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デンタル・ラボに政府系会社が出資

政府系投資会社の東京中小企業投資育成(東京)は19日、歯科技工業の札幌デンタル・ラボラトリー(札幌)に出資したことを明らかにした。出資額は2千万円で、8月末に第三者割当増資を引き受けた。札幌デンタル・ラボラトリーは歯科医向けに入れ歯製作などを手がけており、従業員110人、年商10億円と道内トップ級の規模。最先端機器を積極的に導入するなど、生産性向上に力を入れている。東京中小企業投資育成は安定株主として株式を長期保育し、中小企業の成長を支援している。道内の出資はこれで45社となった。
                   北海道新聞 2012.9.20

はじめての在宅介護 今月のテーマは介護保険制度②

介護保険サービス区分認定で「自立」や「要支援」と認定されると、地域包括支援センターの職員が自宅を訪れます。一方、「要介護」と認定されれば、利用を希望する「居宅介護支援事業所」の職員が契約を前提に訪れることになります。事業所が定める「運営規定」の概要や、在宅サービスに直接関わる介護支援専門員らの勤務体制、プライバシー情報の管理体制、予期せぬけがをはじめとする「事故発生時」の対応、苦情への対処などをしっかり確認してから契約します。事業所と契約後、事業所がケアプランを作成し案を提示します。介護保険サービスの内容や、その時間数、追加で必要となる費用を確認し、気になることがあれば納得がいくまでお話ししてください。
                   北海道新聞 2012.9.20

誤嚥しにくいコップ

高齢者は脱水しやすく水分補給はとても大切です。ただ、誤嚥に気をつけなければいけません。誤嚥とは、食道を通って胃の中に入るはずの飲食物が、誤って気管に入ってしまうことです。誤嚥性肺炎を引き起こすこともあり、危険です。誤嚥を防ぐには、料理や飲み物に手を加えて摂取しやすくなる、姿勢を変える、唾液の分泌を良くするなどの方法があります。今回は、誤嚥を防ぐために開発されたマグカップを紹介します。横から見るとペリカンのくちばしのような変わった形で、足が付いています。普通のコップでお茶やジュースを飲むと、液体を口に流し込むのにあごを上げるので、誤嚥が起こりやすくなります。このマグカップは独自の形状をしているので、あごを上げずに飲むことができます。 
 ▽お問い合せ先 日本福祉用具供給協会道支部事務局 ℡011-663-0732。受付は平日の午前9時~午後5時。
                    北海道新聞 2012.9.27

はじめての在宅介護

サービス利用開始後は、書類や連絡先の管理をしっかり行う必要があります。サービスによって複数の事業所を利用することもありますが、各事業所の計画書などの書類を、事業所ごとに古い順にファイルへつづり、担当者の名刺をわかりやすいように貼っておくと便利です。また、被保険者証も大切に保管して下さい。サービス計画の作成時などに必要ですが、介護認定を受けた後は、有効期間や介護保険制度で規定されたサービス上限である「区分支給限度額」なども記載されています。
                    北海道新聞 2012.9.27

東日本大震災の特例措置 3月末まで延長

中医協総会が9月19日(水)、厚労省内で開催され、東日本大震災に伴う診療報酬等の特例措置を平成25年3月末日まで延長することを承認した。原則として、特例措置を現に利用している保険医療機関が対象。特例措置は9月末日までとされていた。平成25年4月以降の延長措置については、利用状況等を踏まえて改めて検討する。
                   日歯広報 9月25日

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死発生の現況と歯科診療における対応

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死とはpubMed検索によるFilleulらの検討では、2003年1月~2009年9月までのBRONJ症例2,408例のうち、BPが投与された疾患は悪性9割、良性1割で、剤型は注射薬9割、経口薬1割であった。男女比は4:6、発生部位は下顎骨が2/3、上顎骨が1/3である。進行度はStage2が2/3を占め、進行例では上顎洞炎、皮膚瘻孔、病的骨折などを伴っていた。抜歯を契機に発症したのは67%、自然発症は26%であった。治療法には抗菌薬投与(ペニシリン系など)等々があるが、治癒率は35%と非常に治りにくい病態である。そのため、治療よりも予防を重視し、口腔衛生状態を良好に保ち、BP治療に先行して外科的処置を行うことが重要とされている。
 日本におけるBRONJの現状
  いま日本で使われているBP製剤は注射薬4種類、経口薬7種類で、骨吸収抑制効果の高い新薬が次々に開発されている。日本では2006年に最初の症例報告がなされ、2008年の調査では263例が表1の基準に合致していた。このうち経口薬によるものが39.5%を占め(欧米では5~10%)、34%が治癒した。治癒率は外科治療例で高く、注射薬によるものや進行例では治りにくかった。なお、2010年のBP関連顎骨壊死検討委員会による日本でのBRONJ推定発症頻度は、注射薬1~2%、経口薬0.01~0.02%である。
浦出雅裕 兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座

胃ろう造設者の受入「上限あり」施設が7割

胃ろうを造設した人を受け入れる際、人数に上限を設けている特別養護老人ホーム(特養)は、全施設の約7割に達することがNPO法人特養ホームを良くする市民の会の調査で分かった。また調査では、特養の半数以上が入居定員の2割以下しか胃ろう造設者を受け入れない方針であることも明らかとなり、胃ろうが施設入所の大きな“壁”となっている現実が改めて浮き彫りとなった。

歯周病活動期における抗菌薬の投薬方法

歯周炎は一般的に慢性的経過をたどる疾患である。しかし、患者の内科的疾患の進行やその他の要因による体力低下などの全身的因子、あるいは口腔内局所環境や細菌学的因子の変化のために亜急性活動期(急性発作)に陥ることがある。もちろん、こうした急性期に特有な腫瘍形成に対し、腫瘍切開・排膿という外科処置を施すことは局所症状を改善するために必要な療法である。慢性歯周炎は嫌気性菌(群)が起因菌とされ、上述のような活動期病変では侵襲性歯周炎と同様、歯周組織内に細菌が侵入していると考えられている。そこで活動期病変と診断されれば、組織内の細菌に対応するため、とりわけ嫌気性菌に有効な抗菌薬の経口投与を選択することが望ましい。この際に使用する抗菌薬はポケット内の細菌にも作用することが望ましく、歯肉溝滲出液への移行性の高いテトラサイクリン系製剤が頻用されている。しかし、ポケット内の細菌に経口投与にだけ頼って対処しようとすると、多量の薬をしかも長期間にわたって使用しなければならず、こおため副作用や耐性菌の出現をみる危険性が高い。したがって、この方法ではポケット内の細菌に対しては、洗浄により局所の細菌数を減少させた後に必要最小限の薬物の局所投与で対処すべきであり、そのための薬物搬送システムが開発され、臨床応用されている。
 ポケット内で有効濃度を1週間維持するためには、局所投与は経口投与の1/1000以下の薬物量ですむことが示されている。この薬物搬送システムを利用した局所薬物療法は、ポケット内の掻爬やルートプレーニングによる治療効果を凌駕するものでは決してない。すなわち、歯周治療の成功は、歯周基本治療を確実に実施することによりもたらされることを忘れてはならない。また逆に、ルートプレーニングまでの歯周基本治療が奏効しない難治性の場合には、経口投与を含めた薬物療法も行われることもある。

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