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歯科衛生士 9割超が「転職経験あり」 職場選びでは「勤務地」を重視

「転職経験あり」と回答した歯科衛生士は9割以上で、職場を選んだときに重視したポイントでは、「勤務地・通いやすさ」が最も多く、「仕事内容・業務内容」「給料・待遇面」の順で多かった。

 デンタルサポートが調査したもので、転職経験の有無と回数では、95%が「転職経験あり」と回答、「3回」27.9%、「2回」15.1%、「1回」13.6%だった。さらに、転職のタイミングでは「次が決まったらすぐ」25.1%、「年度末などの区切りのいいタイミング」22.8%、「ボーナス・賞与支給後」8.2%と、人材の流動性が高いことが分かった。退職理由では、「人間関係への不満」11.1%が最も多く、「結婚のため」10.4%、「出産のため」8.8%、「仕事内容への不満」7.8%、「経営方針が合わない・共感できない」6.5%、「キャリアアップできないと感じた」6.1%などの結果が出た。

【歯科通信】

簡便に歯周病リスク判定

歯周病は、自覚症状が発現するころには重篤化していることが多く、リスク判定に基づく早期発見・早期治療が重要となる。既存の歯周病検査は重症度の診断を目的とするだけで、簡易にリスク判定を行える検査は存在していなかった。 

 東北大学病院の石井京子 歯科衛生士、東北大学大学院歯学研究科の梶原貴子 歯科衛生士、八幡祥生 准教授、齋藤正寛 教授らのグループはSillHa唾液検査装置(アークレイ社)を用いた唾液中の白血球エステラーゼ活性が歯周病の炎症状態の改善に伴って低下することを明らかにした。この方法は唾液を試験紙に染み込ませて機械で読み取るだけで短時間に検査することができるため、簡便に歯周病のリスク判定を行うことができる検査方法となることが期待される。

 現在、国が推進している「国民皆歯科健診」の実現につながる可能性があるとも言われている。


【日本歯科新聞】

「下顎管の位置を特定するAI」で歯科診療をアシスト

下顎には、神経と血管が走行する重要な解剖学的構造である「下顎管」がある。例えばインプラント治療では、神経損傷を避けるため、下顎管から2mm以上の安全マージンが推奨されるなど、その位置把握は歯科治療で重要な意味を持つ。歯科用コーンビームCT(CBCT)から下顎管の位置を把握する際には、個人差や人種的差異のために手動では難しい場合もあるなど、より正確で自動化された手法の開発が求められている。

フィンランドのアールト大学などによる多施設共同研究では、下顎管の位置を特定するAIモデルの評価を行っており、その研究成果はScientific Reportsに発表されている。「モデルの生成した下顎管の位置」に関する臨床評価として専門家によるレビューを受けたところ、96%で臨床的に十分使用可能、という高い評価がなされたとする。

著者でアールト大学のJaakko Sahlsten氏は「AIモデルの学習で課題となったのは、3D画像に写る下顎管の大きさが画像全体のデータに比べ非常に小さいという、トレーニング素材のアンバランスさだった。臨床評価を受け、我々はこのモデルがうまく機能していると強く確信している」と語った。

オンライン資格確認未導入~「すぐに個別指導は行わない」

■ メルマガニュース
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オンライン資格確認未導入~「すぐに個別指導は行わない」
 ― 日歯・堀 会長
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 日本歯科医師会の堀 会長は20日の会見で、今月から原則義務化となったオンライン資格確認について、未導入医療機関に対してはすぐに個別指導を行うのではなく、まずは個別の改善を促す方針で厚労省と合意していると明らかにした。

 オン資未導入で、経過措置の届出をしていない医療機関に対しては「社会保険診療報酬支払基金から個別にメールで経過措置を知らせる」「ポータルサイトなどの委託先から電話で勧奨する」「Eラーニングによる集団指導を行う」などの方針で合意しているという。


【メディファクス】

口腔ケアは全身疾患の予防につながるのか「分かりやすい発信方法を考えたい」‐河口浩之・広島大学病院革新的病院口腔ケアプロジェクトセンター長に聞く◆Vol.2

医科と歯科の具体的な連携について教えてください。

 これはセンター設立以前から行っているのですが、特に手術や化学療法・移植手術の前には口腔ケアが必須のため、歯科に紹介していただいています。手術前に口腔ケアをすると消化器系の手術における傷口の感染率や、化学療法後の発熱の割合が低下するとのデータがあるほか、ビスホスホネート製剤など抜歯と相性の悪い薬もあるため、手術前や該当薬の投薬前には、歯科でのチェックや口腔ケアを欠かさず行っているのです。口腔ケアとしては、口腔内のクリーニングを行い、口の中の細菌数を減らす作業を行っています。時間がある場合は歯の治療を行ったり、抜歯が必要な歯を抜いたりもしています。化学療法を行う場合は、放射線が当たった後に歯を抜くと予後が悪いと言われているためです。

 この医科と歯科の連携は2010年から当院で実施しており、現在医科から歯科へは、月に300人前後の口腔ケアの紹介があります。医科歯科連携での歯科医の紹介数は大学病院の中でもトップレベルです。口腔ケアは医科の治療が成功するための一つの要因でもあり、非常に重要な工程であると考えています。

