の大阪国際交流センターで開催され、「大会宣言」では「歯科保健の向上と口腔機能の維持が、健康長寿を支えるためには不可欠であることが認識されつつある。超高齢社会において、診療所に通うことができなくなった方々の歯科保健の向上は重要な課題であり、今後、診療所はもとより在宅、施設においても歯科保健の向上を目指し、生涯にわたり質の高い生活を支え続けること」を宣言した。当日の参加者は1200名を超え、大盛況であった。
              日歯広報 2014.12.1 1633号

歯の喪失や歯並びの崩壊につながる無意識の咬みしめは日中にもストレスで。

ストレスや習慣によって起きる咬みしめは、過度になると歯や身体に悪影響を及ぼすことがある。これまで、睡眠中に歯ぎしりをしている人は歯のすり減りが早いと言われてきたが、睡眠中よりも日中の無意識の咬みしめの方が歯の喪失に深く関与していることがわかった。歯を失う原因はう蝕や歯周病がほとんど。そのため、歯科医院ではその治療に重点がおかれている。しかし、それらの治療を行っていても、歯を失い、入れ歯になっても痛みが続く場合がある。川上教授によると、このような歯の喪失に、日中の無意識の咬みしめが関与しているとのこと。日中の咬みしめと歯の喪失が関連づけられたことは、これからの予防歯科学に影響を与えるとともに、義歯の作り方、顎関節症の治療に役立つのではないだろうか。

出産回数が多い女性ほど残存歯数が少ない!?さらなる妊婦への歯科健診の啓蒙を。

出産回数が多い女性は将来、残存永久歯が少なくなりやすいことが、東京医科歯科大の植野正之准教授と国立がん研究センターの共同研究でわかった。植野准教授はこの原因について「妊娠や出産のプロセスに伴い、ホルモンや口の中の細菌のバランスが変化し、免疫力が低下することで、う蝕になりやすかったり、歯周組織の破壊が起こりやすくなったりする。妊娠ごとにそれが繰り返されることで歯の喪失に至るリスクが高まると考えられる」としている。

 「ゆっくり噛んで食べる」の根拠を立証。咀嚼を基盤にした減量手段の開発に期待。

調査したのは東京工業大学大学院社会理工学研究科の林直亨教授らの研究グループ。被験者10名に300キロカロリーのブロック状の食品を与え、急いで食べる試行と、ゆっくり食べる試行とを実施した。前者では平均103秒、咀嚼回数が137回、後者では497秒、702回の結果、また、安静時から摂食、摂食後90分までの酸素摂取量を計測し、食後誘発性体熱産生量を算出。腹腔動脈と上腸間膜動脈の血流量を計測した。その結果、食後90分のエネルギー消費量は、急いで食べた場合は体重1kg当たり平均7カロリーだったのに対し、ゆっくり食べた場合は180カロリーと有意に高い値を示した。この研究結果により、ゆっくり食べることが食後のエネルギー消費量の増加につながることが科学的に確かめられた。林教授曰く「咀嚼を基本とした減量手段の開発に役立つのではないか」としている。

歯科医による「しわ取り」が急増。歯科の領域について賛否両論。

一般的に美容外科医らの医師が手がける、ヒアルロン酸注射による顔のしわ取り。近年、歯科診療の一環として、しわ取りを診療メニューに加える歯科医院が増えている。歯科医向けの美容治療セミナーが毎月開催され、希望者も増えているという。まず問題なのは、歯科医が美容領域であるしわ取りを行うことが違法ではないかということ。厚生労働省が1996年に専門家会議で出した通達では、歯科の診療対象に口唇が含まれている。口唇とは口の周り全体を指すため、ほうれい線のしわ取りも診療の対象になるというのが、ヒアルロン酸注射を行っている歯科医院の解釈だ。医科と歯科との境界線の問題や歯科医師の技術的問題、さらには既得権益の争いもあり、歯科医のしわ取りには賛否両論、様々な意見が出てきている。

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