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朝食調査 朝食は体内時計整え、肥満防止につながる

 1日3食のうち、朝食が最もおろそかにされている現状が、食事の時間と内容に着目した時間栄養学を研究する柴田重信・早稲田大教授監修の「朝食に関する調査」で浮き彫りになった。柴田教授は「朝から活発に活動する現代人にとり、朝食に重点を置くことこそが大切。体内時計を整え肥満防止にもつながる」としている。

 調査は、20~50代の男女1200人を対象に、市場調査を手掛ける「シタシオンジャパン」(東京都中央区)が3月、インターネットで実施した。

 その結果、朝食を「平日にほぼ毎日食べている」は70・6%。昼食は83・8%、夕食は92・3%だった。また、朝食を「食べた」人も、多くは「ご飯・おにぎり」「トースト」「菓子パン・調理パン」などの主食単品で、「乳・乳製品・卵」「魚介・肉類・豆・豆製品」「野菜・芋類・果物」などを含む栄養バランスのとれた朝食を食べている人は16・3%だった。

 柴田教授は「朝食には体内時計を合わせる役割がある。栄養バランスのとれた朝食を食べなければ、心身の不調につながる『朝食時差ぼけ』状態を招くことがある」と指摘した。柴田教授によると、朝食と夕食の食事パターンで体重変化を見るマウス実験では、1日1食より2食、さらに朝食に重点を置いた方が太りにくい、という結果が出ているという。
毎日新聞社 2014年5月14日(水) 配信

生活保護受給、17年ぶり減 2月、前月比368世帯

年2月の生活保護の受給世帯は159万8818世帯で、前月より368世帯減少した。厚生労働省が14日、速報値を公表した。就職機会が増えて季節的に受給者が減りやすい4月をのぞくと、受給世帯の減少は17年5カ月ぶり。受給者数も、過去最多だった前月より1546人減り、216万6381人だった。

 高齢化の影響などで受給世帯は増え続け、1990年代半ばと比べれば100万世帯近く増えた。今回の世帯数の減少について、同省は「失業率や有効求人倍率の改善など雇用情勢の回復が減少につながった可能性がある」とみる。ただ今後も減少傾向が続くかについては「引き続き注視が必要」と慎重だ。世帯の内訳では高齢者世帯が最も多く、46%を占める。

朝日新聞 2014年5月14日(水) 配信

診療報酬改定で在宅医療に問題発生

平成26年度診療報酬改定では在宅医療に対する報酬が大幅に引き下げ
られた。昨年来、高齢者施設での訪問診療について認められた不適切
な事例の発生を防ぐ狙いだが、改定で経営が成り立たないとして訪問
診療から手を引く動きが出てきた。全国有料老人ホーム協会などが2~
3月に実施したアンケート(回答数281)では、施設に訪問診療する医
療機関のうち計13%が「廃院する」または「訪問診療を全部か一部や
める」と回答した。廃業してしまえば、介護施設やサービス付き高齢
者住宅側は新たな医療機関を探す必要があるが、簡単には見つからな
い地方も多い。定期的に診療を受けられるはずだった施設入所者は当
惑するしかない。施設への訪問診療では4月から、同一の施設で1日
に複数の患者を診た場合は「在宅時医学総合管理料」「特定施設入居
時等医学総合管理料」を最大約3/4カット。基本料金に当たる「訪問
診療料2」は半額に引き下げられた。しかしながら、この改正につい
ては多くの問題点が指摘されている。医療の内容が同じでありながら、
在宅患者と、施設入所者の間で、診療報酬に大幅な格差が設けられた
点、点数引き下げが悪質な業者排除に有効かは疑問もあり、在宅医療
そのものに大きな影響を与えかねないとの懸念も存在する。いずれに
せよ、この医療を必要とする患者に負担が及ばない方策が肝要であろ
う。

保険外併用療養について、厚労省 混合診療の拡大を検討

保険外療養の規制緩和と拡大を目的として、政府規制改革会議が推進
している「選択療養制度」は原則、患者と医師が合意すれば、混合診
療の実施を認めるという内容である。これに対し保険者団体、医師会、
歯科医師会、日本病院会等から有効性、安全性の確認が不十分である
医療を提供する可能性、公的保険制度を縮小させかねないなど、強い
反対意見が表明され、厚労省も導入には慎重論を唱えていた。しかし
ながら、4月16日の閣議における安倍首相の推進拡大の指示を受け、
厚生労働省は方針を転換、具体策の検討を始めた。現在、公的医療保
険による検査や治療、薬剤と、保険適用が認められていない新薬や治
療法の併用は、高度がん放射線療法の重粒子線治療、家族性アルツハ
イマー病の遺伝子診断など、約100種類が認可されている。厚労省
は、この適用範囲を広げ、重病患者に限定して抗がん剤などの未承認
薬を新たに混合診療の対象にする方針。また、細胞組織培養による再
生医療や、未承認の医療機器を使った治療を対象に加えることも検討
している。

配偶者控除見直し 推進効果は限定的 大和総研試算

大和総研は「配偶者控除」の縮小案が実施された場合に、夫の年収が500万~600万円、妻の収入が103万円のケースでは、年間7万1800円の税負担増になるとの試算をまとめた。国の増収額は少なくとも1200億円と見積もった。政府は女性が就労調整を行う「103万円の壁」を取り払い、女性の就労意欲を高める狙い。だが、大和総研は、それだけでは「効果は大きなものにならない」と結論づけた。

 リポートでは政府が、配偶者控除を適用する妻の給与収入を103万円以下から65万円以下にするほか、所得額に応じて段階的に控除が適用される配偶者特別控除も、現行制度(141万~103万円)を103万~65万円に引き下げることを想定している。

