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Q食べていないのに嚥下性の肺炎になる人がいますが、どうしてでしょうか?

 鼻からに経管栄養や胃瘻(皮膚の上から胃に穴を開けて直接栄養が送れるようにすること)で管理している人でも嚥下性肺炎を起こしてきます。胃瘻を腸瘻に変えても肺炎の発生率を減らすことができなかったという報告もあります。嚥下性肺炎の発生機序はいまだに十分解明されているわけではありません。いえることは、食物を直接誤嚥したらすぐ肺炎になるわけではないし、食物を直接誤嚥しなくても肺炎になるということです。口腔や鼻腔、咽頭の分泌物に細菌が繁殖してそれが誤嚥されると肺炎になりやすいとか、胃ー食道逆流で消化液を含んだ食物を夜間誤嚥するなどのメカニズムが考えられています。いずれにせよ肺炎が発症するためには、生体の防御機構と、誤嚥物・細菌の相互作用が重要な役割をはたしています。体力があり気道や肺胞の粘膜丈夫とであれば肺炎になりにくく、脆弱であればすぐに発症してしまいます。嚥下性肺炎に関するいちばん大きな因子は「嚥下性肺炎の既往歴」であることがわかっています。つまり、一度嚥下性肺炎になると繰り返しやすいということです。健常人でも夜間を中心に咽頭粘液などを誤嚥していますが、気道の粘膜が繊毛運動で外へ上手に排泄しています。
 ところが一度嚥下性肺炎になると気道や肺胞の粘膜が傷ついて、抵抗力がなくなり、誤嚥したものを排泄しにくくなるといわれています。これはとくに高齢者に顕著です。気道粘膜の感受性も低下してしまい、嚥下性肺炎にかかった人では誤嚥してもむせにくくなるというデータも出ています。むせないからといって決して安心はできない理由の一つです。

はじめての在宅介護 サービスの利用

 脳梗塞で体にまひが残ったり、長い入院生活で体が動きにくくなると、やりたいことがあっても「無理かもしれない・・・」と後ろ向きになりがちです。家族もどこまで一緒に行動できるか不安になりますよね。そんな時に頼りになるのが訪問リハビリテーションです。理学療法士や作業療法士らが自宅を訪れます。リハビリは豊かな生活を送るための支援です。専門職の人に体を動かしてもらうことだけが目的にならないように注意しましょう。また、サービスを開始する前に、主治医やケアマネジャーとよく相談してください。
                   北海道新聞 2012.12.20

Q嚥下性肺炎について教えてください。

肺炎には間質性肺炎、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎などがあります。しかし、高齢者のかかる肺炎には、食物や唾液などの誤嚥が原因で起こる嚥下性肺炎が多いと考えられています。脳卒中などで嚥下障害があれば当然嚥下性肺炎の危険が高まります。高齢者はわずかな誤嚥が重篤な肺炎や呼吸器疾患につながりやすいことを忘れてはなりません。高齢者が肺炎になると身体の抵抗力がないために、なかなか治りません。体力の消耗も激しく、寝たきりになるきっかけとなる場合もあります。また、脳卒中のリハビリテーション中に嚥下性肺炎になると訓練が中断して全身の体力が低下し、健常側の筋力低下や麻痺側の関節拘縮が進むなどさまざまな弊害が起こります。このような嚥下性肺炎で死亡する例もかなりあります。さて、誤嚥するとすぐ肺炎になるのでしょうか?
 実際は必ずしもそうではありません。肺炎になるかどうかは、誤嚥する量や頻度、誤嚥するものの種類に大きく左右されます。また、全身状態や肺の防御機構、排泄機構との関係もあるので、ある人は肺炎や無気肺になり、ある人は何も起こらないということがあり得るのです。とはいえ、高齢の脳卒中患者さんは全身状態が悪く、生体の防御機構が低下しているため、少量の誤嚥がきっかけで肺炎になることが少なくありません。「誤嚥しても安全だ」などと思ってはいけないのはいうまでもありません。嚥下性肺炎の原因のには、食物の誤嚥以外に主に次の二つの機序が考えられています。一つは咽頭や喉頭の粘膜に細菌の巣(コロニー)ができていて、細菌を含んだ唾液などの分泌物を絶えず誤嚥していること、もう一つは夜間睡眠中、少量の胃ー食道逆流により胃内容物を誤嚥していることです。後者の場合は大量の細菌を含んでいるうえに、酸や消化液は化学的に気道粘膜を損傷するため、そこに栄養分を含んだ食物が入ってくると細菌が急速に繁殖して肺炎が起こると考えれます。
 一度嚥下性の肺炎を起こすと、気道粘膜はなかなか完全には回復しません。そして粘膜の知覚が鈍麻して、誤嚥しても咳が起こりにくくなり、食物を有効に排泄できないためますます肺炎の危険が増大する、という悪循環が起こります。

尼崎の歯科医が結核感染 接触患者ら263人

尼崎市と同市保健所は16日、市内で開業する60代の男性歯科医が肺結核に感染していたと発表した。接触した患者に感染した可能性があり、検査を進めているが、今のところ感染者は見つかっていない。歯科医は幼児らの健康診断も担当しており、個別に保護者説明会を開催して経緯を説明する。

 市などによると、歯科医は昨年8月からせきをし始め、昨年12月中旬に発熱し、肺結核と分かった。昨年8~12月に接触し、感染の可能性がある患者らは計263人。このうち接触時間が長かった親族や診療所職員ら計44人を濃厚接触者として順次検査している。

 歯科医は昨年10月、杭瀬小学校に入学予定の幼児84人と同市小田地区の3歳児30人の健康診断を担当。市などは「結核菌の予防注射を受けており、接触時間も短いので感染の可能性は低い」としているが、今月23日と27日に保護者説明会を開催する。

群馬県内5~17歳、肥満傾向と虫歯高率

文部科学省が幼稚園児から高校生(5~17歳)を対象に行った学校保健統計調査(速報値)によると、県内の子どもは全国平均と比べて肥満の傾向が高く、虫歯の割合も全国平均より高い傾向にあることが分かった.


