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歯周病菌が虫歯にも関与か

 歯周病菌の一種が、従来考えられている虫歯のメカニズムを増強していることが分かったと、米ペンシルベニア、ノースカロライナ両大の研究グループが発表した。

 虫歯は、口中の糖を使って虫歯菌(ミュータンス菌)がつくる酸がエナメル質を溶かすのが原因と考えられている。研究グループが3~5歳の子ども計300人の歯垢(しこう)を採取、分析した結果、「セレノモナス属」という一群中の特定の菌が、ミュータンス菌と出合うと強力な膜をつくって保護し、虫歯を加速させていた。この過程は動物実験でも確かめられたという。

 研究者は「効果的な歯磨きなどで保護膜を壊すことが(予防の)一つのアプローチになる」とコメントしている。

マイナ保険証「無効・該当資格なし」65.1%が経験、1万施設回答

 全国保険医団体連合会は6月21日、記者会見を開き、約1万施設への調査で、マイナ保険証トラブルを経験したのは65.1%に上るという最終結果を公表した。トラブルの内容は、マイナ保険証で「無効・該当資格なし」との内容が最多で65.1%、その対応法として「健康保険証で資格確認した」が74.9%で最も多かった。

 資格確認できず、医療機関の窓口でいったん10割を請求したのは、38都道府県1291件、「他人の情報がひも付けされていた」が31都道府県114件と、トラブルは各地域で発生している。その他、他人の顔でもマイナ保険証が認証された事例が把握できただけでも3件、障害者手帳のひも付けミスなども発覚している。

 衆参両院の国会議員に対して緊急アンケートを実施したところ、回答があったのは62人で回答率は10%に満たず、自民、公明両党の議員からは回答がなかった(6月14日~20日に実施)。62人の回答は、保険証について「廃止に反対」が55人(88.7%)、マイナ保険証を起点とするオンライン資格確認システムの運用について「いったん停止して総点検すべき」が57人だった(91.9%)。

 保団連会長の住江憲勇氏は、▽さまざまなトラブルが噴出する中で、個人にとっての機微情報に富む医療情報をマイナンバーカードにひも付けることの危険性、▽申請主義の資格確認書により無保険者を作り出す懸念、▽ヒューマンエラーを起こさない制度設計を政府は怠りながら、さまざまなトラブルをヒューマンエラーに矮小化し、現場に責任を押し付ける政府の危機管理意識の欠如、▽結果として国民にとっても、医療現場にとってもマイナ保険証の利用は危険であり、利用に堪えない状況になっている――という4点を指摘。

 住江会長は、「直ちに運用停止、全件チェック、全容解明し、解決策および再発防止に取り組み、それを国民に明らかにすることこそが、政府が取るべき喫緊の課題だ」と訴えた。

 保団連では、今秋にも衆議院の解散を想定し、「待合室から健康保険証を存続させるキャンペーン」を実施する。具体的には、▽保険証廃止法案に対する各党採決結果を記した待合室掲示用ポスター、▽保険証廃止知っとくパンフレット(マイナ保険証トラブル回避法、資格確認書などを現時点の到達に基づき患者に分かりやすく解説したパンフレット)、▽ショート動画(記者会見参加医師、歯科医師の発言を素材としたショート動画)、▽国会質疑での各党の姿勢、個別議員アンケート――などを作成、展開する。

消毒薬の特徴は?

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 ポビドンヨードは「乾くまで」と習った人も多いかもしれませんが正確には、殺菌効果が出るまで2分程度かかることを理解します。手で仰いで早く乾かすなどは意味がなく、2分以内に穿刺や処置を行ってしまうと適切な消毒ができていないことになります。

 アルコール含有製剤を手指消毒に使用したとき、手に小さな傷があるとすごく痛い思いをしたことはありませんか。アルコールには刺激性があるため健常皮膚への使用が主で、特に患者の創部に使用してはいけません。後述のここがピットフォールで述べますが、引火性に注意することも重要です。

