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新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ変更に伴う往診に係る 診療報酬上の臨時的な取扱いの廃止について(

自宅・宿泊療養を行っている者への往診の診療報酬上の取扱いについては、「新型コ
ロナウイルス感染症にかかる診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その 42)」(令和
3年4月 21 日厚生労働省保険局医療課事務連絡。)の問1において、一定の場合に保
険医療機関の医師が患者等に電話した場合でも往診料が算定できる臨時的な取扱い
(以下「旧取扱い」という。)が示されていたところです。
また、旧取扱いについては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変
更に伴い、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う施設基準
等に関する臨時的な取扱いについて」(令和5年4月6日医療課事務連絡)において廃
止されており、令和5年5月8日以降は、都道府県等に委託された事業者から情報提供
を受けた医師が患者等に電話等を行った場合、往診料は算定できない新型コロナウイ
ルス感染症流行前の取扱いに戻っております。
令和5年8月2日の中央社会保険医療協議会においても、令和3年度以降、15 歳未
満の患者の往診料の算定回数が大きく増加しており、旧取扱いの影響がどうなってい
るのか検証すべきと指摘があったところ、旧取扱いの廃止について、改めて貴管下の保
険医療機関へ周知いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合におけ る対応等に対する疑義解釈について」の一部改正について

マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の診療
報酬等の請求等については、「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行
うことができない場合における対応等に対する疑義解釈について」(令和5年8月
3日付け厚生労働省保険局保険課、厚生労働省保険局国民健康保険課、厚生労働省
保険局高齢者医療課、厚生労働省保険局医療介護連携政策課、厚生労働省保険局医
療課事務連絡)により、その具体的な取扱いを整理しているところですが、今般、
当該取扱いの一層の明確化を図るため、同通知を別紙のとおり改正することとした
ので、内容について御了知いただくとともに、適切に運用いただくようお願いしま
す。(

百歳以上、9万2139人 53年連続増、女性が88% 最高齢は116歳 「敬老の日」で厚労省

 「敬老の日」(今年は18日)を前に、厚生労働省は15日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万2139人になったと発表した。昨年から1613人増え53年連続で増加。全体のうち女性が8万1589人と88・5%を占め、男性は1万550人。最高齢は116歳だった。

 老人福祉法で「老人の日」と定めた15日時点で100歳以上の高齢者の数を、1日時点の住民基本台帳を基に集計した。昨年からの増加数は男性が185人、女性は1428人。2023年度中に100歳になる人は4万7107人(前年度比1966人増)だった。

 女性の最高齢は大阪府柏原市の巽(たつみ)フサさんで、1907(明治40)年4月25日生まれの116歳。男性は千葉県館山市の薗部儀三郎(そのべ・ぎさぶろう)さんで、11(明治44)年11月6日生まれの111歳。

 人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は73・74人。都道府県別では、島根が11年連続最多で155・17人、次いで高知146・01人、鳥取126・29人の順だった。埼玉が44・79人で最も少なかった。

 100歳以上の高齢者は調査を始めた63年が153人で、81年に千人を突破。98年には1万人を超えた。医療や介護などの充実が背景とされる。

 厚労省によると、22年の日本人の平均寿命は女性が87・09歳、男性が81・05歳となり、2年連続で前年を下回った。新型コロナウイルス流行の影響とみられる。

頭頸部の身体診察 その2――口腔・喉頭の診察

口腔・咽頭の診察
 口腔の観察では、口腔粘膜、口蓋扁桃、口蓋垂、咽頭後壁の順に診察を進めます。

(1)口腔粘膜
 口腔粘膜の観察では、粘膜の湿潤の程度と粘膜上に現れる色素沈着などの異常所見を探すように観察します。

① 体液量減少
 身体所見上、最も体液量減少と相関するとされているのが、舌の乾燥、溝状舌(図1)、口腔粘膜の乾燥です1)。口腔粘膜の乾燥を評価する際は、舌圧子を頬粘膜に当てたときに、舌圧子が貼りつくかどうかでも評価できます(図2)。


図1 体液量減少による溝状舌


図2 口腔内の観察
体液量減少が疑われる患者さん:舌圧子が頬粘膜に貼りついている。

② Koplik斑
 麻疹に疾患特異的な所見とされ、紅斑を背景として頬粘膜に白い、砂状の斑状構造物として観察されます(図3)。


図3 Koplik斑
大船中央病院 須藤博先生のご厚意による。

 Koplik斑は麻疹ウイルスに感染してからおよそ10~14日後、皮疹が出現する約2日前に出現します2)。麻疹は発熱、咳嗽などの前駆症状期は一般的な急性上気道炎との鑑別が難しく、Koplik斑は麻疹の早期診断のきっかけとなるため、流行している場合は基本的な感染対策を行ったうえで、ぜひ確認しておきたい所見です。

(2)口蓋扁桃
 口蓋扁桃の観察では、扁桃腫大の程度、発赤の有無、滲出液や白苔の付着などを確認します。急性扁桃炎などにより口蓋扁桃が腫大している場合は、Mackenzie分類を使って腫大の程度を分類します(図4)。


