記事一覧

平均寿命と平均余命

日本人の平均寿命は戦後劇的に延びています。
戦前は50歳前後だったようですよ。
では、長生きの人の年齢が延びたのでしょうか?
実は違うんですよね。
平均寿命が延びたのは、
赤ちゃんの時に亡くなってしまう子、戦死する人、
結核などの感染症で若くして亡くなってしまう人が減ったからで、
長生きの人の年齢がさらに延びたからというのが主な理由ではありません。
ところで、あなたの平均余命をご存知ですか?
平均余命とは、その年齢の人が、平均、あと何年生きられるか、です。
つまり0歳児の平均余命は平均寿命ですが、
70歳の人の平均余命は(平均寿命)-(70歳)ではありません。
少し古いですが、平成21年の統計では、
平均寿命は 男女の順に  70.29歳、86.44歳。
50歳では、31.51年、37.70年。
90歳では 4.48年、5.71年、つまり平均、94.48歳、95.17歳まで生きるということです。
よく、平均寿命と比較して、
自分はあと、このぐらいだから、と考える方がおられますが、
それはあなたが赤ちゃんなら正しいだけで、
あなたの年齢には合っていません。
御自分の命の長さを考えるなら、
平均余命を元にしていて下さい。
なお、平均余命の統計は厚生労働省のHP
http://mail.os7.biz/l/00B3ZA/rJKKEjDs/
に載っていますよ。

高齢者摂食嚥下障がい者診療協力育成プログラム

 上記プログラムが下記にて開催されました。 
 日時:平成24年6月2日 午後2時より
 会場:十歯会館 会議室
 講師:札歯口腔医療センター 牧野秀樹先生

十歯会では併設の十勝歯科保健センターにおいて、①嚥下障害を見極める事が出来る。②受診した(又は往診先)の摂食嚥下障がい者を、自分が対応可能か判断出来るようになる。③嚥下障害に対する診療の流れを実践出来る。(スクリーニング検査、嚥下障害に対するリハビリテーションが出来る)
この3項目の実践を目標として、3回にわたる育成プログラムをスタート。第1回:基本的評価法Ⅰ(講義、相互実習)第2回:基本的評価法Ⅱ(講義、高齢者対応実習、症例検討会)介護老人保健施設にて 第3回:専門的評価法Ⅰ(講義、事例検討会、VEデモ、グループワーク)介護老人保健施設 
今回は、講義後、嚥下のスクリーニングテストの相互実習を行った。

安易な薬服用に警鐘

 日本うつ病学会は、多様化するうつ病を適切に治療するための医師向けの指針をまとめた。次々に開発されている抗うつ薬の有効性や副作用に関する情報を盛り込み、軽症者の安易な薬物療法に警鐘を鳴らしたのが特徴だ。学会が指針をつくるのは始初めて。厚生労働省の推計によると、国内のうつ病患者は1999年の約24万人から、2008年には70万人を超え急増。年間3万人を超える自殺の主な原因ともされている。同学会は最新の医学的知見を盛り込み、現在の医療体制や現場の実情を考慮した指針が必要と判断した。
                   北海道新聞 2012.8.1

適切なケアで再び食事も 胃ろうと老い その時どうする?

◇専門家チームが取り組み 地域ぐるみで在宅者支援

 胃ろうをつけたら、病院や施設は患者をただ寝かせているだけ――。介護する家族からはそんな不満の声が漏れる。だが、いったん胃ろうを作っても、リハビリや口腔(こうくう)ケア、介助や食事を工夫すれば、再び口から食べられるようになることもある。安易に胃ろうにしないよう、入院直後から機能回復に力を注ぐ病院もある。【稲田佳代、山崎友記子】

 おかゆ、肉じゃが、トマト。器用に箸でつまんでは口へ運ぶ。神奈川県厚木市の青木兼次郎(かねじろう)さんは、104歳になった今も、自力で食事している。

 5月末に誤嚥(ごえん)性肺炎を起こし、市内の東名厚木病院(杉山茂樹院長)へ運ばれた。医師から「肺が5分の1しか働いていない重症の肺炎です」と言われ、最悪の事態も覚悟した。ところが入院翌日、長男の幸雄さん(67)が見舞いに行くと、兼次郎さんは昼食に煮物を食べていた。「本当にびっくりしたよ」と笑う。

 「肺炎であっても食べながら治せる。目で見て、匂いをかいで、かむことで目が覚め、脳を刺激して、持っている力が発揮される」と、同病院の摂食嚥下(えんげ)療法部課長の看護師、小山珠美さん(56)。肺炎は一般的に絶食して治療することが多いが、小山さんは「高齢者こそ早く対処しないと、いざ退院に向けてリハビリをしようとしても、口の中は乾ききり、意識の状態も食べる力も落ちてしまうことになる」と話す。

 入院翌日の兼次郎さんは、熱も下がり呼吸も落ち着いたため、病院スタッフは上体を軽く起こしてゼリーを食べさせようとした。しかし、目を開けず、のみ込まなかった。小山さんは「食べ物を認識していないのでは」と判断し、兼次郎さんの体をさらに起こし、目で食べ物を見せ、手にスプーンを持たせた。すると、スムーズに食べ始めた。3日目には食堂で食事を取り、2週間で退院した。

