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患者高齢化 迫る”命の時間

感染者350万人といわれるB型、C型のウイルス性肝炎。患者の経済的負担の軽減など、肝炎対策の一層の充実が求められているが、衆院選の政策論議にはその姿は見えてこない。「大規模な感染症の現状を政治は忘れないで」と患者たちは声を上げる。
                  北海道新聞 2012.12.12

70~74歳の窓口負担 1割維持の方針確認

 第9回理事会が11月22日(木)、歯科医師会館で開催され、70~74歳の患者窓口負担割合につき、負担割合の引き上げによる受診抑制等を懸念し、現行の1割負担維持の姿勢で臨む方針を確認した。現在の高齢者医療制度では、70~74歳の患者の負担割合は、現役並みの所得がある者を除き、法定されている2割負担を凍結して、特例措置により1割負担としている。
                           日歯広報 12月5日

口腔がん 酵素で診断…九工大、九歯大が手法を開発

九州工業大(北九州市戸畑区)と九州歯科大(同市小倉北区)は8日、がん細胞から生成される酵素を使って、30分程度で口腔こうくうがんを診断する手法を開発した、と発表した。

 臨床実験では8割以上の高い正診率が確認された。すでに特許を取得し、今後は前立腺がんや肺がんなどの臨床実験も行う。

 九州工業大の竹中繁織教授(バイオ分析化学)らによると、がん細胞で生成され、その老化を防ぐ酵素「テロメラーゼ」に着目。

 人工のDNAに、口腔内の粘膜の組織を溶かした溶液と電気を通すために開発した試薬を加えたものに、診断装置で電圧をかけ、通電量が一定の基準以上になれば、テロメラーゼが生成されていることを確認できるという。昨年、九州歯科大を受診する口腔がん患者を対象に臨床実験を行ったところ、80%以上が陽性反応を示した。

 テロメラーゼは注目されてきたが、不安定で扱いが難しいうえ、従来の手法は複雑な手順が必要で、実用化には至っていない。今回の手法は精度が高く、実用化できるレベルという。米医学誌「クリニカル・ケミストリー」1月号で掲載された。

 がんの診断は、がん細胞に破壊された細胞のたんぱく質を診断の目印(腫瘍マーカー)として、血液を分析する手法が一般的だが、早期のがんでは陽性反応が出にくいという。竹中教授は「この酵素は初期のがん細胞でも存在するので、早期の段階でもがんと診断できる」と話している。

 今後、産業医科大(同市若松区)と連携し、尿やたんを用いて前立腺がん、肺がんの臨床も行うという。

歯の幹細胞で機能回復 脊髄損傷患者に移植 岐阜大など臨床研究へ

 岐阜大大学院医学系研究科と岐阜薬科大の共同研究グループが、歯から取り出した歯髄幹細胞などを脊髄損傷の患者に移植し、運動機能を回復させる治療法の臨床研究の計画を進めていることが9日、分かった。岐阜大倫理審査委員会に今夏にも申請し、倫理委と厚生労働省が承認すれば、2016年の研究開始を目指す。

 移植するのは歯髄幹細胞を含む歯髄細胞。治療効果が動物実験で確認されていたが、厚労省によると、臨床研究は初めて。拒絶反応を避けるため、特殊な白血球型を持った人の歯髄細胞を使う。

 グループによると、研究では、親知らずなどの永久歯や乳歯の内部にある歯髄を取り出す。細かく切ってかき混ぜた上で2、3週間培養し、交通事故やスポーツ事故で脊髄を損傷した直後の患者の患部に移植したり、腰椎に注射したりする。神経細胞の機能回復を促す働きが期待できる。

 グループは11~12年、ラット15匹の脊髄を切断し、傷口にヒトの歯髄細胞を注入する実験を実施。7週間後に半数が後ろ足で体を支えて歩けるようになるなど、足の動きが改善されたという。

 グループの手塚建一(てづか・けんいち)・岐阜大准教授(48)=再生医科学=は「まずは副作用などの問題をチェックしたい」と話している。

北海道立病院医療事故 永続的障害、軽度でも個別に公表 来年度、基準改正

道は、道立病院での医療事故の公表基準を改正することを決めた。来年度から医療過誤で永続的な障害が残った場合は、軽度でも発生の都度個別公表する。8日の道議会保健福祉委員会で明らかにした。

