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日歯会員平均年齢57歳10ヶ月。会員数の減少続き、高齢化に拍車。

歯科医師の高齢化が進んでいる。日本歯科医師会が発表した「会員年代別構成表」によると、平成24年度末現在の会員数は6万4707人、4年前の20年度末の6万5206人をピークに、以後、減少が続いており、平均年齢は過去最高の57歳10ヶ月。前年23年度末に比べて6ヶ月、5年間で2歳5ヶ月高くなった。24年度末の年代別割合で最も高いのは50歳代の33.86%、次いで60歳代が23.65%と、50~60歳代で6割近くを占めている。ということは、今後10年間で高齢のため引退する歯科医師が増え、歯科医師不足に陥る可能性が懸念される。

仮歯科診療所事情のその後

あの震災から二年半が過ぎようとしている。未だ復興の途中にある宮城県の歯科事情を、県からの委託事業である仮設歯科診療所の近況を通して報告する。仮設歯科診療所の開設者は、県からの委託を受けた宮城県歯とし、管理者は被災会員から選出し、スタッフの人事を含めて管理者の独立採算という形態で運営を行っている。5ヵ所の仮設歯科診療所については平成24年度末に1回目の検証を行い、事業継続の必要性を協議した。この検証において、亘理エリアの仮設歯科診療所は収益性及び来院患者数の少なさから平成24年度いっぱいで閉院した。
                  日歯広報 8月15日

円滑な医科歯科連携へ 仕組みの構築を検討要望

社会保障審議会の医療保険部会が8月1日(木)、都内のグランドアーク半蔵門で開催され、日歯常務理事の堀憲郎委員は円滑な医科歯科連携の仕組みの構築を次期診療報酬改定に向けて議論するよう要望した。医療保険部会では、次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方について、これまでの議論を踏まえて意見交換した。
                              日歯広報 8月15日

手足口病 流行 歯科診療で感染大丈夫ですか?

手足、口などに発疹ができる「手足口病」、患者数が全国的に増え続
け、西日本から東北にかけて流行が続いている。北海道でも一部地域
で7月29日-8月4日の週の患者報告数が、流行警報の基準値(定点医
療機関当たり5.0人)を超え、警戒を強めている。手足口病は、水疱
性の発疹と発熱を主症状とした急性ウイルス感染症で、乳幼児を中心
に夏季に流行することが多い疾患である。主な病原はコクサッキーA16、
エンテロウィルス71で感染経路は飛沫や接触による。感染から3-5日
の潜伏期間後、口腔粘膜や手掌、足底などに2-3ミリの水疱性発疹が
現れ、発熱、1週間から10日で自然治癒し水泡も消失する。
全国約3,000の小児科医療機関での、今月4日までの累計報告数は16万
1,030人と、過去10年で最大となった一昨年に次ぐ流行である。さら
に今回は小児だけでなく大人が感染する例が認められ、40度前後の
高い熱が出たり、強い痛みを感じ重篤化する傾向が認められる。病変
部への接触や、くしゃみなどを通じ飛沫感染するため、歯科診療所に
おける感染の機会はあると考えられるため、交叉感染や院内感染への
対策が必要である。感染の拡大防止には患者の隔離、うがい、手洗い
が有効である。

参考まで 手足口病とは?
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E38386/00961_07.php

虫歯 震災影響?幼児増 沿岸南部で開業医が多数被災

東日本大震災で多くの歯科開業医が被災した沿岸南部で、虫歯になる幼児が増加していることが27日、県のまとめで分かった。医師の減少で予防処置を受けにくくなったうえ、避難生活でつい甘い物を食べたり、歯磨きが十分にできなかったりしたことが理由と見られる。県歯科医師会の三善(みよし)潤常務理事は「1歳半は授乳から固形食に移る大事な時期。虫歯で十分にそしゃくできないと成長に影響を与えかねない」と注意を呼び掛けている。

 県健康国保課が母子保健法に基づく歯科検診で、1歳半の幼児の虫歯の増減を震災前の2009年度と震災後の11年度で比べた。内陸21市町村は0・5ポイント減の2・1%、沿岸北部6市町村は1・1ポイント減の4・8%だった。一方、沿岸南部6市町は1・0ポイント増の4・0%。特に大船渡市、陸前高田市、住田町の大船渡保健所管内では4・84ポイント増の6・98%と、他9保健所管内に比べて突出した。

