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「3・11の記録」を読み返す

2012年に日本歯科医師会が編纂、中央公論社より出版された「食べる
-生きる力を支える」3冊組の第3巻 「3・11の記録」をご存知ですか?
この本の冒頭、2011年、3月11日、 後に東日本大震災と名付けられた
大災害に際して、被災3県で歯科医が災害支援活動を行ったが、当初、
その任務は医療援助ではなく多くの亡くなられた方の身元を明らかに
する検視であったことから始まる。
特に前半は「生活の医療」のジャーナリスト、秋元秀俊氏の取材、執
筆による派遣歯科医師の活動記録である。普段は死と縁遠い開業歯科
医師が派遣先の過酷な状況下で自衛隊、警察などと協力しながら検視
を進めて行く姿、その奮闘が読み手にもひしひしと伝わってくる。
後半はわずか10日後より開始された、仮設診療所や移動診療所による
歯科医療援助活動の記録である。歯科医師の果たす役割、果たせる役
割、その倫理学的背景にも言及がされている。歯科医療を担う一人と
して、読後、様々なことを考えさせられた。
この機会に既読の方も再度、未読の方は是非ご一読されたい。

聴診器も滅菌が必要

聴診器の体に当てる部分(膜面)には、それを使って診察する医師の手の大部分より多くの細菌が付着するという論文をスイス・ジュネーブ大などの研究チームが米医学誌に発表した。

 医師3人が滅菌処理した手袋を着け、滅菌した聴診器で患者を診察。手や聴診器に付着した細菌を調べた。どの患者も皮膚の感染症はなかった。

 その結果、単位面積当たりの細菌数は指先が最も多く、その次が聴診器の膜面だった。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を持つ患者の診察でも、指先と膜面への付着が多かった。

 聴診器を頻繁に滅菌する医療関係者は少ないといい、チームは「滅菌を励行する必要がある」と指摘している。

まどみちおさんの歯の詩 知ってますか?

童謡「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」などで知られる、詩人、
まどみちおさんが2月28日に亡くなられた。104歳だった。
「一ねんせいになったら」「ふしぎなポケット」などユーモアあふれ
る童謡は多くの子どもたちに愛されてきた。
そんなまどさんの詩のなかに乳歯の詩がある。

「ぬけた歯」
ぬけた歯をてのひらにのせると 星のようだ
生きもののぼくの口の中へはもう帰れないほど
とおくに光る・・・
ぼくの体の どこかであったのが嘘のようだ
ここから見えるのもふしぎなふるさとの どこかに
帰りついているかのようだ
そこにあることこそが本当の・・・
生きものの一ばん初めの先祖がそこで生まれたころの
風も虹もやまびこも まだ赤んぼうだったころの
宇宙のふるさとの どこかに・・・

高齢者の「誤嚥」は危険 食事はゆっくりと

伊那中央病院(伊那市小四郎久保)が昨年11月から開講している「心臓病教室」の第8回が2月26日、同病院講堂であった。最終回の今回は介護に視点を当てた2部構成で、前半は言語聴覚士の堺沢彩さんが「食べるということ」と題して講演。水分や食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」の危険性と予防などについて解説し、約130人が熱心に耳を傾けた。【宮坂一則】

 ■誤嚥とは

 最近むせるようになった▽食べ物が喉に引っかかる▽飲み込んだのにまだ喉に残っている――。こんな症状を自覚したことがありますか。食べたり飲んだりすることに支障が出ることを「嚥下(えんげ)障害」と言います。

 脳卒中などの病気や老化現象、寝たきり、全身状態の悪化などから起こりますが、一番命に関わるのは「むせる」ということです。本来は水分や食べ物が食道を通って胃に入りますが、食道ではなく気管に入ってしまうことを「誤嚥」と言い、むせるのは肺に入るのを防ぐ防御反応です。しかし、むせたからといって必ずしも防御ができるわけではなく、むせ方が弱かったり、喉の感覚が悪かったりしてむせない誤嚥もあると言えます。

