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個人立歯科診療所の損益差額 1096万4千円 (収益構成比率26.9%) 中医協総会にて 医療経済実態調査の結果 公表

11月6日開催の中医協総会にて、第19回医療経済実態調査の結果が報告
された。直近2事業年(度)における前年(度)の個人立歯科診療所の
損益差額は1096万4千円で、前々年(度)の1083万4千円から13万円増加
したとの報告であったが、日歯は、過去5年で比較すると、平成20年度
の損益差額は1335万5千円であり、現在に至るも、落ち込みが回復され
ていないことを指摘している。また、日歯常務理事、堀憲郎委員は、
今回の調査において調査票回収率が調剤以外、すべて前回調査より高く
なった点について「消費税増税への対応を含めて、医療機関が次期改定
に不安と関心を寄せていることを示す結果である」として、今後の議論
に適切に生かすことを求めた。
回収率は、病院54.5%、一般診療所50.6%、歯科診療所55.1%、保険薬
局54.6%であり、歯科が最も高い結果となっている。個人立歯科診療所
では、損益差額の構成比率は25.8%から25.9%に増加、損益率の平均値
は26.9%で、25.9%から1.0%、中央値は25.5%で、24.9%から0.6%い
ずれも増加、20%以上30%未満が全体の23.2%で最も多かった。

調査報告はこちら
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/19

【青森】[返上!最短命県]「食命人」の献立人気

県民の食生活を改善しようと、県が今年度から取り組み始めた「あおもり食命人」の育成事業。健康に配慮したメニューを提供する担い手を増やすのが狙いで、飲食店関係者ら87人が1期生として誕生した。「いのちを支える食」を合言葉に腕を振るう食命人を訪ねてみた。(木瀬武)

 青森市栄町の「マクロビオティック茶や 橘」。今年6月にオープンすると人気を呼び、健康志向のリピーターでにぎわい始めた。目当ては食命人の手がける日替わりランチだ。

 この日の献立は、根菜中心の煮物にきんぴらゴボウ、ピーマンとニンジンのゴマあえが並ぶ。さらに栄養価の高い発芽玄米と大根のみそ汁を口に含むと、素朴な味わいが楽しめる。

 「玄米はお口に合うでしょうか。苦手な方もいるので……」。圧力鍋で丁寧に炊きあげた玄米はふっくらもちもち。口当たりは軽く、店主の古川恵美子さん(54)の心配をよそに箸が進んだ。

 肉、魚、卵、乳製品、砂糖は使わない。よく見ると、キツネ色に仕上がったカツの正体は高野豆腐。調味料は無添加、野菜も国産の有機栽培にこだわる。穀物(玄米)菜食を基本とした「マクロビオティック」という食事法だという。

 「ともすれば現代人は栄養過多になりがち。生活習慣病の予防にもいい」と古川さん。肉や魚を取らずとも、大豆や高野豆腐、小麦グルテンで良質な植物性たんぱく質をまかなえるというから、働き盛りの男性にもお薦めだ。

 県によると、食命人が手がけるメニューには、山盛りの蒸し野菜を食べさせる王道もあれば、メンマをゴボウで代用し、ほうれん草をたっぷり盛った減塩ラーメンといった個性派もある。共通するのは、〈1〉栄養バランスが優れている〈2〉塩分・油脂を控えている〈3〉旬の食材を使用--などの工夫がこらされている点だ。

 10月からは2期生の育成が始まり、100人以上が名乗りを上げた。一連の研修を修了すれば食命人に認定され、県が「食命人のいるお店」として売り出すことになる。

 本県の平均寿命が男女とも全国最下位に沈む原因は、塩分の取り過ぎや野菜摂取量の不足も一因とされる。取り組みは緒についたばかりだが、地道に取り組むしかない。食命人の腕に期待しつつ、店を後にした。

 食命人のいる店舗は県ホームページ(http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/sanzen/syokumeijin.html)に掲載。問い合わせは県食の安全・安心推進課(017・734・9354)。

ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2013 決定!

11月8日、日本歯科医師会主催、ロッテ協賛のベストスマイル・オブ・
イヤー受賞者が発表された。
著名人部門では日本歯科医師会会員による投票により、男性と女性が
それぞれ一人ずつ選ばれるが、今回はHKT48の指原莉乃さんと俳優の
山本裕典さんが受賞した。一般フォト部門では今年は4,254作品もの応
募があり、写真家 浅井愼平審査委員長、ベストスマイル・オブ・ザ・
イヤー2013実行委員会による審査の結果、「小さな力持ち」と題した
清水貴弘さんの作品がグランプリに輝いた。

