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【中医協】在宅医療の推進では一致- 診療・支払側委員が意見書

中央社会保険医療協議会(中医協)は21日に総会を開き、2012年度診療報酬改定に向けた意見書を、診療側と支払側の委員がそれぞれ森田朗会長(東大大学院教授)にあてて提出した。具体的な診療報酬点数をめぐる議論が始まるのを前に、「初・再診料」などのテーマごとにそれぞれの見解を整理したもので、在宅医療を推進すべきとの認識では診療側と支払側が一致した。ただ、同じ医療機関で1日に複数の診療科を受診した場合、初・再診料の算定回数が制限されるルールの見直しなどをめぐっては意見が分かれた。


診療側と支払側が意見書を提出した中医協総会(21日、厚労省内)
 同じ医療機関で1日に複数の診療科を受診した場合、初診料は2科目(2科目は半額)、再診料(外来診療料も含む)は1科目までしか算定できない。厚労省は、12年度報酬改定でこうした取り扱いを見直し、再診料も2科目は一定の割合で算定可能とする案を示している。
 支払側の意見書では、厚労省の提案に対し「慎重に検討すべき」とけん制。一方、診療側は、初診料・再診料共に算定回数の制限や減算措置をなくすよう求めた。

 在宅医療の推進では、支払側は、終末期の在宅医療を充実させるため、ターミナルケアの実施数や看取り件数に応じた評価を提案した。診療側は、在宅療養支援診療所(在支診)以外が在支診と同じように在宅医療を行っている場合には、同様の評価をするよう要望。訪問看護、訪問リハビリテーションに対する医療保険適応の拡大も求めた。

 このほか支払側は、外来管理加算について「診療科間で算定状況が異なることに配慮しつつ、適正化を前提に在り方を検討すべき」と主張した。厚労省が提案している、栄養サポートチーム加算の対象拡大や、病棟薬剤師の配置に関する評価については、算定要件の慎重な検討を求めた。
 診療側は、外来診療料に検査・処置などが包括化される取り扱いを見直し、再診料と同じく出来高算定できるようにすべきだとした。

口腔機能維持管理加算 歯科衛生士による口腔ケアを評価へ

社会保障審議会・介護給付費分科会が11月10日(木)、都内のグランドアーク半蔵門で開催され、口腔機能維持管理加算について、歯科衛生士が介護保険施設への入所者に対して週1回以上、口腔ケアを実施した場合も評価する方向で検討していく方向となった。
           日歯広報 2011.11.25

山梨・歯科救急拠点 都留市立病院の敷地に 富士・東部地域、13年度開設予定

第4回富士・東部地域歯科救急拠点整備検討委員会(佐藤弥会長)が19日、県富士吉田合同庁舎で開かれ、富士・東部地域の「歯科救急拠点」の建設候補地を、都留市立病院(同市つる5)敷地内に決めた。最大330平方メートルで、現在は駐車場として使われている。同病院は中央道都留インターチェンジから0・4キロの地点。

 選定理由として、(1)インターに近く交通アクセスがよい(2)病院敷地内で道案内がしやすく、分かりやすい(3)富士・東部地域の中心部にあり、患者や出勤する歯科医にとっても利便性が高い――などが挙げられた。

 歯科医の委員からは、「救急対応として病院を控えていること」などが挙げられた。利用者代表の委員からは「住民の利便性や場所の説明をするための場所として適当」などの意見が出され、異論なく決まった。

 候補地としてこのほか、大月市大月2の大月公共職業安定所が挙がった。

 同委員会によると、年間受診数は320人程度を想定。心身障害(児)が歯科診療を受ける際に「摂食・えん下相談機能」も受診できるよう整備する方針。13年度当初の開設を予定している。
毎日新聞社 12月20日(火)

歯周病と糖尿病

 昔から歯科医の間では、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また悪化しやすいことが知れられていました。高血糖の状態が続くことで体の免疫機能が低下し、歯周病菌が増殖しやすくなるためと考えられています。ところが近年、歯周病が糖尿病の症状を悪化させるという逆の関係を示唆する研究報告が相次いだことから、歯周病と糖尿病は互いに悪い影響を及ぼし合っていると考えられるようになりました。
 中でも歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)から血液中に移行した歯周病菌が毒素をまき散らすことで、脂肪組織や肝臓から、サイトカインの一種であるTNF-αの分泌が活発になることが明らかになっています。サイトカインとは特定の細胞に情報を伝達するタンパク質のことです。歯周病なんて歯科に行けば治ると考えている方が少なくないのですが、現在の歯周病治療では進行を抑えることしかできません。
 初期の歯肉炎の段階なら適切なブラッシングや歯石の除去などで歯肉は元の状態に戻りますが、重度の歯周病になってしまうと歯周組織の回復はほとんど期待できないのです。
           北海道新聞 2011.11.30