――医師が患者の診察をする上で、口腔面で注意すべきことは何でしょうか。

 医科の面から見ても、口腔ケアのメリットはとても大きいと思います。感染源を清潔にする、無くすといった意味合いで考えた際に、口腔ケアは非常に重要です。医科には口腔面と病気の関連性を非常に良く理解されている先生がおり、例えば消化器内科系の先生からは、肝臓の疾患と口腔面の不衛生とはかなり関わりがあるとのことで、口の中の状況を確認してほしいとの依頼を受けることがあります。医科の先生方には、口腔内の状態が身体の病気の原因になることを理解したうえで、歯科にアプローチしていただければと思います。

 今までに口腔総合診療科で医科から紹介を受けた患者さんを多数診てきましたが、自主的に診療を受けに来る患者さんとは異なり、紹介の場合は、口の中の状態がかなりひどい方が多いです。上の歯が全て虫歯で歯が無かったり、もう抜くしかない状態になったりしている方もたくさんいました。そういった方は恐らく口の中に劣等感を持っており、恥ずかしくて歯科には行けないとすら感じている場合が多く、長い間治療を放置してしまっています。そのため「通院している歯科がある場合はよく診てもらった方が良い」など、歯科へ行くきっかけとなるようなアドバイスをしていただけると良いですね。 

――医科と歯科の連携に関して先生が感じている課題は。

 歯科から医科に患者さんを紹介する際に、患者さんの口腔内の状況を伝えづらいことです。例えば、糖尿病と歯周病の両方で通院している患者さんを診る場合、歯科では糖尿病の状態を検査結果などの数値ですぐに理解することができます。しかし、歯科はそういった検査値があまりなく、現在の状況を説明したり、理解してもらったりすることが難しいです。

 「歯周病の状態はどうですか?」と患者さんや医科の先生に聞かれても、重症や中程度や軽症などと言うしかなく、やはり皆さんピンとこないのではないかと思います。歯周病だけでなく、今の口腔内の状態を患者さんや医科の先生に分かりやすく数字で表現できないと、状況を理解するのはなかなか難しいのではないでしょうか。メタボリックシンドロームの場合は腹囲などの理解しやすい基準がありますが、歯周病も検査をして数値が100以上であれば歯周病の可能性ありなど、そういった分かりやすい形で提示しないと口腔内に興味を持ってもらえないだろうと感じています。そのため、今後は分かりやすい数値での発信に関して方法を検討していきたいと考えています。

「みんなで安心マーク」撤去について

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ変更に伴い、これまで医療広告規制の特例的取り扱いとされてきた「みんなで安心マーク」が令和5年5月8日(月)以降は広告できなくなりますので、院外掲示やホームページの掲載等は同年5月7日(日)で撤去されるようご対応をお願いします。

 なお、本マークの撤去については3か月程度の猶予期間が設けられる予定です。詳細は日歯HP(下記URL)をご確認ください。
https://www.jda.or.jp/dentist/anshin-mark/

口腔ケアは全身疾患の予防につながるのか「分かりやすい発信方法を考えたい」‐河口浩之・広島大学病院革新的病院口腔ケアプロジェクトセンター長に聞く

革新的病院口腔ケアプロジェクトセンターの概要を教えてください。

 広島大学の「プロジェクト研究センター構想」の一環として設立されました。センター開設にあたり特別に人材を募集したり、スタッフの所属を変えたりするのではなく、広島大学病院の各診療科や各部署から集められたメンバーで構成されています。書類上の構成メンバーは各診療科の科長や各部署の代表者を中心とした24人ですが、科長などが声をかけた際はその科の人たちにも参加してもらうため、より多くの方に関わってもらいながら運営できる状態となっています。

 設立目的は口腔と全身の関係性をさまざまな方面から分析・発信することです。大学院の医系科学研究科である基礎的な細菌学や疫学、疫病制御学をはじめとして、医療データの解析部署、医科や歯科・診療科なども入った包括的な研究センターとなっています。

 周術期口腔機能管理の実施には、疾患によっては入院日数が減少する、口腔内の衛生状態が向上するなど病院と患者さんの双方にメリットがあります。しかし入院の状況によっては、歯科の介入を受けない患者さんもいるため、口腔ケアを入院患者さん全員に行うことはできません。そこで当プロジェクトにて口腔ケアの影響を基礎的・臨床的に分析し、全ての入院患者さんに対する新たな口腔ケアの方法や有効性を発信したいとの考えから「革新的病院口腔ケア」と名付けました。

花粉症・アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法中の抜歯時の注意について

花粉症やハウスダスト、ダニアレルギーの舌下免疫療法で使われている「シダキュア」「ミティキュア」を使用している方が、抜歯等の外科的な歯科治療後に創面から成分が入り込むと、アナフィラキシー様症状で気道が腫れて窒息する可能性があるとの報告があります。
 5歳以上から使用され子どもにも処方されているケースもあるため、乳歯の抜歯も要注意です。保護者に服用の有無を確認する必要があります。

 今のところ口腔外科学会などからの注意喚起はありませんが、昨今の生活環境を考えますと何らかのアレルギーに対する問診は慎重に行う必要があると思われます。
 使用している場合は術後の休薬等の検討も考慮してください。

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