 震災前では、沿岸12市町村にあった歯科開業医109のうち60が被災し、診療を中止。沿岸南部は57を占めた。今年6月1日現在で45が再開したが、それまで被災者が虫歯に気を配らなくなったとも考えられる。県健康国保課の森谷俊樹医務主幹は「震災直後から避難所での巡回治療、その後は仮設住宅などでの保健活動を続けている。今後も動向を注意深く見て着実に対策を進めたい」と話した。日新聞社 8月28日(水)

歯のカルテ統一へ 迅速な身元確認に向けモデル事業スタート

様々な事故・災害の後、身元を確認するための手段として「歯型の記
録」は重要な要素だったが、旧来、カルテの統一されたデータベース
が確立していなかったため必ずしも有効活用できない場面もあった。
このほど、日歯会と厚労省が連携して歯のカルテの様式を統一し、デ
ータベース化するモデル事業が進められることとなった。厚労省の歯
科診療情報の標準化に関する検討会 (座長:住友雅人 日本歯科医学会
会長)が担当し、8月7日に初会合が開かれた。


厚労省の検討会資料はこちら
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi146689

レセプト電子化 2015年4月全面実施にむけて  厚労省 医療機関に注意喚起

厚生労働省保険局総務課は8日付で、保険システム高度化推進室長名
の事務連絡を地方厚生局長に送付した。現在、診療報酬を電子請求し
ていない医療機関が多数あり、2015年4月以降も書面で請求をすると、
診療報酬の支払いができなくなることから注意喚起をするという内容。
これを受けて審査支払機関が猶予届け出中の医療機関に対し、電子レ
セプト請求の準備を求める「お知らせ」を9月中に送付することになっ
た。6月現在、北海道の歯科では3,149件中、1,576件 50%が猶予届け
出中である(社会保険報酬支払基金公表データより)。これらの医療機
関が、2015年4月以降も書面で請求すると、請求省令違反となり審査支
払機関がレセプトを受理できず、診療報酬の支払いができなくなる。
このような混乱をさけるために、「お知らせ」では期限に備えて計画
的な電子請求への移行準備を求める。(診療報酬は原則的に電子請求す
ることになっているが、電子請求に対応していないレセコンを使用し
ているなどの事情がある場合、猶予届出書を届け出ることで2015年3月
31日までは、書面による請求ができる、猶予期限はあと、1年半である)

歯周病:治療により血糖コントロールも改善

糖尿病患者は歯周病になりやすいことが知られている。さらに、歯周病は糖尿病を悪化させる要因でもあり、歯周病治療を行うことで、血糖コントロールは改善することが明らかになってきた。


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 歯周病は、歯と歯茎の間に歯周病菌が感染し、炎症によって歯槽骨が破壊され、最終的に歯を失う疾患だ。発症には、加齢、喫煙やストレスといった生活習慣、遺伝などが関連し、糖尿病も危険因子になっている。

徳島大学大学院歯周歯内治療学分野教授の永田俊彦氏
 2型糖尿病患者は、歯周組織における免疫機能の低下が見られ、非糖尿病患者に比べ歯周病の発症率が高いとされる。「血糖コントロールが不良な場合に歯周病は悪化しやすく、特に糖尿病腎症による透析患者では喪失歯数が多い」と徳島大学大学院歯周歯内治療学分野教授の永田俊彦氏は話す。

 一方、歯周病があると局所の炎症がインスリン抵抗性の発現に関与し、糖尿病を悪化させるとの説も有力になっている。海外でも、重度の歯周炎がある人は、健常人よりもHbA1c値の上昇率が大きい(5年間で約5倍)、歯と歯茎の間の溝の深さを示す歯周ポケット値が大きいほどHOMA-IR値で評価したインスリン抵抗性が高い、などの報告がある。

 永田氏は、糖尿病で重度歯周病だった66歳の女性患者に対し、歯周病治療を行いHbA1c値の推移を追った。治療は歯磨き指導、歯石の除去などによる口腔内環境改善に加え、歯周病が進行していた5本を抜歯した。その結果、治療開始から2年で歯周ポケットが4mm以上の部位は27.5%から7.4%に減少し、HbA1c値は6.52%から5.45%へと1.07%低下した

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