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【長野】長寿へ給食に「ぴんころ食」

佐久市が4月から、小中学生を含めた若年層への保健活動を強化し始めた。減塩で野菜やたんぱく質が豊富な市開発の長寿食「ぴんころ食」を給食に出し、脂質や血糖の値が高い小中学生には、保健師が健康相談を実施することにした。

 厚生労働省が昨年発表した2010年の「都道府県別生命表」で男性に続いて女性も長寿日本一となった長野県。全国の市区町村別順位では、佐久市は県内で唯一男女とも上位20位以内に入り、「長寿のまち」としての健在ぶりを示した。

 にもかかわらず、市が子どもたちを含む若年層への保健活動を強化するのは、食の欧米化などの影響が健康を損ねているからだ。

 市などの10年以降の調査によると、塩分摂取量は、加工食品や外食をとる機会が増えたことで、女性(全世代平均)が国の目標値の1・8倍、男性(同)は1・4倍を記録。血糖値も男女とも県平均を上回った。総コレステロール値が高い脂質異常の小学生の割合は5年で9%から15%に増えた。

 このため、小中学校で行っている血液検査に血糖値検査を追加し、早くから生活習慣病の芽を摘む。検査結果に応じて健康相談を実施し、食事など1日の生活を記録する「生活点検票」も配る。ぴんころ食の紹介チラシも保護者向けに作成し、食生活の大切さについて親子で考えてもらう。

 このほか、新たな命を育む妊娠期の女性への食育活動にも力を入れるほか、35-39歳の健診の自己負担軽減を図ることにした。

 市は1963年、脳卒中の死亡率が日本一で、長寿の街には程遠かった。しかし、吉沢国雄院長率いる市立国保浅間総合病院や市、主婦らでつくる保健補導員会などが一丸となって予防医療に注力。減塩や、不足気味の動物性たんぱく質の摂取を指導するなどした。半世紀に及ぶその積み重ねが寿命を延ばしてきた。

 ぴんころ食の推奨などを提言した市の「新しい保健」の検討委員会(委員長=宮地文子佐久大副学長)は、こうした保健補導員を若年層への働きかけに活用することも提案。宮地委員長は「(子どもを含めた)各世代に合わせたきめ細かい戦略が大切だ」としている。

70歳から74歳の方の医療費の窓口負担について 4月より窓口負担が見直しとなります

70歳から74歳の方の窓口負担は、平成18年の法改正により平成20年
4月から2割とされていますが、特例措置でこれまで1割とされてい
ました。
しかし、この特例措置により70歳から74歳の方の負担が前後の世代に
比べ低くなるという状況があり、より公平な仕組みとするため、平成
26年度から見直すこととなりました。
見直しに当たっては、高齢の方の生活に大きな影響が生じることのな
いよう、
 
 [1] 平成26年4月以降新たに70歳に達する方(69歳まで3割負担
   だった方)から2割とし、既に70歳になっている方は1割に据
   え置く
 [2] 月ごとの負担限度額を定める高額療養費について、
   特例措置により低く設定していたこれまでの負担限度額を据え
置くこととしました。

具体的な見直し内容は以下のとおりです。

平成26年4月2日以降に70歳の誕生日を迎える方
(誕生日が昭和19年4月2日以降の方)

・70歳となる誕生月の翌月(各月1日が誕生日の方はその月)の診療
から、窓口負担は69歳までの3割から2割になります。
(例えば、平成26年4月2日~5月1日に70歳の誕生日を迎える方は、
4月まで3割負担、5月から2割負担になります。)

・窓口負担には月ごとの負担限度額が定められていますが、
70歳から2割負担となる方は、69歳までと比べて負担限度額が下がり
ます。

・一定の所得がある方は、これまでどおり3割負担です。

歯科治療中に2歳女児死亡 3年後に元歯科院長、起訴 埼玉新聞3月28日

埼玉県新座市の歯科医院で、歯科治療中に女児(2)が死亡した事件で、
さいたま地検は28日、業務上過失致死の罪で、「にいざデンタルクリ
ニック」(閉院)の元院長を起訴した。 起訴状などによると、元院
長は2010年6月13日、同クリニックで女児の前歯を治療中、はさんだロ
ールワッテ1個が口中に落下、気道を閉塞し、翌日、東京都内病院にて
窒息による低酸素脳症で死亡させたとされる。女児は激しく泣いて暴
れていたため、あおむけにして母親が抱きかかえるとともに、助手2
人が頭や足を押さえ付けていた。元院長は、女児が泣きながら激しく呼
吸しているため、ロールワッテが落下して誤飲の危険性があったにも
かかわらず、防止措置をせず、治療を続けた過失があったとしている。 
県警が書類送検したのは同年12月1日。起訴まで3年以上かかったことに
ついて、同地検は「医療事故で難しい事案なので、時間をかけて調べ
た」としている。

