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冬の運動不足 除雪と歩きで解決

雪かきの道具だけを使って、30分で約200㌔㌍ほど消費するようです。家庭用除雪機を使っても、30分で約100㌔㌍ほど。雪かきだけの除雪なら、ランニングに相当するエネルギー消費です。除雪のない日の運動は、どうしましょうか。冬道をランニングするのは足元が心配ですから、ウオーキングいかがでしょうか。通勤で勤め先か自宅の一駅前、一停留所前で降りて歩くとか、職場などでエレベーターを使わないという方法もあります。そうすれば、節電にも貢献できます。こういうことを地道に重ねると、厚生労働省が勧めている1日1万歩のウオーキングは可能です。私もこの方法で1日1万3千歩ほど歩いています。除雪とウオーキングで冬の運動不足問題は解決です。年末年始のお休みは、ごちそうを食べる機会が多くなるので、除雪とウオーキングで乗り切りましょう!
                   北海道新聞 2012.12.26

真健康論 寒さと排尿=當瀬規嗣

じわっと、寒さがしみるこのごろです。寒くなると、トイレが近くなります。そこで、トイレでおしっこを出し終わると、もう一度、寒さが身にこたえ、「ブルッ」ときます。寒いからトイレに行くのに、トイレで寒さを実感するなんて、何という因果でしょうか……。

 まず、なぜ寒くなるとトイレが近くなるのでしょうか。尿は血液中の老廃物を体外に出すためのものです。腎臓が血液から老廃物を取りだして、血液中の水分と一緒にして尿として排出します。このとき、一緒に出す水分を加減すると、体内の水分量を調節することができます。そこで、尿中の水分量を加減するためのホルモンが分泌されています。そのホルモンをバソプレッシンといいます。バソプレッシンは脳の下に位置する下垂体から分泌されています。バソプレッシンの分泌量は、下垂体の近くにある血液の水分量を監視する中枢によって決められます。血液中の水分量が少なくなると、この中枢の指令で、バソプレッシンの分泌が増えて、腎臓で尿から水分を回収して、血液の水分量を回復させるのです。結果として、尿の量は少なくなります。

 バソプレッシンの分泌量は、体の周りの環境の変化によっても調節されます。その代表的な要素が、体温の上昇です。通常、体温が上昇すると、発汗がすすんで皮膚を冷やし、体温を元に戻す反応が起こります。このために水分が必要なので、バソプレッシンを分泌することで尿に出す水分量を節約すると思われます。逆に体温が低下すると、バソプレッシンの分泌量が減って尿の水分量が増え、しきりとトイレへ行くことになるのです。

 では、排尿するとなぜ、「ブルッ」とふるえが来るのかというと、排尿によって体の熱が失われるからです。尿は体の中で作られているので、体温と同じ温度になっています。ですから、通常でも温かい尿が体から出て熱が失われますが、その量はたいしたことはありません。しかし、寒さで体が冷えてしまっているところに、バソプレッシンの分泌低下で大量に尿が作られ、それが一気に体外に出てしまうので、相当量の熱が体から失われることになるのです。なので、体の熱の産生を増やすための反応である「ふるえ」が起こるのです。(とうせ・のりつぐ=札幌医科大教授)

親族やペット大きな支え

末期がんの人が自宅で過ごすことになると、家族は「病状にどう対応したらいいか分からない」とためらう。そんな家族の不安を和らげるため、クリニックの医師や看護師は「急に歩けなくなる日が来ます」「数日で容体が急変するかもしれません」と、事前に病状変化やみとりの心構えを伝える。そして、伴侶や親をみとった後、「看護や介護をしてあげることができた」という満足感が遺族の悲しみを癒すという。看護師がたん吸引器の使い方や身体ケアの方法を教えてくれた。子供たちも介護に関わるようになった。「幸せだよ、おばあちゃんは」。そう繰り返した母の笑顔に丸山せんの気持ちはいまでも満たされる。
                   北海道新聞 2012.12.20

金属アレルギー 汗などでイオン化し反応

おしゃれのためのピアスやネックレス、指輪などのアクセサリー。これらで肌がかぶれてしまった経験のある人はいるでしょう。これは「金属アレルギー」と呼ばれる症状です。アクセサリーを身に着ける女性だけでなく、眼鏡のフレーム、時計の金属部分なども原因となるので、男性にも関係のある話です。そもそも金属ですが、人体に明らかに有害なものがあります。例えば鉛やカドミウムです。鉛はかつて、化粧用のおしろいなどにも使われていましたが、人体への中毒が知られるようになってから使用が禁止されました。カドミウム中毒は、イタイイタイ病などでご存じでしょう。金属アレルギーのメカニズムは、未解明の部分があります。一説には、これらの金属が皮膚に触れることで、塩素イオンを含んだ汗などでイオン化された金属が体内に入り、体内のタンパク質と反応した物質によってアレルギー反応を起こすといわれています。
 これを防ぐには、ニッケルなど金属アレルギーを起こしやすい金属と触れるのを避けることです。原因となる金属が主成分でなくても、合金やメッキという形で使われる場合があるので注意してください。また、汗によって金属が溶け出すので、汗をかくときは、アクセサリーや時計などは外した方がよいでしょう。
                 北海道新聞 2012.12.21

Q食べていないのに嚥下性の肺炎になる人がいますが、どうしてでしょうか?

