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北海道の精神科病院破産、負債4億円

(医)順真会メイプル病院(旭川市曙1条8、設立1991(平成3)年7月、理事長:相澤裕二氏)は1月27日、旭川地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には廣田善康弁護士(廣田善康法律事務所)が選任された。

 負債総額は4億3881万円。

 1960年11月に創業。病床数70の精神科病院「メイプル病院」を中核施設として、精神科デイケア「ホップル」、訪問看護ステーション「ACTあさひかわ」を運営し、ピークとなる2012年3月期は売上高6億4421万円を計上していた。

 しかし、診療報酬改定など取り巻く環境の変化に伴い採算面が悪化し、2011年3月期から2024年3月期まで14期連続で赤字を計上し、2024年3月期には債務超過に転落した。2025年3月期に入ってからも採算面に改善は見られず、資金繰りが限界に達したことから、2025年1月24日付で従業員を解雇し、入院患者の転院作業を進めていた。

栄養と身体活動、社会参加 フレイル予防3本柱提唱 

年を取って心身の活力が低下した要介護の手前の状態である「フレイル(虚弱)」予防の啓発方針を、自治体関係者や研究者らでつくる「フレイル予防推進会議」がまとめた。「栄養」「身体活動」「社会参加」の3本柱を提唱。日常生活の工夫で予防ができ、健康寿命も延ばせるとして、地方自治体などに資料の活用を呼びかける。

 フレイルとは(1)半年で意図しない2キロ以上の体重減少(2)筋力低下(3)直近2週間の理由のない疲労感(4)歩く速度の低下(5)身体活動低下―のうち三つ以上に当てはまる状態を指す。

 3本柱のうち栄養に関しては、1日3食を欠かさず、そのうち2回以上は主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を取ること、エネルギーとタンパク質、ビタミンDを含む多様な食品を選ぶことを勧める。定期的に歯科を受診し、かみ応えのある食べ物を取って口の機能の維持を意識する。

 身体活動の項目では掃除や庭仕事、買い物といった生活の中での活動量を増やし、ウオーキングなどの有酸素運動と筋トレを取り入れるよう促す。

 社会参加も大切で、趣味や学習などの文化活動、ボランティア活動、就労への挑戦を提案する。こうした心がけで、1人で食事をするような環境を避け、誰かと一緒に過ごす機会を増やすことが予防に役立つとした。

 作成に関わった東京大の飯島勝矢(いいじま・かつや)教授(老年医学)は「三位一体で生活に少しずつ足して取り組む必要がある」と話す。健康診断の結果が良くても油断は禁物で、要介護につながる筋肉の衰えに注意が必要だという。

白髪を防ぐ植物成分発見?

植物に含まれるポリフェノールの一種、ルテオリンに白髪を防ぐ効果があることを動物実験で確かめたと、名古屋大のチームが発表した。塗っても飲んでも効果があったとし、人間での応用が期待されるという。

 チームが開発した、加齢で白髪が生じるマウスの背中にルテオリンを約4カ月間塗布すると、塗らなかったマウスと比べて白髪の割合が大幅に減った。飲ませても白髪の減少が確認された。

 毛髪の成長を支える細胞や、毛髪の黒色を維持する細胞の機能が保たれていたことも、このマウスを使った実験で確認した。ルテオリンは抗酸化作用があり、皮膚の健康維持に有用である可能性はこれまでに報告されていた。

「日本歯科医師会推薦」虚偽広告にご注意を!

Facebook や YouTube、LINE などの SNS 上で「日本歯科医師会が推薦している製品
である」など、虚偽の広告が配信されているため、十分注意をしてください。日本
歯 科 医 師 会 が 推 薦 し て い る 歯 科 衛 生 製 品 等 は 、 日 本 歯 科 医 師 会 HP
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透析患者の骨粗鬆症に対するデノスマブ、骨折リスク低・心血管イベントリスク増

ビスホスホネートかデノスマブか、直接比較した研究はなされていない

 京都大学は1月8日、透析患者の骨粗鬆症に対するデノスマブはビスホスホネートと比較して、骨折リスクを低減させる一方で、心血管イベントのリスクを増加させる可能性があることを、電子レセプトデータを用いたコホート研究により明らかにしたと発表した。この研究は、同大医学研究科の桝田崇一郎客員研究員、深澤俊貴特定講師、川上浩司教授、松田秀一教授の研究グループによるもの。研究成果は、「Annals of Internal Medicine」オンライン版に掲載されている。

 骨粗鬆症は、高齢化の進行とともに患者数の増加が予想され、重要な健康問題となっている。特に進行した慢性腎臓病(CKD)を有する患者では、そのリスクが顕著に高まる。一般的な骨粗鬆症治療では、経口ビスホスホネートが第一選択薬であるが、腎臓から排泄されるため、CKD患者、特に透析が必要なほど重症のCKD患者においてはその安全性に懸念がある。

 一方、デノスマブは肝代謝のため、透析患者における骨粗鬆症治療の選択肢として広く使用されている。しかし、デノスマブ使用後の低カルシウム血症などの副作用や、心血管イベントへの影響については十分なエビデンスが確立されていない。これまで、透析患者におけるデノスマブとビスホスホネートの安全性と骨折予防効果を直接比較した臨床試験や大規模な観察研究は行われておらず、そのため臨床現場での適切な治療選択が困難となっている。