 現行制度では、妻の給与収入が65万円超141万円未満の世帯では、夫婦双方の基礎控除(計76万円)に配偶者控除などが加わり、最大で114万円が控除される。これは専業主婦世帯や共働き世帯の控除額(計76万円)より多い。政府はこれを「二重の控除」とみなし、世帯控除額を不公平感のない、76万円に近づける案が浮上している。

 リポートでは、103万円を境に妻の就労に税負担が生じ始める「心理的な壁」と、夫の会社の配偶者手当が連動して支給されなくなり、世帯の手取り収入が減る「現実的な壁」の2つがあると分析した。

 その上で、配偶者控除見直しの効果について(1)就労調整が行われる「103万円の壁」が65万円に引き下がる(2)社会保険料の自己負担が必要な130万円までの範囲で女性が就労調整を行う-との分析から、「範囲の限られた話」と結論づけた。

 大和総研は、共働き世帯に対する企業の支援策などが必要だと指摘。大和総研の是枝俊悟研究員は「見直し案で『103万円の壁』が取り除かれたとしても、すぐに『130万円の壁』に直面する。女性の活躍推進には社会保障制度なども含めた検討が必要だ」と述べた。

歯1本失った人、消化器がん死の確率6%高く 九州歯科大調査

健康な歯を失えば失うほど、胃がんや大腸がんで死亡する確率が高まりかねない―。九州歯科大(北九州市小倉北区)の調査で、こんな結果が出た。失った歯が4本以下の人より5本以上ある人の方が、消化器系のがんで死亡する確率は約2~3倍に上がる傾向などがみられるという。福岡県北部に在住し、1998年当時、80~81歳だった男女約800人を10年以上、追跡調査して判明した。「歯が少ないと、胃腸に過度に負担がかかるのが一因では」と調査チーム。口の中の健康を保てば、がんの予防にも一定の効果がある?

 対象は98年当時、旧9市町村(北九州市戸畑区、宗像市、行橋市、豊前市、苅田町、築城町、勝山町、豊津町、新吉富村)に住んでいた17年生まれの男女計824人。まず体と口の健康状態をチェック。その後は数年に1回、本人や家族に聞き取りをしたり、居住地の自治体を通じて死亡や死因を確認したりし、現在も調査を続けている。

 2010年の調査時点では、追跡できた697人のうち414人の死亡を確認し、うち死因ががんだったのは71人。内訳は肺がん16人▽肝臓がん13人▽胃がん12人▽大腸がん6人▽膵臓(すいぞう)がん4人―など。亡くなった人がそれぞれ1998年当時、永久歯28本のうち、入れ歯やインプラント(人工歯根)も含め、健康な歯を何本失っていたかを照合した。

 飲酒や喫煙の有無など医学統計上の誤差も加味した結果、虫歯や歯周病で歯を1本失った人は、全部そろっていた人に比べ、胃がんや大腸がんなど消化器系がんで死亡する確率が6%高いと判明。比較的母数は少なかったが、失った歯が5~9本の人は0~4本の人に比べ、消化器系がんで死亡する確率は2・2倍、同じく10本以上の人は3・2倍だった。一方、脳卒中や心臓疾患で死亡した人は、健康な歯の数とのこうした“因果関係”はみられなかったという。

 消化器系がんによる死亡は、がんで亡くなる人の6割を占める。調査チームを率いた同大の安細(あんさい)敏弘教授(予防歯科)は「歯を失うと、入れ歯やインプラントをしてもそしゃく力が落ち、栄養の摂取状態が悪くなることもあり得る」と分析。「日ごろの手入れと、歯科での定期チェックを怠らないで」と呼び掛ける。

九州歯科大が創立100周年 北九州市で記念式典

九州歯科大の創立100周年記念式典が10日、北九州市小倉北区の同大であり、小川洋知事や全国から集まった卒業生ら約850人が祝った。

 同大は1914年、医師で今の行橋市出身の国永正臣が、私立九州歯科医学校として創立。44年に医学部を併設して県立になり、49年に現在の九州歯科大となった。全国に29校ある歯科大・歯学部のなかで、唯一の公立大学。1学部2学科と大学院があり、卒業生は約9千人。

 式典で、西原達次学長は「国内の歯学分野で先陣を切ってきた。今後も世界的な視野で考え、地域から行動できる人間を育成していきたい」と述べた。

 会場となった講堂のロビーには、歯の模型など創立以降の史料が展示され、卒業生たちが思い出話に花を咲かせていた。同大1期生で、50年以上歯科医師を勤めたという熊本県山鹿市の石田龍佑さん(86)は「節目を迎えられて誇りに思う」と話した。

県内初、65歳対象に歯の健診 「ターニングポイント」の年齢狙い鹿沼市

【鹿沼】市は本年度から、市内に住む65歳の人を対象に成人歯科健診事業「歯と口のいきいき健診」を実施する。市健康課によると、メタボ健診といわれる特定健診の“歯とお口版”で、65歳の人の歯に特化した取り組みは県内で初めてという。同課は「65歳という年齢は生活スタイルが変わるなど歯にとって大きなターニングポイント。自分の歯を減らさないためにも健診を受けてほしい」としている。

 歯の健康への市民の意識を高め、受診しやすい環境をつくろうと、2013年3月に市が制定した「歯と口腔の健康づくり推進条例」を受けての取り組み。対象となるのは本年度65歳になる約1800人。7~12月の期間中に月1回ずつ計6回行われる健診のいずれかを無料で受診できる。会場は市情報センターで、健診は市歯科医師会所属の医師が行う。

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