記事一覧

妊娠中の歯科治療 エックス線への心配不要

一般の歯科治療でのエックス線の放射線量は、通常の生活をしていて1年間に人体が浴びる自然放射線量と比べても微量であり、胎児への影響は無視できるレベルです。従って正しい診断・治療のために必要最小限のエックス線撮影をすることに心配する必要はありません。内服薬については、基本的に妊娠中、特に妊娠初期は胎児の器官が形成される時期であるため、使用しないことが望まれます。ただし、薬を使用しないことで母体に悪影響があると考えられる場合(腫れて痛みがひどいようなとき)には、胎児への影響が少ない薬剤を内服して症状の改善を優先させることも考えます。
            福島民友 2011年3月11日

酸性の飲食物で歯に穴

飲食物などに含まれる酸により、歯の表面が溶けてしまう「酸蝕歯」。進行すると冷たいものが歯にしみる知覚過敏や、虫歯のような痛みを引き起こす。原因となる酸性飲食物は、炭酸飲料やかんきつ類など、私たちの食生活に深く根付いた身近なものばかり。予防には、食生活の習慣を見直して、過剰摂取や不適切な飲み方、食べ方を改めることが大切だ。対策として①酸性飲食物の摂取後は水やお茶で口をすすぐ ②軟化した歯が削れるのを防ぐため、摂取後30分は歯磨きを控える ③デンタルガムやフッ素入りの歯磨き剤で歯質を強化する。
            毎日新聞 2011年3月4日

日歯、被災地訪問し意見交換 ”最大限の支援”を約束

日歯の大久保満男会長と村上恵一専務理事、柳川忠廣常務理事は4月7日(木)~10日(日)の4日間、高木幹正日歯連盟会長とともに東北地方太平洋沖地震で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島各県の被災地を訪ね、被災地区会員を激励した他、意見交換等で状況把握に努め、最大限の支援を行っていくことを約束した。
       日歯広報 4月15日 1530号

舌痛症の診断・対応

舌通症はいわゆる口腔内科的疾患で、ドライマウスに次いで、多い疾患である。広義には舌が痛いという症状があれば舌痛症ということになるが、近年、原因不明でいわゆる心因性のものを1次性とし、原因が明らかなものを2次性とすることが提唱され広く受け入れられつつある。2次性の原因として最も多いものが、カンジダ菌の増殖である。カンジダ菌の増殖による舌痛では、通常のスワブ検査によりカンジダ菌の検出されないことが多く、肉眼所見やカンジダ検査所見で1次性と誤って診断のされてしまうこともある。また、カンジダ菌の増殖がストレスにより誘導されることから、基本的には1次性の舌痛症であっても、カンジダ菌の増殖が症状を悪化させていることも少なくない。これらのことから、舌痛を訴えてきた患者には、治療的診断として、まず抗真菌剤によるカンジダ菌の除去を行い、改めて1次性か2次性かを再考する必要がある。明らかな2次性舌痛症の場合には、原因の除去により症状の改善を目指すことが鉄則であるが、1次性と診断された場合には、100%の治療というものがないために、症状の改善には複数の治療法の試みや併用などの工夫が必要である。1次性舌痛症の治療とした様々な方法が試みられてきたが、治療効果のエビデンスが示されているものに、薬物療法として、抗うつ剤、aリポ酸、カプサイシン製剤、漢方薬などの投与、心理療法として認知行動療法がある。抗うつ剤、特にSSRIやSNRIによる薬物療法と認知行動療法は、高いエビデンスレベルが実証されてきているが、他の治療法は有効性のエビデンスが否定している報告が多く、必ずしも信頼できる治療法とは言いがたい。抗うつ剤の処方は、薬物の選択から始まり、副作用に関する問題、薬物の中止について一定の知識や臨床経験が必要であり、認知行動療法もある程度熱練が必要であることから、日常に歯科臨床での対応には困難の伴うことも少なくない。そこで、姑息的ではあるが、舌痛の緩和に有効なものにスプリント療法がある。舌痛症患者の多くに食いしばりがみられることから、その症状の緩和に有効であるのみならず、とりあえずスプリントを装着しておくと痛みを感じないという患者が多い。このことは、痛みを感じる付近の触覚を刺激すると痛みが分散されるという心理学的理論(ゲートコントロール理論)によってある程度説明できるものと思われる。これらの治療や対処の前に、1次性舌痛症では、心理社会的な問題をかかえている患者が多いことと、痛みが第3者に理解されないということにフラストレーションを抱えた患者が多いことから、心身医学療法の基本である、支持的精神療法を行うべきであろう。支持的精神療法は「受容」「支持」「保証」からなっているものであるが、医療面接の基本的態度である「受容」「共感的態度」が基になっている。すなわち、1次舌痛症では、まず、患者の話をじっくり聞くことで症状の緩和をみる例の多いことも理解しておくべきだろう。

肺炎患者が増加傾向に 「マスクと歯磨きを」

石巻赤十字病院(宮城県石巻市)で東日本大震災後、肺炎で入院した患者が昨年同期比5~6倍の約150人に上り、このうち少なくとも11人が死亡したことが19日、病院への取材で分かった。

