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発達障害、プラスにできる仕事を

大賞チームには起業支援金として賞金100万円――。3月末、都内で高校生向けのビジネスプランコンテストがあった。参加者約120人が25チームに分かれ、起業経験者らの助言をもらいながら、3カ月かけてビジネスプランを考えた。その成果の発表の場だった。

 今年の大賞は3チーム。賞金を分け合った。そのひとつが「発達障害者の雇用システム」を提案したチーム。障害のある人たちにプログラミングなどの研修を受けてもらい、特性にあった仕事を紹介するというビジネスだ。

 リーダーは神奈川県藤沢市の高橋優(まさる)さん(20)。現在は慶応大学環境情報学部の1年生だ。コンテストでは、自らが発達障害であることを打ち明けた。細かいことに注意を払い、じっとするのが苦手で、好きなことに熱中してしまう。「注意力が弱くても、行動的で好きなことに夢中になれる。そうプラスに見てくれる環境をつくりたい」と訴えた。

 幼い頃から、考える子どもだった。なぜ学校に行くのか。なぜ葉っぱは緑なのか……。でも大人は答えをくれなかった。

 進学校の私立高校に進んでも、同じだった。カエルの解剖実験の授業で、「解剖から得る知識と、カエルの命のどちらが大事か」と考えた。周りにいた友達にも聞いてみたが、興味を持ってくれる子はいなかった。

 やがて学校の外に居場所を求めるようになった。NPOや学生団体に参加したり、ベンチャー企業でインターンシップをしたり。起業家たちに出会い、思った。「起業は物事を考えないとできない仕事。感覚が近いかも」。自分の好きなことに挑戦し、それを仕事にもできる起業家を目指すことにした。「やりたいことをやりながら、ご飯も食っていきたい」

 ビジネスコンテストの賞金をもとに来月、会社を設立。プラン作成を助けてくれた社会人ら2人とともに、実現に向けて本格的に準備する。「好きなやつらと徹夜して好きなことをやり続けるって、楽しいでしょ」

医療機関増に前向き 混合診療で厚労相

田村憲久厚生労働相は30日の記者会見で、政府の規制改革会議が求める保険が使える診療と保険外の自由診療を併用できる「混合診療」の拡大案に関し、実施医療機関を増やすことに前向きな姿勢を示した。「趣旨は共有している。一定程度は拡大することを検討したい」と述べた。

 現行制度では混合診療は原則禁止され、一部の先進医療などを「保険外併用療養費制度」の中で例外的に認めている。規制改革会議は、この枠組みに、患者の申し出によって幅広い治療が対象になる「選択療養」(仮称)を設けるよう要求。実施できる医療機関は数百カ所確保することを想定している。

 これに対し、厚労省は実施機関を全国で15カ所程度に絞る対案をまとめているが、田村氏の発言は拡大を検討する考えを示したものだ。

肺炎は予防できるの? ワクチンABC

Q 肺炎で亡くなる人って多いの?

 A 厚生労働省の2013年の推計では、肺炎による死亡者は12万4000人となり、国民病として有名な脳卒中などの「脳血管疾患」を抑えて3位でした。寿命が延びて、高齢者が増えたことが背景にあります。肺炎による死者のうち、65歳以上の高齢者は96%に達します。肺炎は、細菌やウイルスが体に入って起きる肺の炎症です。体の免疫力が落ちるとかかりやすく、原因で最も多いのが「肺炎球菌」と呼ばれる細菌です。

 Q どうすれば防げるの?

 A ワクチンを打つと、予防できる可能性があります。成人向けには、90種類以上の肺炎球菌のうち肺炎を起こしやすい23種類が対象のワクチンがあり、今年10月からは65歳を対象にした定期接種が始まる予定です。18年度までは70歳以上の5歳刻みの年齢の人も対象です。

 Q 子どもは大丈夫なの?

 A 髄膜炎など重い病気を起こしやすい13種類を対象にした小児用ワクチンがあります。定期接種になっており、一般に生後2カ月~半年に1回目を受けると、4週間隔で3回受け、生後1歳~15カ月に4回目を接種します。ただし、ワクチンで全ての肺炎を防げるわけではないので、不調を感じた場合は早めに医療機関へ行くことが大切です。
毎日新聞社 2014年5月29日(木) 配信

誤嚥無縁体操 むせる力アップ、肺炎予防 高齢者向けに奈良県

奈良県などから依頼を受けた専門家グループが、食べ物などを誤って気管にのみ込む「誤嚥(ごえん)」を予防するための体操を考案した。食べ物や唾液に含まれる細菌は肺炎の原因になるので、体操を通じ食べ物をのみ込む力や気管に入った食べ物を外に出す「むせる力」などを高める。こうした力が衰えた高齢者の誤嚥性肺炎を減らそうという取り組みで、専用サイトで動画を発信し愛称を募集するなど、普及を目指している。【釣田祐喜】

 奈良県と県後期高齢者医療広域連合が実行委員会をつくり、学者らに協力を求めて2011年から2年半かけて考えた。肺炎は日本人の死因で3位(2012年人口動態調査)で、誤嚥性肺炎は高齢者ほど多いとされる。

 体操は高齢者が取り組めるように体への負担を軽くするなどの工夫がされている。全12種類で約5分間でこなす。「首のストレッチング」では、首を前後や左右に倒すことで、「筋肉の緊張をほぐし、のみ込むために重要な首の柔軟性を高める」としている。

 体操の効果を示すデータも出ている。奈良県によると、昨年10月~今年3月に専門の機器を使い、体操を実践した約130人の「むせる力」を計測して実践前との変化を調査。その結果、「むせる力」の数値が2割近く向上したという。