 東名厚木病院でも以前は、絶食による肺炎治療を優先しがちだった。しかし06年から医師と専門の看護師、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士らがチームを組み、治療と並行して早期に食べる取り組みを始めた。

 誰にでもむやみに食べさせるわけではない。安全に食べてもらうため、口の中の環境を整えたり、呼吸機能を高めるリハビリなどを同時に行ったりする。どのくらい食べる力があるか慎重に見きわめ、可能性を引き出すことが条件だ。07~10年度に担当した患者のうち、脳卒中で91・8%(636人)、経口回復が難しいとされる肺炎でも82・5%(358人)の患者が、口から食べられるようになって退院した。

     ◇

 神奈川県小田原市の特別養護老人ホーム「潤生園」では、食事の工夫や徹底した口腔ケアによって、最期まで口から食べられるよう力を注ぐ。

 「お魚はどうですか」。介護スタッフが、ベッドの上で目を閉じている正子さん(79)に声をかけ、口元にスプーンを近づける。正子さんは目と口を開け、一口分を含み、口を動かし始めた。スタッフはのどの動きを見ながらのみ下すのを待ち、ゆっくりと次のひとさじをすすめる。

 正子さんは末期のアルツハイマー病。今は意思の疎通も難しい。2カ月前には口が全く動かなくなり、水分も取れず「お別れ」を覚悟したこともあった。施設長の西山八重子さんは、正子さんの食べる様子に「人間の力はすごいと気づかされる」と驚く。

 潤生園ではのみ込みが悪くなった人や、むせやすい人も食べやすい食事を開発。同じメニューでも形状や水分量など5段階に分かれ、それぞれの能力や体調に合わせて提供される。

 10年前からは、食事が取れる口の状態を保つため、歯科衛生士が入所者に定期的な口腔ケアを行っている。食事が取れるだけでなく、肺炎で亡くなる人も大幅に減ったという。

 歯科衛生士の加藤明美さんは「認知症があると歯医者に行けず、歯のことは後回しにされがち。でも、歯や口内のケアが不十分だとしっかりかめず、うまく食べられなくなってしまう」と訴える。

     ◇

 地域ぐるみで口から食べることを支援する取り組みもある。東京都立川市、国立市など6市では、医療・介護関係者が連携し、高齢者が自宅で摂食・嚥下機能の診断やリハビリを受けられるシステムを作っている。

 「口腔ケアに来ましたよ。さすらせてくださいね」。歯科衛生士の駒村好子さんは、東京都国分寺市の住宅街にある一軒の家を訪ねた。脳内血腫で倒れ、重い要介護状態になった79歳の男性の自宅。駒村さんは、硬くなった男性の筋肉をほぐすように、肩や首をマッサージしたり、さまざまなブラシを使って歯や口の中を清掃したりした。歯科医の羽田亮さんがライトや吸引器を持ち、様子を見守った。

 男性は09年末に誤嚥性肺炎で入院し、胃ろうを作った。だが、翌年自宅に戻った後、嚥下機能の検査を受けると「ゼリー状のものなら口から食べられるのでは」と診断された。それ以来、主治医をはじめ歯科衛生士、看護師、作業療法士ら専門職が情報を共有し、男性の在宅介護を支えている。

 男性の妻(76)は「口腔ケアを受け始めてから口がよく動き、言葉も出るようになった」と喜ぶ。駒村さんは「好きなビールや焼き鳥を、少しでも食べさせてあげたい」と語った。

     ◇

 病院や施設、自宅にいても、その人の持っている力を生かすリハビリやケアが適切に受けられる――。胃ろうについて語る時、同時に、そんな体制をどう作っていくか考えるべきではないだろうか。毎日新聞社 8月22日(水) 配信

子どもの終末期医療指針が完成

 日本小児科学会は、生命維持治療の差し控えや中止も選択肢とする、子どもの終末期医療指針「重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン」をまとめた。

 子どもや父母、医療スタッフらが、本人の気持ちや利益を最優先し、納得のいく話し合いを進められるよう作成した。方針決定までの流れを示した図や、段階ごとの意思決定が適切かどうか判断するためのチェックリストなどを設けている。

 子どもは個人差が大きいため一律な基準作りは困難だとして、終末期の定義や、差し控えや中止の具体的な基準を決めることはしなかった。
読売新聞 8月23日(木) 配信

50代、60代男性 6割超に更年期疑い

50代、60代男性の6割超に、男性更年期障害の疑いがあることが、メンズヘルス外来を開設している城西クリニック(東京都新宿区)が実施した意識調査で分かった。5月中旬、50~69歳の男性200人にインターネットを通じて聞いた。心身の自覚症状から更年期障害の有無やレベルを判定する「AMSスコア」と呼ばれる質問に答えてもらったところ、16.5%が重度、22.5%が中等度、24.5%が軽度と、計63.5%に更年期障害が疑われた。
                   北海道新聞 2012.8.1