 調査は、昨年4~6月、県内の幼稚園と小中高校から計158校を抽出し、健康診断の結果を調べた。調査項目は身長、体重、座高、視力、聴力、疾病の有無など。身長による標準体重より20%以上重い子どもを「肥満傾向児」として、割合を調べた。

 肥満傾向児の割合は、17歳以外のすべての年代で全国平均を上回った。特に9歳(11・52%)、10歳(12・01%)、16歳(12・47%)で、全国平均より3%以上高かった。

 肥満傾向児は、東日本大震災の発生後に福島県で急増しており、原発事故により屋外で運動することが少なくなっていることが取りざたされているが、群馬県教委は「昨年度より肥満傾向児は減少しており、原発事故との関連は分からない」としている。

 また虫歯は、治療済みの子どもも含め、幼稚園42・9%▽小学校58・2%▽中学校48・3%▽高校61・1%――が経験。いずれも全国平均を上回った。

70~74歳医療費特例廃止を 財政審、生活保護下げも

財務相の諮問機関である財政制度等審議会が、2013年度予算編成に向けて取りまとめる報告書の最終案が17日、明らかになった。70~74歳の医療費の窓口負担を2割から1割に軽減している特例措置を早い時期に廃止し、生活保護の支給水準を引き下げるよう提言。無駄な公共事業の削減も要請した。

 報告書は、医療費をめぐり、政府、与党が70~74歳の窓口負担の特例を当面続ける方針を固めたことを「この期に及んで問題の先送りは許されない」と批判し、13年度に廃止するよう求めた。

 消費税率引き上げ分は一部を社会保障の充実に使う予定だが、国の財政事情が悪化した場合は「見直すこともちゅうちょすべきでない」と指摘。平均入院日数を短縮するための病院や病床の改革など社会保障費削減への取り組みが必要と強調した。

 生活保護は、食費や光熱水費などの「生活扶助」を一般の低所得者の生活費並みに引き下げ、現在は無料の医療費は、一時的に窓口で支払い、後から払い戻す制度の導入も訴えた。年金は、高所得者への給付見直しや支給開始年齢の段階的な引き上げの検討を要請。介護保険は、利用者の自己負担割合の引き上げが必要とした。

 報告書は、財政健全化に取り組むことの重要性を説き、安倍政権が重視する公共事業の効果に疑問を呈した。地方公務員給与を国家公務員並みに下げることも求めた。

福祉共済の改正点示す

都道府県歯専務理事連絡協議会が11月14日(水)、歯科医師会館で開催され、日歯年金保険と日歯福祉共済保険が11月6日(火)、厚労省から特定保険業に認可されたことを報告するとともに、公益社団法人への移行認定申請書の概要及び留意点や、福祉共済保険制度への改正に係るポイントを説明した。福祉共済保険制度における主なポイントを説明した。福祉共済保険制度における主な改正点は、▽死亡共済保険金(現死亡共済金)及び障害退会共済保険金(現障害共済金)は45歳未満1千万円、45歳~60歳未満800万円、60歳~80歳未満600万円、80歳以上400万円▽保険料の払い込みは35年以上加入かつ満80歳以上に到達した年度まで▽立替払い、前払い、高齢者前払いの廃止など。
                   日歯広報 12月15日

九州歯科大がベトナムに医療チーム派遣

 九州歯科大(福岡県北九州市小倉北区)の冨永和宏教授(55)ら歯科医療チームが昨年12月下旬、生まれつき上あごや上唇が割れている「口唇口蓋裂」に悩む途上国の子供らへの手術ボランティアとして、ベトナム・ベンチェ省を訪問し、手術を行った。

 同大では個人の派遣は10年ほど前からしているが、チームでの派遣は今回が初めて。冨永教授は「患者さんが普通の人生を送る手伝いができればうれしい」と話している。

 日本口唇口蓋裂協会(名古屋市)の医師団に参加する形でベトナムに行った。同協会は、1992年からベトナムやモンゴル、エチオピアなどにボランティアの医師団を派遣しており、これまでに約4000人の患者を治療してきた。今回の派遣には全国の13の病院、大学から約40人が参加し、昨年12月21~30日の日程で訪問し、生後3か月~60歳までの約60人を治療した。

 チームは、冨永教授のほか、麻酔科医の渡辺誠之教授(53)、土生(はぶ)学助教(39)、看護師の立花香織理さん(33)で組織。冨永教授は10年から3年連続での参加で、土生助教も3年ぶりに加わった。同省の総合病院の手術室で、12人の手術を行った。

 現地では、右側の眼球やほお骨がない16歳の女性に、傷痕を隠すことができる特殊な眼鏡も贈った。冨永教授は「引っ込み思案な女性だったが、明るい笑顔を見せてくれた」と振り返る。

 土生助教が3年前に治療した女の子がお礼に訪れ、1輪の花を手渡してくれる一幕も。土生助教は「覚えてくれていて、うれしかった」と笑顔を見せる。

 冨永教授は「回復を喜び、頼りにしてくれることにやりがいを感じる。今後も、必要とされることをやっていきたい」と話している。

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