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アルツハイマー病原因タンパク質 かみ合わせ悪いと増殖

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)と江国大輔助教(同)らの研究グループは、歯のかみ合わせに異常があると、アルツハイマー病の原因といわれるタンパク質「アミロイドβ」が脳の海馬で増殖することを、ラットによる実験で突き止めた。認知症の一種であるアルツハイマー病の予防や治療につながる成果として注目される。米神経科学誌の9月号に掲載された。国内におけるアルツハイマー病の推計患者数は約100万人。高齢社会により、今後も患者数が増えると予測されている。かみ合わせが悪いと、ヒトでも認知症が悪化する可能性が高い。脳神経分野の医師らと連携し、治療や悪化予防に成果を役立てたい。
           山陽新聞 2011.9.16

歯磨きの基本

歯を失う主な原因はむし歯と歯周病。とくに歯周病は、痛みなどの自覚症状がほとんどないだけに、気づいた時は、すでに歯を保てない状態ということも少なくありません。歯周病の予防に欠かせない歯みがきの基本を、旭川保健所の渡邊さんに教えてもらいました。
・歯磨きは、力を入れすぎず、小刻みに動かす
・歯ブラシはブラシの部分が小さめの方が、細かいところまで磨きやすい
・歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯の裏側、奥歯の噛み合う面などが磨き残しやすい
(歯周病ケア普及歯科健診)
 旭川市保健所は、満30、40、50、60,70歳の市民を対象に行っています。料金は、500円健診は市内の医療機関で実施しています。問い合わせは旭川市保健所健康推進課健康推進係(℡0166‐26‐1111 内2951)
            ライナーネットワーク 11月8日

歯つらつ健口セミナー・相談

内容 講話「息さわやか(口臭予防)アドバイス」、
歯や口についての個別健康相談
 日時 12月5日(月) 午後1時30分から
 場所 問診指導室(第二庁舎3階)
 申込 健康推進課 ℡25-6315

歯石除去で心血管イベントのリスクが低下

口腔の衛生状態と心血管疾患のリスクには関連があることが知られており、歯磨きの励行は心血管イベントのリスクを低下させることが最近報告されている。

 そこでChen氏らは、予防歯科処置として行われる歯石除去と心血管疾患リスクの関連について、台湾の国民健康保険データベースから抽出した1995~2007年の住民コホートのデータを利用して、後ろ向きに解析した。

 解析対象は、過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある5万1108人(歯石除去群)と、歯石除去を受けたことがない5万1512人(非除去群)。両群ともに心筋梗塞および脳卒中の既往がなく、歯石除去群と非除去群で年齢、性別、合併疾患を適合させて登録した。

 平均7年間の追跡期間中、急性心筋梗塞(AMI)は歯石除去群で226例(0.44%)、非除去群で281例(0.55%)発生した。非除去群を対照とした歯石除去群におけるAMI発症のハザード比(HR、性・年齢・高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病の有無で調整後)は0.79(95%信頼区間[CI]:0.66-0.94、P<0.05)で、歯石除去は独立したリスク低下因子と考えられた。またKaplan-Meier法によるAMI回避率も、歯石除去群の方が有意に良好だった(Log Rank P=0.027)。

 脳卒中の発生は、歯石除去群1168例(2.27%)に対して非除去群1312例(2.57%)。歯石除去群の多変量調整後HRは0.87(95%CI:0.80-0.94、P<0.05)で、AMIと同様に独立したリスク低下因子となった。Kanlan-Meier法による脳卒中回避率も、歯石除去群の方が有意に良好だった(Log Rank P=0.004)。
(日経メディカル別冊編集)

医療費 70-74歳、1割負担の特例継続 民主提言素案

毎日新聞社 11月23日(水) 配信 医療費:70~74歳、1割負担の特例継続 民主提言素案

 民主党厚生労働部門会議の医療・介護作業チーム(WT)は22日、70~74歳の医療費の自己負担割合について、本来の2割から1割に引き下げている特例措置を当面続けることなどを求めた提言の素案をまとめた。また、外来患者の窓口負担に100円を上乗せして徴収する「受診時定額負担」に関しては「否定的な意見が圧倒的に多かった」とした。

 70~74歳の医療費の自己負担割合は、制度上08年度から2割となった。だが、高齢者の反発を恐れた自公政権は一度も実施することなく1割のまま凍結し、民主党政権も踏襲してきた。

 同日、WTは当面の2割負担導入に否定的な考えを示したが、特例措置は現役世代の負担増を招いており、厚労省は13年度から本来の2割に戻したい考え。WTの素案も将来の引き上げに関しては「見直しも検討する」としている。