いびき 熟睡できず困っているが

いびきは、のどを中心とした上気道を空気が強く流れた時、粘膜が振動して出る音だ。何らかの理由で上気道が狭いと、いびきをかきやすくなる。

 いびきをかいていると熟睡しているように見えるが、実は眠りが浅いなど、睡眠の質が低下している場合も多い。巽(たつみ)浩一郎・千葉大教授(呼吸器内科)は「いびきの音が大きい人は、それだけ一生懸命に呼吸の努力をしているということ。このため脳が目覚めてしまい、深い眠りに入りにくい」と説明する。いびきをかいて熟睡できなかったことが、昼間の眠気につながることもある。

 男性の場合、いびきの原因の多くは肥満。太ると上気道に脂肪が付いて狭くなり、いびきが強くなる。下あごが小さい人や、鼻詰まりで口呼吸になっている人も、いびきをかきやすい。一方、女性は50歳以降の閉経後から、いびきをかきやすくなる。女性ホルモンには気道を開く働きがあり、閉経で女性ホルモンが低下すると、いびきも少しずつ悪化するという。

 ◇「無呼吸」の恐れ

 いびきをかいていても、他に症状がなければ、それほど心配する必要はないが、昼間に眠気が強かったり、高血圧などの症状があれば要注意。「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)の可能性があるからだ。

 SASは睡眠中の無呼吸が原因で、昼間の眠気や集中力の低下などを起こす病気だ。無呼吸とは、呼吸が10秒以上停止した状態を指す。気道がふさがって無呼吸状態になり、呼吸が再開する時に大きないびきが出る。

 巽教授によると、SASの患者には高血圧の人が多い。睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返していると、体がたびたび酸素不足になり、結果として血圧の上昇を招く。高血圧は心筋梗塞(こうそく)や脳卒中のリスクを高める。いびきを侮れないのはこのためだ。

 「激しいいびきや眠気があって高血圧の人は、一度受診してほしい」と巽教授。実際、SASの治療をすると、血圧が下がる人は珍しくないという。巽教授は「SASを治療すれば、心筋梗塞や脳卒中を防ぐことにつながる」と訴える。

 ◇睡眠検査受診も

 自分のいびきが病的なものかどうかを調べるには、どんな方法があるのか。

 問診などでSASの疑いがあれば、睡眠検査を受ける。睡眠検査には自宅でできる簡易検査もあり、機器を借りて睡眠中に測定する。無呼吸や低呼吸が1時間に何回あるかを計測する機器、血中の酸素レベルを測定する機器など、さまざまなタイプがある。病院に1泊入院すると「ポリソムノグラフィー」と呼ばれる精密検査も受けられる。体にセンサー類を装着し、呼吸やいびき音、睡眠の状態を総合的に調べる。

 これらの検査で「中等症」か「重症」と診断されれば、治療を受ける。治療法は「シーパップ」と呼ばれ、睡眠中に鼻にマスクを付けて空気を送り込み、気道を広げる。シーパップは効果は高いが、一晩中マスクを付けるのを煩わしいと感じ、使用を続けられない患者もいる。

 こうした患者、または軽症の患者の場合は、より手軽なマウスピース(口腔(こうくう)内装置)を使う。コスモス矯正歯科医院(千葉県成田市)の菊池哲院長は「肥満の人は減量すればいびきや無呼吸が改善するが、やせていても顔の骨格の問題で気道が狭い人も少なくない。口腔内装置は、下あごや舌が前方に出るように保持し、気道を広げるのに効果がある」と説明する。

2歳児に白玉おかしい…父が危機意識の甘さ指摘

栃木市立はこのもり保育園(栃木市箱森町)で7月17日、女児が白玉を喉に詰まらせて意識不明の重体になった事故で、栃木署は19日、この女児が死亡したと発表した。

 鈴木俊美市長は記者会見で、「保育園で保育中に提供した白玉で起きた事故。園児本人に落ち度はない」と市側の責任を認め、遺族に当面の賠償金として1900万円を準備したことを明らかにした。

 亡くなった里世ちゃんの父親(41)が19日、読売新聞の取材に応じ、「何があっても里世は帰ってこない」と悲痛な心情を吐露した。

 父親によると、里世ちゃんは甘え上手で、よく抱っこをせがんだ。歌や踊りが好きで、3歳になったらピアノを習うことも考えていた。二つ下の弟のことを、お姉さんらしくよく気にかけていた。

 自宅では、大きい食べ物は与えないように気をつけていた。「白玉ほど大きなものは2歳児には出さない。誰か1人でもおかしいと思わなかったのか」と調理師や保育士の危機意識の甘さを指摘した。市外の病院に搬送され、心拍の再開まで約50分を要した医療体制についても疑問を投げかけた。事故後、病院にいる里世ちゃんを妻と2人で24時間見守り続けた。並べた椅子をベッド代わりにして泊まり込んだが、思いはかなわなかった。

 「こういう思いは他の人にはしてほしくない」と、声を絞り出した。
読売新聞 8月20日(月) 配信

過去ログ