 ■繰り返すと肺炎に

 頻繁に誤嚥を繰り返すと、突然高熱が出たり微熱になったりを繰り返す▽たんが増える▽むせることが増える▽食欲がない――などの症状が出て肺炎になる可能性が高くなります。厚生労働省の調査によると、日本人の死因の第3位は肺炎といわれており、その97%は65歳以上の高齢者で、多くが誤嚥による肺炎ということです。

 肺炎が長期化すると全身状態が悪くなるため飲み込みの能力がさらに低下し、心疾患の悪化にもつながりかねません。命に関わることでもあるので、誤嚥の兆候を覚えておき、わずかなことでも怪しんでみてほしいと思います。

 ■どう防ぐ

 食事の際、おしゃべりをしながらとかテレビを見ながらの食べ方をしていませんか。これは誤嚥の確率が高くなります。ベッドでの誤嚥を防ぐには、マットレスの角度でなく体の角度で調節してください。枕を入れるなどして頭に角度をつけると飲み込みやすくなります。姿勢の調節の他、ゆっくり食べる▽少しずつ口に入れる▽食物を柔らかく一口大に切る――などが大事です。介助のポイントとしては、姿勢を整える▽目線を合わせる▽ゆっくり少量ずつ運ぶ▽飲み込むのを確認する▽安易に話しかけない――などです。水分でむせる場合は「とろみ」をつけることで安全に飲み込めるようになります。

 飲み込みにくくなる理由の一つに唾液の減少があります。食事の前に口を大きく開けたり閉じたり、舌を出したり唇をなめたりして、食べるための準備をすることも必要です。誤嚥は誰にでも起こりうることですが、気を付ければ防げます。より安全に楽しく食べられるよう日常の食事を工夫してみましょう。毎日新聞社 2014年3月13日(木) 配信

新たな基金制度を説明 都道府県歯対応案示す

平成25年度都道府県歯科医師会地域保健・産業保健・介護保険担当理事連絡協議会が1月22日(水)、歯科医師会館で開催され、厚労省が「医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度」(新たな基金制度、904億円)について説明した他、日歯は本基金事業に関しての都道府県歯での対応案を示した。
                             日歯広報 2月15日

歯科「初診16点・再診3点」増で決着

中医協総会が2月5日(水)、厚労省内で開催され、平成26年4月からの消費税8%への引き上げに伴う対応として、歯科は「初診料16点、再診料3点」をそれぞれ引き上げることを決定した。
                             日歯広報 2月15日

フッ化物の目的

健康的な生活を送るためには、虫歯を予防することがとても大切です。虫歯の効果的な予防のためには、フッ化物洗口を行い、歯の質を強くして、虫歯になりにくい環境を育むことが重要です。
 
 効果は?
 フッ化物には次のような効果があります・
 ●虫歯になりかけて、溶け出したカルシウムを元に戻す
 ●歯の質を丈夫にする
 ●虫歯菌の活動を抑える
 最初の永久歯が生える4歳頃から開始し、永久歯が生えそろう中学3年生頃まで継続して行うと、成人になってからも虫歯数の減少につながります。
 
 安全性は?
 フッ化物洗口液は、1回分の量を飲んでも急性中毒を起こさない濃度に調整されているので、誤って1回分の洗口液を飲んでしまっても健康に悪影響はありません。また、フッ化物そのものがアレルギーの原因となることはありません。

Q小学校で、週1回フッ化物洗口をしていますが、どのような効果がありますか。誤って飲み込んでしまっても大丈夫ですか?

Aフッ化物洗口とは、一定の濃度のフッ化ナトリウムを含む5~10mlの洗口液を口に含み、1分間「ブクブクうがい」をする虫歯の予防法で、平成24年度から市内の小学校で実施しています。

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