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フーセンガムトレーニングで、咀嚼能力、口唇閉鎖不全、いびきなどが改善

近年、歯応えのある食物を噛めない、上手に飲み込めないといった子どもが増加しており、2018年に口腔機能発達不全症の管理が保険収載されるなど、口の発達の重要性が高まるばかりだ。特に、口唇閉鎖不全、通称お口ポカンは、むし歯や歯周病、鼻閉、アレルギー、歯並びの悪化など様々なトラブルの要因となっている。
 このような中、山口県歯科医師会とロッテは口腔機能の向上を目指し、山口県内44園の年長園児約1300名を対象に、園や家庭でのフーセンガムトレーニングを実施。咀嚼チェックガムを用いて、「唾液の量」、「咬み合わせの面積」、「舌の力」、「唇・舌・顎関節の運動機能」などの複合的な因子で総合的に咀嚼能力を評価したところ、2ヶ月のトレーニングによる改善率が58.6%に達した。

クロルヘキシジン配合マウスウオッシュを用いたうがいで2型糖尿病患者の病態が改善。

歯周病は糖尿病の主要な合併症の一つに歯周病があり、相互に悪影響を及ぼすことが知られている。歯科医院での歯周病治療により、糖尿病患者の血糖コントロール状態が改善されることも周知の通りだ。
 そんな中、大阪大学大学院歯学研究科口腔全身連関学共同研究講座の仲野和彦教授らの研究グループが、2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合マウスウオッシュを用いてうがいを行うことで、口腔内に存在する悪性度の高い歯周病菌種が減少
 するとともに、血糖コントロール状態が改善することを明らかにした。

百歳以上、9万5119人 54年連続増、女性が88% 最高齢は116歳、厚労省

敬老の日」(今年は16日)に合わせ、厚生労働省は17日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万5119人になったと発表した。昨年から2980人増え54年連続で増加。全体のうち女性が8万3958人と88・3%を占めた。男性は1万1161人。最高齢は兵庫県芦屋市の116歳女性だった。

 老人福祉法で「老人の日」と定めた9月15日時点で100歳以上の高齢者の数を、1日時点の住民基本台帳を基に集計した。昨年からの増加数は男性が625人、女性は2355人。2024年度中に100歳になる人の人数は4万7888人(前年度比781人増)だった。

 女性の最高齢は芦屋市の糸岡富子(いとおか・とみこ)さんで、1908(明治41)年5月23日生まれの116歳。男性は静岡県磐田市の水野清隆(みずの・きよたか)さんで、1914(大正3)年3月14日生まれの110歳。

 人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は76・49人。都道府県別では島根が12年連続最多で159・54人。次いで高知が154・20人、鹿児島が130・73人だった。埼玉が45・81人で最も少なかった。

 100歳以上の高齢者は調査を始めた63年は153人で、81年に千人を突破。98年に1万人を超えた。

 厚労省によると、23年の日本人の平均寿命は女性が87・14歳、男性が81・09歳となり、3年ぶりに延びた。新型コロナウイルス感染症による死亡数が減少したことなどが影響したとみられる。

小林製薬「糸ようじ」など販売休止 歯科医師会の推薦取り消しで

小林製薬は13日、「糸ようじ」など3製品の販売を休止し、店頭在庫などの回収を行うと発表した。8月29日に日本歯科医師会からの推薦が取り消され、パッケージにあった「日本歯科医師会推薦」の表示をなくす必要があるためという。

 対象は「糸ようじ」のほか、「やわらか歯間ブラシ」、マウスピース洗浄剤「ピースクリン」(表示がない一部を除く)。安全性に問題はないとしている。

内田愛媛大教授らモンゴルで医療支援 治療受けにくい地方都市で手術

愛媛大医学系研究科口腔顎(こうくうがく)顔面外科学講座の内田大亮教授(54)らが今夏、モンゴルの地方都市で医療支援に取り組み、生まれつき唇が割れているなどの口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)の子どもらの診察や手術をした。内田教授はモンゴルでは首都以外で十分な治療を受けるのは難しいとし「地方の患者や、技術を学ぶ医師のためにも支援を継続したい」と話している。

 モンゴルでの医療支援は、日本口唇口蓋裂協会(名古屋市)が2007年から実施しており、愛媛大として今年初めて参加。内田教授ら3人が7月上旬の3日間、独協医科大(栃木県)のチームと共に首都ウランバートルの東約600キロにあるドルノド県チョイバルサン市で活動した。

