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歯と口の健康アラカルト たばこと歯周病

たばこには4000種類以上の化学物質が含まれ、約200種類の有害物質、40~60種類の発がん物質が含まれています。最近このようなことが一般的に知られるようになり、また健康への意識の高まりや禁煙治療の保険導入などから喫煙者の数は減少しています。

 歯の二大疾患はう蝕(むし歯)と歯周病ですが、この歯周病の進行に喫煙が大きく関係しているということがさまざまな研究から明らかになってきました。たばこの煙が体に触れる最初の臓器が口ですので、歯肉などの口の粘膜はその中に含まれるニコチンなどの化学物質や一酸化炭素、熱などの刺激が直接加わりダメージを受けます。

 血管が細くなり血流が低下する、栄養・酸素供給が低下する、病原菌に対する抵抗力(免疫力)が低下する、傷を治そうとする細胞(繊維芽細胞)の働きが低下するなど、歯周組織にとって悪い条件が同時に発生し、歯周病を進行させてしまいます。

 その結果、喫煙者は非喫煙者に比べ数倍歯周病にかかりやすくなり、歯科医院で歯周病の治療をしても良い結果が得られにくくなります。また、歯肉の腫れや出血という歯周病の初期症状が覆い隠されてしまい、自覚症状がなく重篤な状態へと進みます。歯がぐらついてきて歯科医院を受診したときにはもう手遅れで抜歯になってしまうというケースも見られます。

 禁煙による効果は非常に早く現れます。歯肉の血流は数日から数週間で改善し始めますが、この時期には一時的に歯肉の出血や腫れが強くなることがあります。これは今まで喫煙の影響で覆い隠されていた歯周病の症状が現れてきたからです。

 たばこを吸う方は自覚症状が無くても歯科医院で歯周病のチェックを受けていただくことをお勧めします。たばこ吸わない方も今後たばこを吸わないように心がけて下さい。

歯やお口の健康にまつわる内容の番組が放映されます。

患者さんとの話題作りにも寄与すると思いますので、ぜひご覧ください。
☆放送日時:平成26年6月6日(金)
  午前10時5分~午前10時15分(10分間)

☆放 送 局:NHK 総合テレビ

☆番 組 名:くらし☆(きらり)解説

☆タイトル:「虫歯って、感染症?生活習慣病?」


○内容
「歯と口の健康週間」をきっかけに、虫歯への基本的な理解と、
その有効な対策を国民に考えてもらうことをねらいとして、
虫歯菌の感染と、特に食事や歯みがき等の生活習慣が、虫歯の
罹患にどのように関わってくるか等を中村 幸司NHK解説委員が
解説する予定です。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu/kurashi/

(当番組は日歯の広報より視聴お勧めの連絡が来ております)
(放送日時、内容等は局側の事情で変更される場合があります)

歯みがき教室 カバのテツオ君、大きな口で 天王寺動物園、「健康週間」前に

「歯と口の健康週間」(4~10日)を前に大阪市天王寺区の天王寺動物園で1日、「カバのテツオ君 歯みがき教室」(府歯科医師会、毎日新聞社主催)が開かれた。今年で3回目。多くの子ども連れらが訪れ、テツオが大きな口を開けると驚きの声が上がった。

 テツオは同園生まれの30歳の雄。約40センチの犬歯のなど大小40本の歯がある。カバは草食のため虫歯になることはないが、歯茎の傷から病気になることもあり、毎日の歯磨きは欠かせないという。

 この日、飼育員が専用のブラシで歯や歯茎を丁寧に磨くと、テツオは目をつむって気持ちよさそうな表情を浮かべた。奈良市の小学3年生の尼野美咲さん(8)は「大きな歯で歯磨きが大変そう。私も頑張って歯を磨きたい」と話していた。

妊婦の歯周病検診無料に 倉敷市、早産などリスク減

倉敷市は6月から、市内に住む妊婦の歯周病検診を無料化した。妊娠中は女性ホルモンの影響で歯周病にかかりやすく、歯周病にかかっていれば早産や低体重児出生のリスクも高まるとされていることから、公費負担によって受診を促し、出産での不安を取り除いてもらう。

 市保健所と水島、児島、玉島、真備の各保健推進室の窓口に妊娠届出書を提出すれば、おやこ健康手帳(母子健康手帳)などと合わせて「妊婦歯科検診依頼票」を交付している。無料検診は妊娠中に1回、市内約200カ所の「検診実施医療機関」で受けることができる。

 検診には通常4千円程度が必要とされており、市は本年度、1500人(妊婦の3割)の受診を見込んで約600万円を予算化している。市保健所健康づくり課は「歯科医の指導や治療を適切に受けて元気な赤ちゃんを産んでほしい」としている。

 既におやこ健康手帳がある人は、各窓口で検診依頼票の交付を申請する。問い合わせは市保健所健康増進センター(086―434―9866)。

 市保健所などによると、妊娠中に分泌される女性ホルモンを栄養分として繁殖する細菌があり、妊婦は歯周病にかかりやすくなる。毒素が体内に入り込めば、免疫反応によって早産の危険性が高まるという。つわりなどで1回の食事量が減少することで、虫歯にもなりやすいとされる。