図4 Mackenzie分類

(3)口蓋垂
 口蓋垂を観察する際は、口蓋垂が正中にあるかどうか、左右どちらかに偏位していないかどうかを確認します。

 特に咽頭痛を訴える患者さんで口蓋垂の偏位が観察されるときは、扁桃周囲膿瘍である可能性があります。扁桃周囲膿瘍ではhot potato voiceと呼ばれる、熱いジャガイモを口に含んで喋っているような含み声が特徴的です。

(4)咽頭後壁
 咽頭後壁では、後鼻漏の有無やリンパ濾胞の有無を確認します。

 急性上気道炎では咽頭後壁に赤色のリンパ濾胞を認めることがあり、特にインフルエンザウイルスによる感染では、濾胞の境界が明瞭で、イクラのような外観を呈することがあります(画像は文献3を参照)。

歯科衛生士不足に歯止め 山梨県歯科医師会

山梨県歯科医師会の吉田英二会長は11日、歯科衛生士の不足に対応するため、県歯科衛生専門学校の学生への修学資金貸付制度を設けたことに、「口腔の健康づくりを支える仕事に興味を持つ人が増えてほしい」と切り出した。

 貸与額は年額43万2千円。県内医療機関に5年間勤務するなどの条件で返還を免除する。歯の健康に対するニーズが高まり、要介護者への訪問口腔ケアも多いとして、「歯科衛生士の役割は広がっている。チーム医療を行う上でも不可欠な専門職だ」と強調した。

 続けて「仕事内容を詳しく知らない県民も多い。啓発イベントを通じてPRしたい」とも。人材不足に歯止めをかけるため力を尽くす構え。

「歯生え薬」実用化目指す 京大ベンチャー、来夏治験

歯を生やす「歯生え薬」の実用化に、京都大発のベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などのチームが取り組んでいる。2024年7月ごろから健康な成人で薬の安全性などを確かめる臨床試験(治験)を始め、30年ごろの実用化を目指す。チームは「世界初の試み」としている。

 チームは、歯の成長を抑制するタンパク質「USAG―1」の働きをなくす抗体薬を開発。人には乳歯、永久歯とは別に、新たな歯になり得る「芽」のようなものがあるが、通常は生えずになくなる。薬はこの芽に働きかけ、成長を促す。

 18年、歯の数が少ないマウスに薬を投与し、歯を生やすことに成功した。人と同様、乳歯と永久歯があるフェレットでは永久歯の内側から新たな歯が生えた。

 25年からは生まれつき永久歯の数が少ない「先天性無歯症」の2~6歳の子どもを対象とした治験を始める予定。歯の芽の成長を狙い、静脈注射で薬を1度投与する。

 虫歯などで歯を失った成人の治療も将来的には視野に入れている。同社創業メンバーで北野病院(大阪市)の高橋克(たかはし・かつ)歯科口腔(こうくう)外科主任部長は「子どもの場合、歯が生えないと顎の骨の発達などにも影響する。歯生え薬で悩みに応えたい」と話した。

口腔がん術後放射線治療の開始延長、OS不良と関連

カナダの8施設で手術および補助放射線療法を受けた口腔がん患者1368例(診断時の年齢中央値61歳、男性65%)を対象に、口腔がんの治療遅延と全生存率(OS)との関連を多施設コホート研究で検討。手術から術後放射線治療開始までの間隔(S-PORT)と放射線治療間の間隔(RTI)を評価し、それぞれ42日超、46日超を治療間隔延長と定義した。

 追跡期間中央値34カ月の結果、3年OSは68%だった。単変量解析では、S-PORT延長の患者で3年OSがより不良だったが(66% vs. 77%、オッズ比1.75、95%CI 1.27-2.42)、RTI延長はOSと関連がなかった(67% vs. 69%、同1.06、95%CI 0.81-1.38)。OSと関連を認めた他の因子は、年齢、チャールソン併存疾患指数、飲酒状況、T分類、N分類、および施設だった。多変量モデルでも、S-PORT延長はOSと独立した関連が見られた(ハザード比1.39、95%CI 1.07-1.80)。

道民公開講座 -320人が来場

8月19日(土)午前11時より、札幌パークホテルにおいて、本会主催による道民公開講座が「スポーツと食で健康を育む」をテーマに「田中賢介氏トークショー」を開催した。

 田中賢介氏(学校法人田中学園 田中学園立命館慶祥小学校 理事長・北海道日本ハムファイターズスペシャルアドバイザー)をゲストに迎え、高橋英登氏(日本歯科医師会 会長)が座長となり、講演から対談形式によるトークへと展開され、例年には見られない子ども連れの姿もあり、盛況を呈していた。

 田中氏は食と身体の関係についてストイックなまでに食に向き合ってきた歴史を織り交ぜながら「食は身体と健康の基本であるため、年齢に応じた食事を習慣づけることが大切である」と説き、参加者は大きく頷いていた。

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