 粉じんや乾いたヘドロから舞う化学物質が原因とされる肺炎や誤嚥(ごえん)性肺炎が増えているとみられ、矢内勝(やない・まさる)・呼吸器内科部長は「外出時は必ずマスクをつけ、食後は歯磨きやうがいをして口の中をきれいにしてほしい」と呼び掛けている。

 同病院よると、震災当初は、津波をかぶったことによる低体温症が原因の肺炎や、飲み込んだ海水が肺に入り炎症を起こす「津波肺」の患者が多かった。

 誤嚥性肺炎は寝ている間に飲み込む唾液の一部が口の中の雑菌とともに気管支に入り発症するケースがあり、震災1週間後ぐらいから、空せきや、たんがからんだようなせきをする患者が増えた。特に高齢者の患者が多く、同病院は避難所生活による体力低下も影響しているとみている。

 矢内部長は「詳しい原因は調べてみないと分からないが、避難所では歯磨きするのも難しいところがあり、口の中が汚れがち。さらに寝ている時間が長くなるため、雑菌の多い唾液が肺に流れ込む可能性が高くなる」と分析する。

 肺炎患者は、津波被害の大きかった沿岸部の気仙沼市立病院(宮城県気仙沼市)や岩手県立宮古病院(岩手県宮古市)でも増加しており、東北大の貫和敏博(ぬきわ・としひろ)教授(呼吸器内科)は「高齢者は糖尿病や心臓疾患などの持病がある人が多く、肺炎を併発する危険性が高いので注意が必要だ」としている。

インプラントで実用化にめど 幹細胞で顎の骨再生

骨髄の幹細胞を移植して顎骨(顎の骨)を再生する臨床研究に取り組んでいる松本歯科大(塩尻市)などの研究チームは、移植後に調べた3人で、インプラント(人工歯根)を打ち込めるまで顎骨が再生したことを、日本再生医療学会で報告した。従来の方法よりも、骨の再生が早く、インプラントの安定性も高いことが分かり、実用化にめどが付いたという。研究チームは今後、さらに一歩進めて、歯を直接支えている歯槽骨を再生する臨床研究に取り組む計画だ。
           信濃毎日新聞 2011年3月11日

経鼻内視鏡の挿入が上手くいかないときはどうする?

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近年、上部消化管検査に経鼻内視鏡を使用する医療機関が増えてきている。従来の経口内視鏡に比べて、苦痛が少ないことから患者の人気は高いが、挿入時に患者が抵抗を感じたり、鼻出血を起こす場合もある。では、経鼻内視鏡の挿入がスムーズにいかないときに、現場の医師はどうしているのだろうか。

 MedPeerが同社のサービスを利用する一般外科、消化器内科、消化器外科の医師を対象に実施したインターネットアンケートによると、「反対側の鼻孔で再施行する」と「別の方法にする」がともに4割強で、ほぼ同率であることが分かった。

 最も多い回答は、「いったん内視鏡を抜去し、改めて前処置の上反対の鼻孔から再挿入する」で42.1%。「経鼻内視鏡を希望するだけの理由があると思うので、反対側の挿入を試みる」(30代、消化器内科)、「苦痛が少ないことを患者も期待していると思うし、鼻中湾曲が強い事例では、反対側が安全に挿入できる場合も少なからずある」(50代、消化器内科)など、「経鼻内視鏡を希望する患者の気持ちに応えたい」という思いから、反対側の鼻孔で検査するという医師が多かった。

 これらに対し、「あきらめて別の方法にする」との回答の合計は45.8%。このうち、「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き極細径内視鏡を経口的に使用する」は27.1%、「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き通常内視鏡を施行する」は18.7%だった。

 「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き極細径内視鏡を経口的に使用する」という医師からは、「反対側の前処置に時間を割くことを考えると、簡単な麻酔をして経口でさっさと検査を済ませたい」(40代、消化器内科)、「極細径内視鏡を経口で使用する。通常のものに比べれば、苦痛は少ないようだ」(30代、消化器外科)といったコメントが寄せられた。

 「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き通常内視鏡を施行する」という医師のコメントには、「本人の希望にもよるが、あまり無理をしない方針にしている。当院では、細径の内視鏡は解像度が悪いので、経口内視鏡を勧めている」(30代、一般内科)、「無理をして鼻出血などの合併症を起こしては、経鼻内視鏡の意味がない。経口に変更する」(40代、一般外科)などが見られた。

 「後日再検査とする」は1.7%とごくわずかで、患者に再度の来院という負担をかけたくないと考える医師が多いようだ。

歯周ケア普及歯科健診

内容  歯周病検査、歯周病の予防・改善指導
 場所  同健診の実施医療機関
     ※各支所・公民館等で配布しているチラシやHP健康推進課の「歯の健康情報」
      に掲載。受診する場合は、事前に医療機関に申込みが必要。
 対象  平成23年度中に満30・40・50・60・70歳になる方、または同年中     に満30・40・50・60・70歳だった方で、職場等で歯科健診を受ける     機会がない市民(治療中の方は対象になりません)
 料金  500円(70歳の方は無料。その他の方も免除制度あり)
 持ち物 住所・氏名・生年月日が確認できる物
 他   健診後、精密検査や治療が必要な場合は、保険診療の対象になります
 詳   健康推進課 ℡25-6315

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