生活保護にメス、「医療機関への指導強化を」

行政刷新会議ワーキングループの「提言型政策仕分け」の最終日の11月23日、生活保護がテーマになり、医療扶助費の適正化のために、生活保護の指定医療機関に対する指導強化のほか、後発医薬品の利用促進や利用の義務付け、償還払いを前提とした一部自己負担導入などを検討すべきだと指摘。さらに、「医療機関のモラルハザードが大きいことから、その実態把握の仕組みを構築し、不適切な医療を行っている医療機関は、生活保護の指定を外すなど厳格な対応を行うべき」とされ、医療機関に対し厳しい提言がなされた(資料は、行政刷新会議のホームページに掲載)。

 生活保護費は2011年度当初予算で3兆4235億円、うち約半分を医療扶助費が占める。医療扶助の場合、患者の自己負担はゼロであり、財務省は、「全額税負担で自己負担が一切ないため、患者と医療機関の双方にモラルハザードが生じやすいことを踏まえ、後発医薬品の促進など生活保護医療の適正化を強化すべき」と問題提起した。


仙谷由人・政調会長代行は、生活保護の指定医療機関はモラルハザードを起こしている現状を問題視。

 特に現行の仕組みを問題視した一人が、仙谷由人・政調会長代行。「知り合いの良心的な病院経営者によると、医療機関の経営では未払いの問題が大きい。しかし、生活保護に限っては国が全額支払うので、経営上はこれほどいいものはない、とのことだった」と説明。その上で、「モラルハザードを起こしているのは、患者よりも医療機関、というのが直観」とし、電子レセプトなどを活用し、生活保護の指定医療機関に対する調査等を充実すべきだとした。

 慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏も、「いまだに過剰受給、不正受給の問題が時々出ている。これらを減らすことができれば、税金をより有効に活用できる」と指摘、医療扶助の適正化を求めた。

飲食物の酸で歯が溶ける「酸蝕歯」

ジュースや栄養ドリンク、ワインや柑橘類などに含まれる「酸」によって、
歯質が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」の患者が増えているという。 
う蝕は細菌が作り出す酸によるが、酸蝕歯は飲食物の酸によって歯質
が溶ける。エナメル質が溶け象牙質が透けて黄色く見えたり、歯の先
端がひび割れ、咀嚼機能が低下したりする。冷水痛など知覚過敏の症
状が出ることもある。「ワインなど酸性の飲み物をチビチビと長時間
にわたって飲むと、歯が酸にさらされる時間が長くなり、酸蝕歯のリス
クが高くなる。食べ方、飲み方が問題になってくる」大阪府歯科医師会
産業歯科保健対策推進室室員を務める中道哲歯科医師は警告する。
その症例として、健康維持のため毎晩、黒酢を飲んでいた40代の男性
は、上顎前歯の口蓋側が溶けて薄くなり、酸蝕歯と診断された。黒酢を
飲んですぐ寝るという生活習慣の他に、前歯で舌をかむ癖があったこ
とも歯の摩耗を進行させたという。もう一人は、奥歯の冷水痛による
知覚過敏の症状を訴えた60代の男性。酢の物が大好物で、歯を食いし
ばる癖があった。
「酸にさらされたエナメル質は一時的に柔らかくなるので、摩耗を避ける
ため歯磨きは20~30分後にして、歯の再石灰化を促すようフッ素入り
の歯磨き剤でややソフトにブラッシングしたり、飲食後に水で口をすす
いだりするのもよい。食いしばりなどの癖をやめる方がよい。」 

口呼吸③ 口輪筋 生活の中で鍛錬

口呼吸がすぐに治る方法というものはなく、原因によっては治すのが容易ではないものがあります。例えば、鼻炎などで鼻づまりが続いて起こる口呼吸は、耳鼻科で治療を受ければ大幅に改善することができます。しかし、歯のかみ合わせが問題で口呼吸になっている場合、特に口の周りの筋肉(口輪筋)を緊張させないと口を閉じた状態を続けられないならば、歯の位置を移動させる必要があります。こうした歯の矯正には若年者なら可能ですが、中高年者には難しく、口呼吸を治すのは容易ではありません。誰もが実践できる口呼吸を改善する方法は、口輪筋を鍛えることです。専用の治療器具も市販されていますが、日常生活の中で手軽に口輪筋を鍛錬する方法もあります。まず、食事の際は正しい姿勢で口を閉じたまま、1口30回程度は両側の歯で均等にかんで食べましょう。また、1日2回は口を閉じたまま、15分ほどキシリトールガムをかむことをおすすめします。
           北海道新聞 2011.11.16

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