 クロルヘキシジンは濃度が重要で、例えば創傷部位の消毒には0.05%が使用されますが、誤って0.5%を創傷に使用するとショックが起きることがあります。0.5%以上の濃度のものは健常皮膚への使用になります。また、中心静脈カテーテルを挿入する際は、0.5%より濃い濃度を使用することを「CDCガイドライン」では強く推奨しています1)。中心静脈カテーテル挿入時の消毒薬で、2%クロルヘキシジンアルコール製剤とエタノール含有ポビドンヨードを比較し前者はカテーテル関連感染(CRBSI)発生率が少ないという研究2)もありますが、消毒薬濃度や含有アルコールが本邦のものと異なる点に注意が必要です。CRBSI発生率に有意差はありませんでしたが、1%および0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤がポビドンヨードよりも有意にカテーテルコロナイゼーション(菌汚染)が少ないという本邦の文献もあります3)。近年、本邦でも1%クロルヘキシジン製剤が販売されました。クロルヘキシジンは濃度に注意して使用してください。

 オラネキシジンは2015年に発売された新規の消毒薬で抗菌力も強く期待されていますが、現在は手術時のみの使用となります。

米国では過去20年間で代謝的に健康な肥満が増加

米国では過去20年間で、代謝的に健康な肥満(metabolically healthy obesity;MHO)の有病率が有意に上昇していることが明らかになった。代謝関連指標別に見た場合には、肥満者の高TG血症や低HDL-C血症が有意に減少しているのに対して、空腹時血糖高値者の割合は有意な上昇傾向が認められるという。

 MHOの有病率に関してはこれまでに複数の研究が報告されてきているが、結果に一貫性が見られない。一貫性の欠如は、MHOの定義が定まっていないことに起因すると考えられる。具体的には近年、MHOをより厳格に定義付けるようになってきた。これは、肥満者では心血管疾患リスク因子をわずかでも有する場合にはイベントリスクが上昇するという知見に基づく変化。

 これを背景として、華中科技大学同済医学院(中国)のJiang-Shui Wang氏らは、過去20年間のMHOの有病率を同一の判定基準で算出し、その年次推移を検討した。なお、本研究におけるMHOの判定基準とは、肥満または腹部肥満(BMI30以上またはウエスト周囲長が男性は102cm以上、女性は88cm以上)でありながら、メタボリックシンドローム(MetS)の4種類の構成因子を一つも有していないこと。

 解析には、1999/2000年~2017/2018年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた。当該期間10サイクルのNHANESの成人参加者は、2万430人(年齢の加重平均が47.1±0.2歳、女性50.8%)だった。MHOの年齢調整有病率は、1999/2000年の3.2%から2015/2018年には6.6%へと増加していた(傾向性P<0.001)。全対象のうち肥満者は7,386人(48.0±0.3歳、女性53.5%)であり、その肥満群でのMHO有病率は同順に10.6%、15.0%だった(傾向性P=0.02)。MHOの有病率は、60歳以上、男性、非ヒスパニック系白人、高所得者、民間保険加入者、クラスIの肥満者(BMI30~35未満)で特に高かった。

「世界最大の腎臓結石」を摘出 スリランカ

【AFP=時事】スリランカ軍の病院でこのほど、62歳の退役軍曹から世界最大の腎臓結石が摘出された。軍が14日、発表した。

 軍によると、手術は1日にコロンボ陸軍病院で行われた。摘出された結石は「世界最大かつ最重量」だとしている。

 結石の重さは801グラムで、男性の平均的な腎臓の重さの約5倍。長さも平均的な腎臓が約10~12センチであるのに対し、13.37センチあった。

 元軍曹は現地テレビの取材に対し、2020年から腹痛があり、内服薬では効果がなかったと語った。

 ギネス世界記録(Guinness World Records)によると、これまで記録されている腎臓結石で最も重かったのは08年にパキスタンで摘出された620グラム。今回の結石は14日、新記録として正式に認定された。

 結石は、腎臓で血液がろ過される際にミネラルや塩分が結晶化してできる。尿管への移動などで激痛を生じ、大きくて詰まった場合には手術を要する。

障害ある子の成長、家族への支援重要 川崎医福大諏訪准教授が講演

障害がある子どもと家族への支援をテーマにした講演会が10日、岡山県美作市湯郷の湯郷地域交流センターで開かれた。川崎医療福祉大の諏訪利明准教授が長年携わる療育(発達支援)について語り、市民や教育関係者ら約40人が理解を深めた。

 諏訪准教授は、発達につまずきのある子どもたちとの関わりを踏まえて「成長の中で障害をマイナスに捉え、苦しむケースが多い」と説明。本人が強みを生かして前向きに力を伸ばすために「周りの大多数との違いを、家族がうまく受け入れられるよう支援することが一番のポイントになる」と述べた。

