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口腔ケアは全身疾患の予防につながるのか「分かりやすい発信方法を考えたい」‐河口浩之・広島大学病院革新的病院口腔ケアプロジェクトセンター長に聞く

広島大学病院では、長きにわたり医科と歯科で連携を図ってきた。その連携をより強固なものにするため、2022年6月に「革新的病院口腔ケアプロジェクトセンター」を設立。入院患者にセルフ口腔ケアグッズを配布し疫学調査を実施するなど、全身と口腔の関係についてさまざまな方面からの分析・発信に取り組んでいる。同院革新的病院口腔ケアプロジェクトセンター長の河口浩之氏に、現在の課題や今後の展望について聞いた。(2022年12月9日インタビュー)

歯性感染症が肺の炎症の原因となることがある

敗血症性肺塞栓症は病原体を含む塞栓子が引き起こす稀な血流感染症で、発熱、呼吸困難、胸痛や咳漱などを生じる。原因には注射、カテーテル留置、皮膚軟部組織感染、感染性心内膜炎、血栓性静脈炎、歯性感染症などがある2)3)。敗血症性肺塞栓症の特徴的なCT所見には、30 mm以下の大きさの多発結節、胸膜に隣接した楔状の末梢病変、halo sign、空洞形成、結節中心部への拡張血管の連続(feeding vessel sign)などがある1)3)。

本症例は血液培養で原因菌は同定できなかったが、CT撮影範囲の上端付近で歯周炎(図2)を認めた。歯肉出血の病歴と合わせると、これが感染源と考えられ、抜歯により改善が得られた。撮像して隅々まで確認することで、原因が発見できることもある。

更年期の頭痛について

更年期障害の症状として多く声があがるのが頭痛。
女性では「若い時から頭痛持ち」という方も多いです。
更年期では女性ホルモンのエストロゲンの変動により、頭痛が起きやすくなると言われています。
まずは自分の頭痛はどんなものか?傾向があるか見ていきましょう。

頭痛の種類と特徴
-1- 片頭痛
・ズキズキ脈打つような痛み
・吐き気を催す痛み
・光や音に敏感になる
・寝不足・寝すぎ
・気圧により症状がでる

-2- 緊張型頭痛
・頭部全体がギュゥっと締め付けられるような痛み
・ストレスを感じやすい
・デスクワーク
 長時間同じ姿勢でいる
 首や頭の筋肉の緊張で血流が悪い
・目の使い過ぎ
・肩が凝る

-3- 群発性頭痛
・目がえぐられるような強い痛み
・頭の片方だけに起こる
・一度出ると長時間起こる

頭痛には大きく分けると3つの種類があります。
片頭痛・緊張型頭痛の割合が高く、群発性頭痛は稀。
片頭痛と緊張型頭痛は両方を併発する場合もあります。
その他、熱中症や脳疾患などが頭痛の原因となっていることもあります。

とろみ付き炭酸飲料の「炭酸」に、嚥下改善効果があると判明②

効果検証のため、嚥下内視鏡を挿入した状態でとろみ付き炭酸飲料摂取・状況評価

 研究グループは今回、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸が嚥下に与える効果を検証するため、とろみ付き炭酸飲料と、炭酸を抜いたとろみ付き炭酸飲料摂取時の嚥下動態を比較した。とろみ付き炭酸飲料は、冷却したペットボトル入り炭酸飲料にとろみ剤を添加し、ペットボトルの蓋を閉めて直ちに振り、とろみ剤を混和した後、一晩冷蔵庫で冷却して作製した。比較対象として、炭酸を抜いた同種類の炭酸飲料にも同じ濃度のとろみを付与した(以下、炭酸なしとろみ付き飲料)。

 対象者38人を、先にとろみ付き炭酸飲料を摂取する群と、先に炭酸なしとろみ付き飲料を摂取する群の2群にランダムで割り付け、嚥下内視鏡を挿入した状態で、それぞれの試料を摂取させ、摂取状況を評価した。

 嚥下内視鏡検査(VE)画像より、誤嚥・喉頭侵入を8段階、咽頭残留を5段階で評価した。嚥下反射惹起部位は、VE上で嚥下反射が惹起する直前の食塊先端の位置を5部位に分類し評価した。

とろみ付き炭酸飲料は咽頭残留が減少、嚥下反射も早いタイミングで発生

 その結果、とろみ付き炭酸飲料は炭酸なしとろみ付き飲料と比較して、咽頭残留が減少。また、嚥下反射がより早いタイミングで生じた。

 このことから、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸には嚥下改善効果があることが明らかになった。なお、誤嚥・喉頭侵入は、とろみ付き炭酸飲料と炭酸なしとろみ付き飲料で有意な差は認められなかったとしている。

とろみ付き炭酸飲料が水分で誤嚥する嚥下障害患者の嚥下訓練に有効な可能性

 今回の研究成果により、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸に、嚥下改善効果があることが明らかになった。同知見から、とろみ付き炭酸飲料は、水分で誤嚥する嚥下障害患者の嚥下訓練に有効な可能性があると言える。