 考案者の一人で畿央大健康科学部の高取克彦准教授(介護予防)は「続けていれば、身体機能は確実に上がる。立ったまま運動するのが難しい場合、椅子に座った状態でもできる。それぞれができる範囲で取り組んでほしい」と話す。

 体操は仮称で「なら健康長寿体操」としているが、実行委は7月10日まで愛称を募集している。奈良県が開設するホームページ(http://www.sukoyakanet.pref.nara.jp/)から動画を閲覧できる。問い合わせは実行委(0744・29・8641)。

毎日新聞社 2014年5月29日(木) 配信

「体によい食品」表示制度、新たに 企業が独自判断、「トクホ」制度は維持

食品がどう体にいいか示す「機能性表示」が今年度中に解禁される。消費者庁の検討会で新制度の骨格が固まってきた。米国にならい企業の判断で「骨の健康を保つ」といった健康効果の表示を可能にする。ただし根拠のない表示や宣伝を防ぐ対策も入れる方向だ。

 現行は、商品ごとに国の審査で許可を得る「特定保健用食品(トクホ)」と、「栄養機能食品」の2制度があるが、企業にとって使い勝手が悪いとして、成長戦略の一環で新制度導入を昨年閣議決定した。

 新制度は企業側の判断で健康効果をうたえるようにするのが大原則。米国の制度「ダイエタリーサプリメント」にならった。ただし異なる点もある。対象食品は米国ではサプリメントだけだが、食品一般に広げ、生鮮農産物も含むことにした。

 健康効果の根拠を明確にするためのルールは厳格に定める方向だ。人で確かめた十分な科学的データを条件とし、情報公開を義務づける見通し。機能性成分の安全性を調べ開示することなども企業側に求める。また米国と同じく、国の評価を受けていないことを表示するよう義務づける方向。表示は健康維持・増進に関する表現に限り、病気の治療や予防に触れることは認めない。トクホなどの2制度は引き続き残る。

朝日新聞 2014年5月29日(木) 配信

平成26年度保険改定の結果検証が提案される      中医協総会

5月14日開催された中医協総会(第277回)で、診療報酬改定結果検証部
会より平成26年度診療報酬改定結果検証に係る特別調査案が報告され
た。このうち歯科関連では、「訪問歯科診療の評価および実態等に関
する調査」が提案されている。調査目的は今期改定で訪問診療に対し
ておこなった、訪問診療を中心に実施している歯科診療所の評価や医
科医療機関と歯科医療機関の連携に着目した評価の見直しについて、
この見直しが訪問診療の実施状況にどのような影響を与えたか等を検
証することとし、調査実施時期は本年8~10月を予定している。

詳細は
『厚労省ホームページ 中医協総会』
「診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を参照下さい
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000045727.html

北九州で歯科医刺され重傷 暴力団視野に捜査

26日午前8時半ごろ、北九州市小倉北区真鶴1丁目の駐車場で、同市若松区の男性歯科医(29)が血を流しているのをタクシー運転手が見つけ、110番した。男性は脚や腹などを刺され重傷だが、命に別条はない。福岡県警は殺人未遂容疑で捜査を始めた。

 捜査関係者によると、男性の親族2人が16年前と昨年に市内で射殺され、うち1人の事件では北九州を拠点とする特定危険指定暴力団「工藤会」系組長が摘発され実刑判決を受けている。県警は約2カ月前に男性に対し警戒するよう注意を呼び掛けており、暴力団関係者を中心に捜査を進めている。

 県警によると、男性は勤務先の九州歯科大付属病院に向かうため、近くの駐車場で運転していた乗用車を降りた際、刃物のようなもので刺された。犯人はバイクで逃走したとみられる。2人組でヘルメットをかぶっていたとの目撃情報がある。

 捜査関係者によると、1998年2月に、男性の祖父で港湾工事に影響力のあった梶原国弘(かじわら・くにひろ)さん=当時(70)=が市内の繁華街で射殺され、その後、工藤会系組長2人が殺人罪で無期懲役などの実刑判決を受けた。

 昨年12月には、梶原さんの弟で北九州市漁協組合長の上野忠義(うえの・ただよし)さん=当時(70)=が、市内の自宅近くで何者かに銃撃され死亡した。上野さんも市内の海岸で市が進めるごみ処理場建設計画で漁業補償交渉を担当。今回被害に遭った男性の父親は、同市若松区内の漁協幹部を務めているという。

 現場は住宅や飲食店が並ぶ一角。捜査員は犯人が逃走の際に凶器を捨てた可能性もあるとみて周辺の川を捜索した。近くに住む80代の男性は「静かな所で、事件が起きたことがない。気持ちが悪い」と不安げに話した。

歯科、1千万円不正受給 生保受給者の治療装い

長崎市は26日、同市深堀町の「大森歯科医院」が生活保護受給者42人を治療したように装うなどし、診療報酬計約1千万円を自治体から不正受給していたと発表した。詐欺容疑での刑事告訴を検討している。

 受給者の医療費は市町村が負担している。市によると、2009年4月~13年2月、実際は治療していない受給者を治療したように装ったり、治療箇所を水増ししたりして計534件の不正請求を繰り返した。

 大森英樹(おおもり・ひでき)院長は市の調査に「患者が少なくなり収入が減っていた。深く反省している。不正受給額を市に返還する」と述べた。

 受給者の1人が12年8月、別の歯科で治療を受けたにもかかわらず、大森歯科医院も診療報酬を請求し、不正が発覚した。

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