 岡山県内では総社、新見、井原市なども妊婦の歯周病検診を無料化している。

北大訴訟 説明義務違反を認定 控訴審判決、大学側に慰謝料660万円

北海道大学病院(札幌市)で受けた手術で、下半身などの感覚まひなど深刻な後遺障害を負ったとして、さぬき市の女性と夫が大学側に計約2億4000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、高松高裁であった。三木勇次裁判長は1審・高松地裁の判決を変更。1審判決が認めた夫に対する慰謝料は認められないとしたが、女性に対する説明義務違反を認定し、大学側に慰謝料660万円の支払いを命じた。

 また、女性側は「手術を変更したことで症状が悪化した」と主張したが、三木裁判長は「女性に対する説明義務違反と後遺障害などとの相当因果関係をいまだに認めるに至らない」とした。

 判決によると、女性は1996年9月、難病の「脊髄(せきずい)動静脈奇形」の治療のため、同病院で手術を受けたが、十分な説明がされず、事前の説明とは違う手術が施された。

 判決後、女性の夫は「不適切な治療によって症状が悪化したということに対する損害が認められなかったことが不満」と話し、同病院は「内容を精査して、適切に対応したい」とした。

発達障害、プラスにできる仕事を

大賞チームには起業支援金として賞金100万円――。3月末、都内で高校生向けのビジネスプランコンテストがあった。参加者約120人が25チームに分かれ、起業経験者らの助言をもらいながら、3カ月かけてビジネスプランを考えた。その成果の発表の場だった。

 今年の大賞は3チーム。賞金を分け合った。そのひとつが「発達障害者の雇用システム」を提案したチーム。障害のある人たちにプログラミングなどの研修を受けてもらい、特性にあった仕事を紹介するというビジネスだ。

 リーダーは神奈川県藤沢市の高橋優(まさる)さん(20)。現在は慶応大学環境情報学部の1年生だ。コンテストでは、自らが発達障害であることを打ち明けた。細かいことに注意を払い、じっとするのが苦手で、好きなことに熱中してしまう。「注意力が弱くても、行動的で好きなことに夢中になれる。そうプラスに見てくれる環境をつくりたい」と訴えた。

 幼い頃から、考える子どもだった。なぜ学校に行くのか。なぜ葉っぱは緑なのか……。でも大人は答えをくれなかった。

 進学校の私立高校に進んでも、同じだった。カエルの解剖実験の授業で、「解剖から得る知識と、カエルの命のどちらが大事か」と考えた。周りにいた友達にも聞いてみたが、興味を持ってくれる子はいなかった。

 やがて学校の外に居場所を求めるようになった。NPOや学生団体に参加したり、ベンチャー企業でインターンシップをしたり。起業家たちに出会い、思った。「起業は物事を考えないとできない仕事。感覚が近いかも」。自分の好きなことに挑戦し、それを仕事にもできる起業家を目指すことにした。「やりたいことをやりながら、ご飯も食っていきたい」

 ビジネスコンテストの賞金をもとに来月、会社を設立。プラン作成を助けてくれた社会人ら2人とともに、実現に向けて本格的に準備する。「好きなやつらと徹夜して好きなことをやり続けるって、楽しいでしょ」

医療機関増に前向き 混合診療で厚労相

田村憲久厚生労働相は30日の記者会見で、政府の規制改革会議が求める保険が使える診療と保険外の自由診療を併用できる「混合診療」の拡大案に関し、実施医療機関を増やすことに前向きな姿勢を示した。「趣旨は共有している。一定程度は拡大することを検討したい」と述べた。

 現行制度では混合診療は原則禁止され、一部の先進医療などを「保険外併用療養費制度」の中で例外的に認めている。規制改革会議は、この枠組みに、患者の申し出によって幅広い治療が対象になる「選択療養」(仮称)を設けるよう要求。実施できる医療機関は数百カ所確保することを想定している。

 これに対し、厚労省は実施機関を全国で15カ所程度に絞る対案をまとめているが、田村氏の発言は拡大を検討する考えを示したものだ。

肺炎は予防できるの? ワクチンABC

Q 肺炎で亡くなる人って多いの?

 A 厚生労働省の2013年の推計では、肺炎による死亡者は12万4000人となり、国民病として有名な脳卒中などの「脳血管疾患」を抑えて3位でした。寿命が延びて、高齢者が増えたことが背景にあります。肺炎による死者のうち、65歳以上の高齢者は96%に達します。肺炎は、細菌やウイルスが体に入って起きる肺の炎症です。体の免疫力が落ちるとかかりやすく、原因で最も多いのが「肺炎球菌」と呼ばれる細菌です。

 Q どうすれば防げるの?

 A ワクチンを打つと、予防できる可能性があります。成人向けには、90種類以上の肺炎球菌のうち肺炎を起こしやすい23種類が対象のワクチンがあり、今年10月からは65歳を対象にした定期接種が始まる予定です。18年度までは70歳以上の5歳刻みの年齢の人も対象です。

 Q 子どもは大丈夫なの?

 A 髄膜炎など重い病気を起こしやすい13種類を対象にした小児用ワクチンがあります。定期接種になっており、一般に生後2カ月~半年に1回目を受けると、4週間隔で3回受け、生後1歳~15カ月に4回目を接種します。ただし、ワクチンで全ての肺炎を防げるわけではないので、不調を感じた場合は早めに医療機関へ行くことが大切です。
毎日新聞社 2014年5月29日(木) 配信

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