口の機能回復 空気漏らさず発音改善

東京都世田谷区の女子大生Aさん(19)は以前、話すことが嫌で仕方がなかった。鼻にかかった声で、たとえば「バビブベボ」と言おうとしても、どうしても「マミムメモ」になってしまう。発音を直したいと、高校2年の3月、昭和大学歯科病院(東京都大田区)の口腔リハビリテーション科を受診した。
 バ行の音は、口に封じ込めた空気を破裂させて出す。口は鼻の奥に通じているため、空気を閉じ込める時、上あごの奥の軟らかい部分「軟口蓋」がせり上がり、鼻への通路を塞ぐ。ところがAさんの場合、軟口蓋がよく動かず、息が鼻の方に漏れてしまう。これが、「バ」が「マ」になる原因だった。
 別の病院での詳しい検査の結果、首の骨の先天的な変形によって神経が圧迫され、軟口蓋がよく上がらないことが分かった。そこで同科が作ったのが「スピーチエイド」と呼ばれる発音補助装置。上あごにはめるプレートと、やや小さな栓が、針金でつながっている。栓の大きさや位置を調整して、栓の方を口の奥に入れることで、口と歯名の通り道を塞ぐことができる。
           読売新聞 2011.8.25

[診療報酬] 庶民目線で見れば、診療報酬本体マイナスが妥当  安住財務相

安住財務大臣が12月13日に行った、閣議後記者会見の概要。この日は、次期診療報酬改定についてコメントしている。

  記者は、次期診療報酬改定について、12月9日に財務省と厚生労働省とが政務折衝を開始したことから、改定に向けた大臣の考えを質問している。

  安住財務相は、薬価はマイナスとなっているが、本体については、これから様々な議論をしていかなければならない、と説明したうえで、「物価の下落等を考えれば、提示をさせていただく段階ではやはりマイナスということも私はやむを得ないと思う」との見解を示した。また、「大きな病院に勤務なさっている医者の皆さんへのサポートというものを、中身を工夫することで十分やってきたと思っております」と前回改定を振り返った。さらに、「まだ課題はあるかもしれませんが、庶民目線で考えれば」、12月9日に提示した診療報酬本体マイナスが妥当との見解を示唆している。もっとも、「今後様々な角度で党、厚労省とも話し合いをしていきたいと思っています」と含みも持たせている。

  またこの日は、消費税についてもコメントしている。税と社会保障のための制度安定のために消費税増は、大変なエネルギーが要るが、野田内閣や私に与えられた宿命、と述べている。
厚生政策情報センター 12月16日(金)

70~74歳の医療費窓口負担2割、先送り 民主、政府案了承

政府は15日の民主党「社会保障と税の一体改革調査会」(会長・細川律夫前厚生労働相)総会で、一体改革大綱素案の社会保障部分の修正案を示した。特例措置で1割に据え置いている70~74歳の医療費窓口負担割合を本来の2割に戻すとした原案について、12年度は実施を見送って1割のままとすることを明記したうえで、13年度以降の取り扱いに関しては「(12年末の)13年度予算編成過程で検討」とし、先送りする文案を了承した。

 70~74歳の窓口負担割合は、現役世代の負担軽減を図る狙いもあり、法律上08年度から2割となっている。ところが、自公政権、民主党政権とも補正予算で毎年約2000億円を計上し、1割に据え置いてきた。

 民主党は2割に戻す原案について、既に12年度は見送る方針を固めており、15日の修正案には「予算措置を継続」と明記した。また13年度以降に関しては、方針の明示を避けた。高齢者の反発を恐れ「痛み」を求めることをさらに先送りした格好だ。

 このほか修正案には、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の廃止や、税と保険料を徴収する「歳入庁」の設置など、当初案から漏れた民主党マニフェスト(政権公約)の項目が追加された。同調査会は16日午前の総会で社会保障改革部分の意見を集約する。
毎日新聞社 12月16日(金

口の機能回復 「顎義歯」定期的に調整を

○さんは2009年6月、がん研有明病院(東京都江東区)の頭頸科で口腔がんの手術を受けた。きっかけは、奥歯がぐらつくような違和感だった。近所の歯科医院を受診すると、大学病院での検査を勧められた。結果は、進行がん。右上奥の歯肉のがんが、鼻から耳や目の近くに及んでいた。
 「口にがんができるなんで、想像もしなかった」手術では、患部を大きく切除した。空洞になった部分には、腹部の皮膚や脂肪を、はがき2枚分ほどの大きさにはがして移植した。しかし、上あごが欠けたままでは、飲食や発音に支障がでる。院内の歯科で応急の義歯を作ってもらった後、がん研有明病院頭頸科と連携している昭和大歯科病院口腔リハビリテーション科(東京都大田区)を紹介された。
 同科は、歯科医と言語聴覚士が協力して、食べる機能や言葉のリハビリを行う診療科。顎義歯は新しい技術ではないが、同科では発音やのみ込みの機能を細かく評価し、顎義歯の調整に生かしている。こうした診療科は国内では数少ない。
 ○さんは顎義歯を作ってもらい、同時に開口訓練や口のマッサージなど、自宅で行うリバビリの指導も受けた。現在は普通に食べられるし、辛い、がんの再発もない。ただ、リハビリを休むと、すぐ口が開きづらくなる。定期的な通院は欠かせない。
           読売新聞 2011.8.24

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