 道の道立病院室によると、05年度策定の道独自の基準を、全国の事例を参考に見直した。従来は永続的な後遺症や障害は軽度と重度に分け、過誤があって重度の場合は詳細を、軽度は半期に一度概要だけを公表していたが、改正後は、過誤があれば、原則として病院名なども含めて個別に発表する。

 また、一過性の軽度の障害のレベルも細分化し、皮膚を縫うなどの治療が必要になった場合は概要を公表するという。毎日新聞社 1月9日(水) 配信

ミカン毎日4個で、骨粗しょう症リスク92%減

ミカンを毎日4個程度食べる閉経後の女性は骨粗しょう症になりにくいことが、農研機構果樹研究所などの調査でわかった。

 果物や野菜に含まれるカロテノイド色素のうち、特にミカンに多く含まれる「β-クリプトキサンチン」が、健康な骨を維持するのに有効とみられるという。

 同研究所や浜松医科大学などは2003年度から、三ヶ日みかんの産地として知られる浜松市の旧三ヶ日町で栄養疫学調査を実施している。

 研究グループは05年、閉経した女性212人に協力してもらい、β-クリプトキサンチンの血中濃度を調査。ミカンを毎日4個程度食べる「高濃度グループ」、毎日1、2個食べる「中濃度グループ」、毎日は食べない「低濃度グループ」に分け、骨粗しょう症の発症率をそれぞれ調べた。また、4年後の09年に追跡調査を実施し、新たに骨粗しょう症を発症した人について調べた。

 その結果、高濃度グループは低濃度グループに比べ、骨粗しょう症の発症リスクが92%低かった。中濃度のグループでは統計的に有意な結果は見られなかったことから、ミカンを毎日継続して4個程度食べることで、骨粗しょう症を予防できる可能性があるという。「β-カロテン」など他の5種類のカロテノイド色素も調査したが、骨粗しょう症と関連があるとみられる色素はなかった。

 β-クリプトキサンチンはビワや柿にも含まれるが、血中濃度を上げる要因としては、年間を通じてまとまった量を入手しやすいミカンを毎日食べること以外には考えづらいという。
読売新聞 1月7日(月) 配信

道医療計画見直し・策定に係る意見交換会が開催される

平成24年12月27日(木)午後2時より道医会館において、道内の医療
関係団体および医療関係者が出席し、「北海道医療関係各種計画の見
直し・策定に係る道央区域意見交換会」が開催された。道歯会からは
富野会長、金井副会長、鳥谷部常務理事のほか各役員が出席した。
道行政における歯科保健医療推進のための重点施策としては、むし歯
の予防、歯周病の予防、高齢者の低栄養と誤嚥性肺炎の予防、障がい
者等への歯科保健医療サービスの充実の4点が掲げられ、このなかで
さらに平成29年度までに、むし歯のない3歳児の割合を85.0%へ(H23
年77.8%)、12歳児のむし歯数(1人平均むし歯数)を1.0本以下へ
(H23年1.8本)、フッ化物洗口実施市町村を全市町村へ(H24年9月末
現在で114市町村)、60歳で24本以上の歯を有する人の割合を50.0%
以上へ(H23年42.1%)、過去1年間に歯科健診を受診した人の割合を
30.0%以上へ(H23年22.6%)80歳で20本以上の歯を有する人の割合
を35.0%以上へ(H23年27.3%)するとし、具体的な数値目標として
挙げた。

●高額療養費、年間上限設定/医療保険部会で議論へ

 厚労省は社会保障審議会医療保険部会を11月から再開させ、来年度予算編成に向け制度改革の議論を開始する。高額療養費の見直しも課題のひとつで、同省は社会保障・税一体改革大網を踏まえ、年収300万以下程度の低所得層について、年間の自己負担上限を新設することを検討している。高額医療費を長期にわたり負担する患者の負担軽減を図ることが目的。
 

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