虫歯が高齢者の心停止に関連? 日本循環器学会

う蝕が、65歳以上の男性における院外心停止に関連する可能性が示さ
れた。3月21~23日に東京で開催された日本循環器学会にて、福岡大
心臓血管内科、末松保憲氏によるセッション「Late Breaking Cohort
Studies」での発表、末松氏らは都道府県単位の集団で、う蝕と院外
心停止の関連を検討した。院外心停止罹患率は、ウツタインレジスト
(心停止の統計データベース)に2005~2011年に登録された78万5591件
を用いて解析した。同レジストリの55.4%は心原性、44.6%非心原性
の心停止が登録されている。一方、都道府県別のう蝕有病率は、厚生
労働省の患者調査によるう蝕の治療件数を用いて解析した。その結果、
全心停止とう蝕、心原性心停止とう蝕において、それぞれの増加件数
は正の相関を示した。年代・男女別に解析すると、65歳以上の男性で、
全心停止(r=0.47、P<0.001)、心原性心停止の罹患率と、う蝕有
病率の間にに有意な正の相関を認めた。
「口腔衛生は全年齢において院外心停止に関連するが、特に65歳以上
の男性で強く関連する可能性が示された」と末松氏は語った。これま
でにも歯周病と心臓疾患との関連は報告され、歯科領域では注目すべ
き報告である。

歯周病の環境因子の改善

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環境因子の改善については、禁煙や節煙、食生活の改善、ストレスの解消、適度な運動習慣と、生活習慣の改善そのものです。生活習慣の改善で、歯周病の環境因子も小さくすることができるのです。

歯周病のリスク因子を改善するには

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療はどのようにすれば良いのでしょうか。要は、細菌、生体、環境のリスク因子を全部改善すればいいわけです。歯科医としては生体因子については手を出せませんので、細菌因子と環境因子を小さくします。

まず細菌の因子を小さくします。それをプラークコントロールと言います。歯の周りの汚れを低レベルにコントロールすることです。これには歯ブラシを使ったブラッシングやフロスを使った歯間部の汚れの除去、また機械を使った表面の研磨があります。一旦ついた歯石はスケーリング・ルートプレーニング、ガリガリ取っているわけです。そのあとケミカルプラークコントロールとして、歯磨剤や洗口剤を使います。この中には抗菌薬や抗炎症薬が入っています。

非常に強い炎症がある場合は、そこに付着しているプラークや歯石をブラッシングやスケーリングをして取り除きます。その結果、歯肉の炎症が治まってきます。もちろん何も薬は使っていません。機械的に汚れを取っているだけで、ここまで炎症が改善できました。

歯周病は掌サイズ

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歯周病が非常に全身の疾患と関わりが強いと言われる理由は分かりますか。まずその始まりは、やはり歯周ポケットになります。歯と歯肉の病的な溝の部分です。その歯周ポケットの中に多くの細菌が潜んでいるわけです。親不知を除いて、28本歯があるわけですが、それぞれの歯の周囲に7mmの歯周ポケットがあると仮定します。そうしますと、歯周ポケットの歯肉上皮側の表面積が計算できます。それを計算すると、誤差を考えて50から70cm²になると考えられています。

 ポケット上皮の表面は非常に小さな潰瘍がたくさんあります。微小潰瘍はご存じのように、上皮が薄くなっています。外のものが組織内に進入しやすいのです。すなわち歯周ポケット内のプラーク細菌や代謝産物が、どんどん体中に入り込んできます。ちょうど掌ぐらいの入口が口腔内に存在していると考えることができます。

歯周病が全身をおびやかすワケ

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歯周病を悪化させるものには、細菌因子、生体因子、環境のリスク因子と全身疾患があります。一方で、最近10数年の研究の成果により、歯周病が全身疾患のリスク因子となる可能性も明らかにされてきています。

 健康な口腔内が歯周炎にまで進行すると、歯周病原細菌が非常に多く歯周ポケット内で増殖します。それに対して、歯周組織内では炎症性メディエーターが非常に多く産生されます。これが感染性心内膜炎や循環器疾患、糖尿病、早産・低体重児出産、細菌性肺炎というような形で、全身へ影響を及ぼしていくわけです。

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