とろみ付き炭酸飲料の「炭酸」に、嚥下改善効果があると判明

とろみ付き炭酸飲料中の「炭酸」の効果は不明だった

 東京医科歯科大学は2月1日、誤嚥防止に用いられているとろみ調整食品でとろみを付けた炭酸飲料中の炭酸に、嚥下改善効果があることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原玄教授、中川量晴准教授、吉見佳那子特任助教、齋木章乃大学院生らの研究グループと、国立長寿医療研究センター 老年内科の前田圭介医長との共同研究によるもの。研究成果は、「Scientific Reports」に掲載されている。

 嚥下障害患者は、加齢やさまざまな疾患により嚥下機能が低下する。水分など粘度の低いものは摂取時に一気に咽頭に流入するため、嚥下反射とのタイミングが合わず、誤嚥が生じやすくなる。そのため、一般的に水分にとろみを付与することにより、粘度を増加させることで誤嚥を防ぐという方法がしばしば用いられる。

 近年、炭酸飲料は水分と比較し少量で嚥下反射を惹起させることが可能であること、さらに炭酸飲料摂取時の方が、嚥下反射惹起時間が短縮することが報告されている。これは、炭酸飲料の発泡性が咽頭粘膜を刺激することで、嚥下運動が促進されるためとされており、炭酸飲料には嚥下改善効果があることがわかっている。

 一方、とろみ付き炭酸飲料の嚥下動態への効果を検証した研究はあるものの、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸の効果を検証した研究は報告されていなかった。

命救う力、地域で身につけて 災害に備えて心肺蘇生法など普及を 医師や大学教授らが会発足 神戸

県内の医師や大学教授らが、災害時に命を救える社会づくりを目指す「救命救急・災害時救助防災対策を推進する会」を設立した。西記念ポートアイランドリハビリテーション病院(神戸市中央区)で開かれた発足式で、参加者は「大災害が起きる前に、それぞれの地域で瞬時に対応できる力を身につけよう」と思いを一つにした。

 20年以上にわたり心肺蘇生法(CPR)の普及を続けてきたボランティアグループ「兵庫県心肺蘇生法を広める会」が発展的に解消し、「推進する会」が発足した。気候変動によって風水害などのリスクが高まる中、CPRの普及に加えて災害時の救助防災対策を各地域で進めていくという。

 発足に合わせて開かれた講演会では、インドネシアのハサヌディン大名誉教授フスニ・タンラ医師(80)が、各国との学術交流や日本からの救急車寄贈など、インドネシアでの救命救急に関わる活動について説明した。

 インドネシアは近年、多くの地震、津波災害に見舞われる中で「助け合いの精神を日本から教えてもらった」とし、国民の防災意識が変化していることにも言及。「災害時に、現地のニーズを把握して素早くボランティアらを取りまとめてくれる調整役が必要だ」と提案した。

 「推進する会」の会長には、同病院の院長で、兵庫県立大大学院特任教授の小澤修一さん(77)が就任。救命救急医として阪神・淡路大震災を経験し、県災害医療センターの立ち上げにも構想段階から関わってきた小澤さんは「どんな災害が来ても支え合えるよう、官民が連携し、命を救える地域づくりを実現したい」と意気込みを語った。

後期高齢者の歯科受診は全身疾患による入院発生の予防効果あり!

 2022年12月13日にArchives of Gerontology and Geriatricsに掲載された研究によるもので-山田宏のデンタルマガジン・Evidence Check!-に報告された。

[研究のポイント]
☆北海道に在住する後期高齢者約80万人のうち、ベースライン期間(2016年9月から2017年2月)に医療機関を受診した約75万人を対象者とした。
☆ベースライン期間に入院経験があった者や在宅医療を利用していた者、要介護認定があった者などを除いた432,292名分のレセプトデータを分析に用いた。
☆歯科受診があった者と、歯科受診がなかった者の特性(性別や年齢、医療費自己負担割合、疾患、健康診断受診の有無、地域)を均等にするため、傾向スコアマッチング法を用いた
☆2年間の追跡期間(2017年3月から2019年3月)とした。
☆歯科受診がなかった者に比べて、歯科受診があった者では、肺炎と脳卒中発作、尿路感染症による入院の発生割合が低かった。
☆歯科受診がなかった場合に比べると歯科受診があった場合に、急性期の入院発生は、肺炎で15%、脳卒中発作で5%、尿路感染症で13%の抑制効果が認められた。
https://doi.org/10.1016/j.archger.2022.104876

新型コロナ・オミクロン株 爆発的感染の原因を解明か

オミクロン株に感染した人の唾液の中には、従来株の感染者に比べて、遠くへ長時間飛びやすい状態の新型コロナウイルスが多量に含まれていることを、日本大学などの研究チームが突き止めた。

 新型コロナウイルスのオミクロン株が爆発的に感染拡大する理由は、宿主細胞の内外に付随していない裸のウイルス(セルフリーウイルス)の唾液中の多さにある。日本大学歯学部感染症免疫学講座の今井健一 教授らは、とても小さく唾液に覆われた状態でも室内に長時間漂うセルフリーウイルスが、変異を起こす前の従来株やデルタ株と比べてオミクロン株患者の唾液中に多く排出されていることを世界で初めて発見。エアロゾル感染がこれまでの株以上に広がりやすいことから、改めて歯科診療所での換気の大切さを強調している。


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