デノスマブはビスホスホネートに比べ、骨折リスク45%低減も心血管リスク36%増加

 研究では、DeSCヘルスケア株式会社が保有する電子レセプトデータを利用し、可能な限り臨床試験を模倣する「標的試験エミュレーション」という最新の観察研究の枠組みのもと、透析患者の骨粗鬆症に対するデノスマブと経口ビスホスホネートの有効性と安全性を比較するコホート研究を実施した。対象は50歳以上の透析患者で、骨粗鬆症の診断を受け、2015年4月~2021年10月までの間にデノスマブもしくは経口ビスホスホネートを新規に開始した1,032人(デノスマブ群658人、経口ビスホスホネート群374人)だった。薬剤使用開始から3年間の骨折と心血管イベントの発生リスクを評価した。

 結果、デノスマブは経口ビスホスホネートと比較して、骨折リスクを45%低減したが、心血管イベントのリスクを36%増加させた。これらの結果は、透析患者の骨粗鬆症治療薬としてデノスマブが骨折予防において有効である一方で、心血管イベントのリスク増加と関連している可能性を示唆している。

臨床では、患者ごとのリスクとベネフィットを慎重に評価を

 今回の研究は、透析依存患者における骨粗鬆症治療の選択に重要な示唆を与える結果となった。デノスマブは骨折予防に有効であるものの、心血管イベントリスクの増加の懸念が示唆された。臨床現場では患者ごとのリスクとベネフィットを慎重に評価する必要がある。「今後の研究では、これらの結果をさらに検証するための大規模な臨床試験や、心血管イベントリスク増加のメカニズムを解明する研究が必要だ。また、他の骨粗鬆症治療薬との比較や、長期的な安全性と有効性を評価する追跡調査も重要となる。透析患者の生活の質向上と生命予後の改善を目指し、より安全で効果的な治療戦略の確立に向けた研究が期待される」と、研究グループは述べている。

留学生集め、医院設立……62人分の診療報酬詐取疑い、歯科医ら逮捕

名古屋市の歯科医院で外国人留学生を診療したと偽り、診療報酬をだまし取ったとして、警視庁は、歯科医師や日本語学校元職員の男ら7人を詐欺容疑で逮捕し、16日に発表した。同庁は7人が虚偽の診療報酬明細書(レセプト)を作成し、2023年5~10月に計約2千万円をだまし取ったとみて調べている。

歯科医、介護...広がる業種 中小賃上げ厳しく 企業倒産高水準に

2024年の企業倒産件数(負債総額1千万円以上)が11年ぶりに1万件を超えた。背景には円安に伴うコスト高に加え、深刻な人手不足や後継者難がある。東京商工リサーチの集計では飲食業が00年以降過去最多の倒産件数を記録。そのほか歯科医院や介護事業者など幅広い業界の企業が倒産や廃業に追い込まれた。大企業は昨年に続き25年春闘でも賃上げに意欲を示し人材の囲い込みに力を入れるが、余力のない中小企業は困難な状況が続く。

 ▽いない後継ぎ

 飲食店だけではなく、多くの業種で倒産が広がっている。関東地方の70代男性は長年営業を続けた銭湯を閉めた。施設は老朽化し後継ぎもいないため、補修費用を銀行から借りることが難しいと判断し廃業を決めた。

 歯科医院の倒産も昨年は18年と並ぶ過去最多だった。資材高に加え、歯科医の高齢化に伴う後継者不足も打撃となった。歯科衛生士などのスタッフ確保にも苦戦した。ヘルパー不足に直面する介護事業者や少子化で競争が厳しい学習塾の倒産も最多を更新した。

蜂窩織炎/丹毒の一般的な原因菌 ─年齢と罹患部位によっても変わりますか?

蜂窩織炎と丹毒の一般的な原因菌
 原因菌の同定には培養検査が必要である。蜂窩織炎/丹毒の培養源としては血液培養、感染部位針吸引、皮膚生検、膿疱/膿瘍、壊死を伴う場合の手術検査体などが候補になお、蜂窩織炎で血液培養が陽性になる割合は約2~8%と低く、アメリカのガイドラインではルーチンの血液培養は推奨されていない1、2 )また、膿瘍形成にまで続く症例は稀である。そのため、原因微生物が同定されるのは約15~30%と多くはない2、3)。

 伝統的にはレンサ球菌と黄色ブドウ球菌が蜂窩織炎の二大起炎菌であるとされている1)。成人の蜂窩織炎患者における血液培養の結果を報告した研究では、最も多く検出されているたのはレンサ球菌(7.1%)で、黄色ブドウ球菌(3.2%)や陰性桿菌(2.8%)よりも多く単離されていた4)レンサ球菌においてはランスフィールド分類のA群レンサ球菌が最も一般的とされるが、B、C、F、G群など他のグループからも蜂窩織炎が起こる2、3)。

 レンサ球菌と黄色ブドウ球菌のどちらが起炎菌であるかの臨床所見から推定する方法として、皮下膿瘍形成の有無に着目する方法が紹介されている。形成を伴う軟部組織感染症では76%が黄色ブドウ球菌によるもので、約60%が市中型のメシシリン耐性黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌):MRSA)によるものであった。一方、膿瘍非形成の症例はレンサ球菌によるものが多かった1)。

 以上より、蜂窩織炎の原因菌としては、一般的にレンサ球菌が多いと考えられるが、膿瘍を形成している症例ではMRSAを含む黄色ブドウ球菌の関与を疑う必要があると考えだろう。

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