 鼻からに経管栄養や胃瘻(皮膚の上から胃に穴を開けて直接栄養が送れるようにすること)で管理している人でも嚥下性肺炎を起こしてきます。胃瘻を腸瘻に変えても肺炎の発生率を減らすことができなかったという報告もあります。嚥下性肺炎の発生機序はいまだに十分解明されているわけではありません。いえることは、食物を直接誤嚥したらすぐ肺炎になるわけではないし、食物を直接誤嚥しなくても肺炎になるということです。口腔や鼻腔、咽頭の分泌物に細菌が繁殖してそれが誤嚥されると肺炎になりやすいとか、胃ー食道逆流で消化液を含んだ食物を夜間誤嚥するなどのメカニズムが考えられています。いずれにせよ肺炎が発症するためには、生体の防御機構と、誤嚥物・細菌の相互作用が重要な役割をはたしています。体力があり気道や肺胞の粘膜丈夫とであれば肺炎になりにくく、脆弱であればすぐに発症してしまいます。嚥下性肺炎に関するいちばん大きな因子は「嚥下性肺炎の既往歴」であることがわかっています。つまり、一度嚥下性肺炎になると繰り返しやすいということです。健常人でも夜間を中心に咽頭粘液などを誤嚥していますが、気道の粘膜が繊毛運動で外へ上手に排泄しています。
 ところが一度嚥下性肺炎になると気道や肺胞の粘膜が傷ついて、抵抗力がなくなり、誤嚥したものを排泄しにくくなるといわれています。これはとくに高齢者に顕著です。気道粘膜の感受性も低下してしまい、嚥下性肺炎にかかった人では誤嚥してもむせにくくなるというデータも出ています。むせないからといって決して安心はできない理由の一つです。

はじめての在宅介護 サービスの利用

 脳梗塞で体にまひが残ったり、長い入院生活で体が動きにくくなると、やりたいことがあっても「無理かもしれない・・・」と後ろ向きになりがちです。家族もどこまで一緒に行動できるか不安になりますよね。そんな時に頼りになるのが訪問リハビリテーションです。理学療法士や作業療法士らが自宅を訪れます。リハビリは豊かな生活を送るための支援です。専門職の人に体を動かしてもらうことだけが目的にならないように注意しましょう。また、サービスを開始する前に、主治医やケアマネジャーとよく相談してください。
                   北海道新聞 2012.12.20

Q嚥下性肺炎について教えてください。

肺炎には間質性肺炎、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎などがあります。しかし、高齢者のかかる肺炎には、食物や唾液などの誤嚥が原因で起こる嚥下性肺炎が多いと考えられています。脳卒中などで嚥下障害があれば当然嚥下性肺炎の危険が高まります。高齢者はわずかな誤嚥が重篤な肺炎や呼吸器疾患につながりやすいことを忘れてはなりません。高齢者が肺炎になると身体の抵抗力がないために、なかなか治りません。体力の消耗も激しく、寝たきりになるきっかけとなる場合もあります。また、脳卒中のリハビリテーション中に嚥下性肺炎になると訓練が中断して全身の体力が低下し、健常側の筋力低下や麻痺側の関節拘縮が進むなどさまざまな弊害が起こります。このような嚥下性肺炎で死亡する例もかなりあります。さて、誤嚥するとすぐ肺炎になるのでしょうか?
 実際は必ずしもそうではありません。肺炎になるかどうかは、誤嚥する量や頻度、誤嚥するものの種類に大きく左右されます。また、全身状態や肺の防御機構、排泄機構との関係もあるので、ある人は肺炎や無気肺になり、ある人は何も起こらないということがあり得るのです。とはいえ、高齢の脳卒中患者さんは全身状態が悪く、生体の防御機構が低下しているため、少量の誤嚥がきっかけで肺炎になることが少なくありません。「誤嚥しても安全だ」などと思ってはいけないのはいうまでもありません。嚥下性肺炎の原因のには、食物の誤嚥以外に主に次の二つの機序が考えられています。一つは咽頭や喉頭の粘膜に細菌の巣(コロニー)ができていて、細菌を含んだ唾液などの分泌物を絶えず誤嚥していること、もう一つは夜間睡眠中、少量の胃ー食道逆流により胃内容物を誤嚥していることです。後者の場合は大量の細菌を含んでいるうえに、酸や消化液は化学的に気道粘膜を損傷するため、そこに栄養分を含んだ食物が入ってくると細菌が急速に繁殖して肺炎が起こると考えれます。
 一度嚥下性の肺炎を起こすと、気道粘膜はなかなか完全には回復しません。そして粘膜の知覚が鈍麻して、誤嚥しても咳が起こりにくくなり、食物を有効に排泄できないためますます肺炎の危険が増大する、という悪循環が起こります。

尼崎の歯科医が結核感染 接触患者ら263人

尼崎市と同市保健所は16日、市内で開業する60代の男性歯科医が肺結核に感染していたと発表した。接触した患者に感染した可能性があり、検査を進めているが、今のところ感染者は見つかっていない。歯科医は幼児らの健康診断も担当しており、個別に保護者説明会を開催して経緯を説明する。

 市などによると、歯科医は昨年8月からせきをし始め、昨年12月中旬に発熱し、肺結核と分かった。昨年8~12月に接触し、感染の可能性がある患者らは計263人。このうち接触時間が長かった親族や診療所職員ら計44人を濃厚接触者として順次検査している。

 歯科医は昨年10月、杭瀬小学校に入学予定の幼児84人と同市小田地区の3歳児30人の健康診断を担当。市などは「結核菌の予防注射を受けており、接触時間も短いので感染の可能性は低い」としているが、今月23日と27日に保護者説明会を開催する。

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