 講演会は、障害や困り事がある人を支える同市のボランティア団体「交流し理解から支援につなぐ会こりす」が主催。和田洋子会長は「幼少期の療育、関わり方の大切さを多くの人に知ってもらいたい」と話した。

消毒と滅菌の違い、実際の消毒法の対象と方法

はじめに
 「消毒」と聞いても、学生時代にはあまり勉強する機会のないテーマかと思います。しかし、いざ研修医として病棟勤務をはじめると毎日のように何らかの消毒をしているのではないでしょうか。しかし、正しい消毒の方法、消毒薬の選び方ができている研修医は多くないと思います。なぜならば、正しい知識を学ぶ機会が少ないからです。私自身も研修医のときは上級医の見様見真似でやっており、今から考えれば正しくない方法を実施していたこともあったと反省しています。

 消毒の理論・実践について、消毒法、消毒薬、注意点など、正しい知識を身につける一助となれば幸いです。

消毒の基本知識――(1)なぜ、消毒をする必要があるのか?
 患者さんはいろいろな理由で入院しますが、入院患者が原疾患の治療がうまくいって退院するまでの間、合併症との闘いになります。その合併症のうち、最も頻度が多く重症化し得るものといえば、感染症でしょう。感染合併症の最大の特徴は「予防」できるということです。この「予防」ということをわれわれ医療従事者は最大限に行う必要があります。例えば入院患者でカテーテル関連血流感染を起こすと入院日数が増え、医療コストも増えるという研究があります1)。感染合併症は起こしてよいことは1つもないといえるでしょう。

消毒の基本知識――(2)消毒と滅菌の違いは?
 消毒とはその名の通り、「毒を消す」ことです。すなわち、微生物(主に細菌)の毒性を弱め、人体にとって無害なレベルまで減らすことです。微生物が減りますが、無菌をめざすものではありません。

 滅菌とはその名の通り、「菌を滅する」ことです。すなわちすべての微生物を限りなく無菌に近く減らすことです。乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌などの方法があります。人間の生体面ではなく、物品が対象となります。滅菌されているものは何か見分ける方法を簡単にいうと、清潔野(図1)で扱うすべての物品のうち、包装されているものです。例えば、鑷子(図2)、ガウン(図3)、メス、尿道カテーテルなどのカテーテル類、などです。これらは近年ではディスポーザブルとなり単回使用のものも多くなっています。


 微生物の数でいえば、滅菌<消毒であり、滅菌の方が微生物数は少ないです。それならすべて滅菌すればよいのではと思われるかもしれませんが、滅菌は熱したり乾かしたり強いガスを使用したりするので、生体面で行うと生体に被害が出てしまいます。そこで処置をする際に生体にとって無害なレベルまで医療従事者側も患者側も微生物を減らし、かつ生体に害が出ないように消毒をすることとなるわけです。

 実際の臨床現場では、医療従事者側の消毒、が抜けることが多いため、注意が必要です。

レセプトは“金券”です【審査委員のホンネ】

衝撃を受けたベテラン審査委員の言葉
 私がレセプト審査を担当して間もない頃に、ベテラン審査委員の先輩がおっしゃった言葉があります。「レセプトは金券です。このレセプトが何万円、何十万円、何百万円の価値を持ちます。提出する側も審査する側も覚悟を持って取り扱う必要があります」。 私は、この言葉にかなりの衝撃を受けました。

 それまでは、レセプトを提出する側のことしか知りませんでした。「現場を知らない、現役を引退した頭の硬い爺さんたちが審査をしているのだろう」や「現場は忙しいのだから、少しくらい多めに見て修正なども認めてくれても良いのに」などと思っていたものです。

“現役バリバリ”の医師が審査委員の大多数
 しかし、実際に審査する側になってみると、予想に反し“現役バリバリ”の医師が審査委員の大多数を占めていました。取りまとめをなさる先生は、さすがにベテランの先生でしたが、知識のアップデートを継続されており、感心するとともに自分を恥いることも多かったです。

 私が審査を担当するレセプトは、1万2000~1万5000件/月ほどあります。事務職員も事前にチェックしてくださっていますが、それでも通常の勤務終了後や休日などを利用しながら審査を行っています。そのような状況ですので、安易な修正の受付をする余裕はありません。

 審査する側も真剣に取り組んでおりますので、提出する側も「少しくらいのことなら多めに見てほしい」などと考えずに、きちんとしたレセプトを提出していただきたいと思います。

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