 現地の県立病院で、33人を診察し、22人を手術した。同病院には必要な医療スタッフがそろっていないため、通常は口唇口蓋裂の治療は行っておらず、患者の家族や現地スタッフからは何度もお辞儀をされ、感謝されたという。

 術後管理への不安から短期訪問ではできない手術もあり、内田教授は現地医師の技術向上をはじめとした医療提供体制の構築が課題と指摘。「モンゴルの患者が成人になって笑顔になれるよう取り組んでいきたい」と述べた。

健康保険証、予定通り廃止 厚労相、総裁選で見直し論

武見敬三厚生労働相は10日の記者会見で、自民党総裁選の一部候補が見直しを提起した現行の健康保険証の廃止期限に関し、予定通り12月2日に廃止する考えを示した。「政府方針に変わりはない」と述べた。

 健康保険証の廃止期限を巡り、自民党総裁選に立候補を表明している林芳正官房長官が見直しを検討すると言及。廃止を主導してきた河野太郎デジタル相は「真意を確認しなければならない」とけん制し、争点の一つとなっている。

 河野氏も10日の会見で「政府として従来の方針に何ら変わりはない」と強調した。

 武見氏は、林氏の見直し論について「総裁選に向けた個人の考えだ」と指摘し、直接の評価は避けた。閣内不一致ではないかとの質問には「閣僚同士の閣内における方針は全く揺るぎない」と語った。

 総裁選では、石破茂元幹事長が廃止期限の見直し論に賛同。小林鷹之前経済安全保障担当相は期限延長を否定している。

 現行の保険証は12月2日以降、新規発行されなくなる。政府はマイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化する方針。マイナ保険証の7月の利用率は11・13%と低迷している。医療現場の一部からは「高齢者にとって使い慣れた保険証を残してほしい」との声が出ている。

石破氏、保険証廃止の先送り「選択肢として当然」 総裁選の争点に

 マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行をめぐり、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明している石破茂元幹事長(67)は8日、政府が今年12月とする健康保険証の廃止時期について、先送りも検討するべきだとの考えを示した。東京都内で記者団の取材に答えた。総裁選の争点の一つになりそうだ。

 石破氏は、政府方針に対する国民理解を広める重要性を指摘したうえで、「納得していない人、困っている人がいっぱいいる状況があったとすれば、(従来の保険証との)併用も考えるのは選択肢として当然だ」と語った。

 同じく総裁選に立候補を表明している林芳正官房長官(63)が7日に「不安の声に応え、必要な見直しをしっかり行いたい」と主張。石破氏は林氏に賛同する姿勢を示した。

 しかし、マイナンバー制度を所管する河野太郎デジタル相(61)は、3日の閣議後記者会見で「12月2日からマイナンバーカード保険証を基本とするシステムに移行する方針に変わりはない」と強調。総裁選の立候補予定者のなかでも考えが割れている。

 一方、拙速なマイナ保険証への切り替えに慎重姿勢を示してきた立憲民主党の泉健太代表は8日、福岡市内での街頭演説で「立憲の言っていたことはやはり正しかった。(自民は)立憲の周回遅れを走っている」と指摘した。

口唇口蓋裂、子どもにどう伝える?「親の会」が初の講演会、悩みを共有 7日に那覇・赤十字病院で

上唇や口の中に亀裂が生じた状態で生まれた子どもをもつ親の悩みに応える「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)講演会」が7日午前10時~11時半、那覇市与儀の沖縄赤十字病院で開かれる。病気について子どもにどう伝えるかなど、親子の支援プログラムを構築している川崎医療福祉大学の高尾佳代助教と、同病院の西原一秀歯科口腔外科部長が語る。

 口唇口蓋裂の原因は不明で、日本では新生児500人に1人が発症するという。授乳や食事、発音に支障をきたすが、適切な時期に治療を受ければ、通常の社会生活を送ることができるという。

 講演会は「沖縄口唇口蓋裂親の会オパールズ」が初めて主催する。同会は、孤立しがちな親同士が支え合おうと、2022年に発足。約50家族が会員となり、交流会を年2回開いている。より多くの当事者との出会いの機会を設けようと、講演会を開くことにした。

 子どもに病気の説明を、いつ、どうするか親は悩むという。子どもにとっては小学校入学や、5~6歳で行う鼻の修正手術などが知りたいタイミングといい、講演会で具体的な例を紹介する。

 同会代表のイーブリングゆう子さんは「私も含め、ほとんどの親が出産を前に初めて口唇口蓋裂を知り『なぜ自分だけ』と思ってしまう。親同士で話せば、一人で抱えていた悩みが軽くなる」と参加を呼びかける。

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