記事一覧

歯髄リンパ管の立体構造を世界で初めて可視化。炎症反応や再生過程におけるリンパ管の役割に注目。

歯の中のリンパ管が必要な時に再活性化される動的な存在である可能性を示しており、歯髄の恒常性維持や再生において重要な役割を担っていることを強く示唆しているとのこと。
 特に、歯髄炎や外傷などによって炎症が生じた際に、リンパ管が一時的に再構築されることが示されたことで、歯髄の炎症反応や再生過程におけるリンパ管の役割に、今後注目が集まりそう。

医療機関での測定目標最高血圧130未満

日本高血圧学会はすべての人が取り組むべき降圧目標を、医療機関で測定するときは原則、収縮期(最高)を130未満、拡張期(最低)80未満とすると発表した。
 自宅測定では、最高125未満、最低75未満とするとの見解を示した。
 75歳以上などハイリスク患者には従来、別の目標値を設けていたが、分かりにくいとの声があり、血圧管理と治療のガイドラインを6年ぶりに改定して統一した。
 比較的リスクの低い人には減塩や食事の見直し、適正体重の維持、運動、禁煙、飲酒制限などの生活習慣改善を促す。血圧を下げる治療では、めまい、ふらつき、急性腎障害などを注意するよう求めた。

【メディファクス】

 広島大学原爆放射線医科学研究所の谷本圭司准教授らのグループが、放射線を用いたがん治療において、副作用を抑え治療効果を高めるタンパク質ラクトフェリンを発見した。

広島大学原爆放射線医科学研究所の谷本圭司准教授らのグループが、放射線を用いたがん治療において、副作用を抑え治療効果を高めるタンパク質ラクトフェリンを発見した。
 ラクトフェリンは牛乳や母乳などの分泌液に含まれるタンパク質で、体内での鉄の輸送や貯蔵を助けるほか、細菌の成長を抑えたり、免疫システムを調整する働きがあると言われている。
 また、体内での酸化ストレスを抑える「抗酸化作用」を介して健康維持に役立つと期待されている。

腸内/口腔細菌叢と健康との関連に新たな知見

東京大学医科学研究所 健康医療インテリジェンス分野の佐藤 憲明氏は、『健診コホートにおけるメタゲノム解析』と題して発表を行った。佐藤氏は、腸内細菌叢、口腔細菌叢の解析ツールを開発することで、従来的な菌種の有無や量的な関係に留まらず、代謝機能やゲノムの質的変化も定量的に解析することが可能となっている。

イノベーション・ジャパン2025 ― 金沢大学が日本初の純国産CAD/CAM冠製造システム披露 ―

金沢大学の高杉敬吾 准教授は、日本初となる純国産CAD/CAM冠製造システムを開発した。独自の螺旋経路生成アルゴリズムと高剛性小型ミリングマシンにより、加工時間を従来の3分の1に短縮した。小型で宅配便の輸送も可能であり、小規模歯科技工所でも導入しやすい。
 国内市場は年65~123億円規模と見込まれ、約2万の歯科技工所・3万人の歯科技工士に普及が期待される。通常11千万円規模の機器を200万~300万程度で導入できる点も大きな魅力で、地域格差解消、CAD/CAM冠の納期短縮が見込まれる。                    
 【歯科通信】

座り込んででも改定財源を確保

山田 宏 参議院議員は、次期診療報酬改定について消費者物価指数と賃金上昇率が現在と類似している1991年の翌年の診療報酬改定がプラス5%だったとして「相応の額の伸びを確保しなくてはいけない。座り込んででも獲得してくる」との意気込みを語った。9月11日に開かれた神奈川県歯科医師連盟評議員会の国政報告で述べたもの。
 現在の消費者物価指数が3.3%、人材費上昇が5.2%で1991年時はそれぞれ3.3%、5.7%だったことを比較したもので、必要な財源確保を訴えた。  
【歯科通信】

がん細胞を転移させる原因を発見 ― 口腔がん転移の‘地図’を作成し個別化医療への道を拓く ―

<研究のポイント>
▼転移するがんもあれば転移しないがんもあることは長年の謎であった。本研究では口腔が
 ん細胞のそばに潜み、転移を手助けする主要な細胞集団が働くメカニズムを世界で初めて
 明らかにした
▼がん細胞に転移を促す分子シグナルを送る現場を捉えた
▼がんの転移を促す際に特有の遺伝子パターンを発見した。将来的に転移リスクを予測する
 診断法や転移を促す細胞を標的とした新しい治療薬の開発につながることが期待される

https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1011791  
【山田宏のデンタルマガジン】

三師会で福岡厚労大臣と加藤財務大臣に賃金・物価上昇等への対応を要望

三師会の高橋英登日歯会長、松本吉郎日医会長、岩月進日薬会長は9月11日に、福岡資磨厚生労働大臣を訪ね、(1)医科歯科医療機関、薬局等における賃金・物価の上昇等への今年度中の対応、(2)オンライン資格確認の機器更新費等の補助―について要望書を手交した。また、翌12日には、加藤勝信財務大臣に(1)の要望を行なった。両日とも、元厚労大臣の田村憲久衆院議員が同席した。
●高橋会長「国民の医療を守るための財源確保」を強調
高橋会長は、福岡厚労大臣との面談で、日歯ではオンライン資格確認への対応を会員に促してきたが、経費や事務処理などに対応することが難しく、特に中山間部での閉院が相次いでいることや、会員の平均年齢が63歳となっている現状を説明した。その上で、医療が枯渇しては国民皆保険制度の堅持も難しいとし、国民のための医療を守るためにも、公定価格での歯科医療提供に必要な財源を確保する必要があると強調した。

過去ログ