受賞作品はこちら
http://bestsmile.jp/result/

4年制学部での歯科衛生士養成、9校目が開設

歯科衛生士の養成については以前は専門学校が主体であったが、近年、
歯学の細分化により、歯科衛生学、口腔保健と言った分野を専門に研
究する学部の必要性が求められ、4年制の学部、学科が設置されるよう
になった。2004年の東京医科歯科大学 歯学部 口腔保健学科開設より、
徳島大学歯学部、広島大学歯学部、九州歯科大学歯学部、九州看護福
祉大学看護福祉学部に口腔保健学科、新潟大学歯学部では口腔生命福
祉学科など、現在、国公私立8校に4年制の歯科衛生士養成学科が設置
されている。
このほど、9校目となる関西初の口腔保健学科が平成26年より、大阪、
梅花女子大学に開設されることになった。看護師の養成が以前の専門
学校から現在では、4年制大学の看護学部、学科が主体となっているよ
うに、歯科衛生士においても、今後は4年制学部による養成が増加して
ゆくのかもしれない。

梅花女子大学ホームページはこちら
http://www.baika.ac.jp/new/oralhealth/

歯磨き グッズ ブラシは柔らかめから普通を

最近は、歯磨きグッズもさまざまな種類が出回っている。どう選べばよいか。

 まずは基本の歯ブラシ。馬見塚(まみづか)デンタルクリニックの歯科衛生士、大山有希子さん(31)は「毛先が平らで毛の密集度が高く、こしのあるもの」を薦める。密集度は触って比べるしかない。硬さは柔らかめから普通を。毛が硬いほど汚れはよく落ちるが、歯や歯ぐきも傷つけてしまう。グリップは真っすぐで握りやすいものがいい。

 フロスは、ワックスつきが使いやすい。ワックスなしのものは繊維がバラバラになりやすく、使っている最中に切れて歯に挟まることもあるからだ。

 フロスのついた「糸式ようじ」は、フロスがピンと張っていると歯に沿わず、実は歯垢(しこう)を落とすのが難しい。

 書店でも販売され、注目を集めるのが、ブラシが小さな円すい形のワンタフトブラシだ。歯ブラシが届かない部分に簡単に届き、上手に磨けばこれ1本でも完結する。とはいえ、同院の馬見塚賢一郎院長(52)は「ブラシ自体が小さいので磨き残しのリスクが大きく上級者向き」と指摘する。

 ワンタフトブラシは虫歯になりやすい部分や歯垢の残る部分に使えば効果は高い。特に、歯並びの悪い人、歯の抜けている人、歯ブラシで嘔吐(おうと)反射のある人にはお薦めだ。「必ずペンのように持ち、歯磨き剤をつけず、鏡を見ながら使いましょう」と馬見塚院長は助言する。

 歯間ブラシはサイズに幅があり、誤ったサイズのブラシを使うと歯や歯ぐきを傷める。歯科衛生士の指導の下に使った方がいい。毛が抜けたりやせたりする前に取り換えるのも大切。そのまま使い続けると、軸の金属ワイヤで歯をこするのと変わらないからだ。

 大山さんは「自分に合った磨き方、道具は人によって異なる。それを知るには、歯磨きのプロである歯科衛生士にぜひ相談してみてください」と話している。

歯磨き 磨き方 面倒な時は、まずフロス

歯磨きは「磨きにくいところから始めましょう」と馬見塚(まみづか)デンタルクリニックの歯科衛生士、大山有希子さん(31)は勧める。プロが歯のクリーニングを施す際も、やりにくい箇所から始めるそうだ。

 子どもはかみ合わせ面が、大人は歯と歯ぐきのラインが肝心。下の歯の内側で特に利き手側が磨けていない人が多い。あちこちに飛ばず、端から一筆書きの要領で残さず磨こう。「磨き始めと終わりに同じ歯を磨いている人がほとんど。それだけ磨きやすいところばかり磨いてしまうということです」と大山さんは注意する。

 外側は、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを直角に当てて、力を入れずに横向きに小さく動かす。力の入れ過ぎを防ぐには、歯ブラシを「グー」で握らずペンのように持つ。歯垢(しこう)を取るのに力は要らないし、力を入れるとブラシはかえって動きにくい。テーブルなどにブラシを当てて一度試してみると、よく動く力加減が分かる。

 歯ぐきの側に歯ブラシを傾けて磨いていると歯ぐきが下がってしまうので、基本は歯に直角でよい。中高年で「歯ぐき磨き」をする人も少なくないが、同院の馬見塚賢一郎院長(52)は「歯周病予防に重要なのは歯垢を取ること。歯ぐき磨きに害はないし、多少の引き締め効果はあるだろうが、本質ではない。サプリメントみたいなものです」と必要性を否定する。

 歯と歯の間の歯垢は歯ブラシでは落とせない。ここはフロスの出番だ。

 短いと使っている間に指から外れるので、長めに用意するのがコツ。片端を持ち、ひじの辺りで切ってみよう。中指に2、3周巻きつけ、親指と人さし指で持つ。のこぎりのように前後に動かしながら歯間に入れ、前後の歯に沿わせて汚れを落とす。奥歯は、両手の人さし指だけを差し入れると掃除しやすい。

 「やりにくい部分から」と考えると、フロスこそ大切。今日は歯磨きが面倒だなという日こそ歯ブラシより先に使おう。

口腔ケアやリハビリ 看護師・医師ら考え方、手法学ぶ 講演会

救急医療や手術、専門性の高い疾患を診療している急性期病院でも、患者が自分の口から栄養を取るための口腔(こうくう)ケアやリハビリが重要とする講演会が、富山市西長江の県立中央病院(野田八嗣院長)で開かれ、看護師や医師ら約100人が考え方や手法を学んだ。医学界では近年、治療の初期段階で患者のケアやリハビリの重要性が認識されているという。

 日本大歯学部の植田耕一郎教授が「急性期病院の摂食・嚥下(えんげ)リハビリテーション」と題して講演。「脳卒中などを発症して口がまひすると、虫歯が加速する。誤嚥性(ごえんせい)肺炎の予防などのためにも、手足と同じように口もリハビリが必要」として、口から栄養をとる際の患者の姿勢や、飲み込みやすく安全性が高いゼラチンゼリーを使った訓練などについて解説した。

 講演会を主催した同院栄養サポートチームの一人、看護部の松村江美子さん(脳卒中リハビリテーション看護認定看護師)は「リハビリをするための体作りには栄養が必要で、そのための口作り。口内に残った菌の死骸を除去するスポンジブラシや、口中の乾燥を防ぐ保湿剤などをケアに使っていますが、市販品もあるので患者さんがいる家庭でも活用してほしい」と話している。

なぜ?謎?やまがた 大蔵村は防災無線で「虫歯注意報」? 全村一丸で意識共有

大雨、雷、洪水と「注意報」の名が付くものは数あれど、大蔵村には防災無線で呼び掛ける「虫歯注意報」というものがあるらしい。注意報といえば天災のような身に迫る危険をお知らせするもののような気がするが、「虫歯注意報」とは一体、何だ?【安藤龍朗】

 「虫歯予防の中で歯みがきは大切な役割を持っています。大人の歯みがきとともに子供の仕上げ磨きはとても大切。奥歯のかみ合わせ、前歯のすきまなど虫歯になりやすい場所は丁寧に仕上げ磨きをしましょう」

 11月8日、大蔵村で本当に「虫歯注意報」が響き渡っていた。この日は「いい歯の日」。各家庭に配備されている防災無線で朝晩の2回、注意報は流れた。

 20年ほど前、大蔵村では子供の虫歯が多発していた。1994年は3歳児の虫歯本数が6・6本、95年は7・09本で、いずれも県内ワースト1の多さだった。93年に村診療所に赴任した歯科医師の伊藤充也さん(49)は「当時は診療室で子供たちが泣き叫ぶのが日常だった」と振り返る。

 99年から県のモデル事業として「ヘルシーティース2001」が同村でスタート。危機感を強めた村や診療所、住民らが問題意識を共有し、子供の虫歯を減らす取り組みを始めた。「虫歯注意報」はその取り組みの一つ。住民たちから出たアイデアだったという。

 「子供を持つ母親だけでなく、おじいさんやおばあさん、近所の人にも意識してもらうことができる」。村健康福祉課の長南智美さんは虫歯注意報のメリットをそう説明する。

 女性たちが家々に集まってお茶を飲みながら、よもやま話を語るのは楽しい習慣だが、虫歯予防の観点では、お茶請けのお菓子は要注意。長南さんは「お茶飲みの場に小さい子供がいると、ほらほらと周りがついお菓子をあげてしまう。当初は『子供がぐずってもお菓子を与えないで』とか『夕食の前にお菓子を食べすぎないように』と注意報で呼びかけていました」と語る。

 伊藤さんは当時診療に当たりながら危機感を覚えていたという。「重い虫歯のケースが多かった。3歳児までは多少歯磨きをさぼったくらいでは重症化しないのに。お母さんたちに食習慣を繰り返し聞く中で原因が分かってきた」

 原因の中でも大きかったのは、哺乳瓶で乳児に与えるスポーツドリンク。熱冷ましに使える「良い飲み物」というイメージで病気が治ってからも日常的に飲ませる慣習が広がっていた。しかし、スポーツドリンクは酸性のため、生えたばかりの歯を溶かし虫歯を作ってしまっていた。

 全村一丸となった取り組みで、子供の虫歯は大幅に減少。モデル事業は3年限定だったが、事業終了後は村の事業として取り組みを継続。2003年には、3歳児の虫歯本数が0・39本まで減り、県内の市町村で最も虫歯が少ないという実績を上げた。

 当初は「8(歯)」が付く8日、18日、28日の月3回放送した虫歯注意報も、現在は毎月8日だけの実施となった。

 伊藤さんは「今は診療室から泣き声が消えた。にこにこしている子供を見ると平和になったと実感します」と笑う。一方で、今取り組む必要性を感じるのは高齢者の歯の健康だ。「口腔(こうくう)ケアが十分でないと、他の疾病につながったり、全身に及ぼすようなトラブルが出たりする場合がある。高齢者の方の意識を上げていきたい」。虫歯注意報の「需要」は今後もしばらく続きそうだ。

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