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「何でもやれるという覚悟を」- 東京都歯科医師会 山崎・竹下歯科医師

未曽有の被害と犠牲をもたらした東日本大震災。沿岸部では多くの人が大津波に巻き込まれ、震災の発生当初から身元の分からない遺体が多数収容された。こうした事態を受けて日本歯科医師会は、早い段階で検視への協力に名乗りを上げ、全国の歯科医師会に対し、現地で検視に当たることのできる会員の出動を要請。4月15日現在で、延べ1488人の歯科医師が、身元確認作業のため被災地に入った。

蓄のう症⑤ 虫歯や真菌が原因の場合も

歯性上顎洞炎のように、顔の片側だけで起こる蓄のう症には、カビの一種である真菌の感染が原因になっていたり、悪性腫瘍(上顎洞がん)が見つかるケースもある。真菌が空洞(副鼻腔)内で異常増殖した場合には手術が必要だが、鼻の中から内視鏡を使って除去することが可能だ。特殊な蓄のう症としては他に、飛行機に搭乗中、機内の圧力の変化に空洞の変化が対応できずに起こる「航空性副鼻腔炎」などがある。蓄のう症による炎症が、目に波及する場合もある。特に、両目の間にある空洞(し骨洞)と、眼球の入ったくぼみ(眼窩)を隔てる壁は紙のように薄く、炎症が広がりやすい。物が二重に見えたり、目が腫れたりしたら、一刻も早い受診が必要だ。
           毎日新聞 2011年3月11日

こども歯みがき教室

内容 講話、個別歯磨き指導
 日時 4月25日(月) 
●午後1時から ●午後2時30分から
 場所 健康相談室(第二庁舎3階)
 対象 3歳以下の乳幼児と保護者
 定員 各回6組
 申込 健康推進課 ℡25-631

6月4日~10日は歯の衛生週間 親子のよい歯のコンクール

日時・場所 ●1次審査=保健所歯科診察室(第二庁舎3階)
        4月21日(木)
        4月27日(水)
        4月28日(木)
        5月 6日(金)  午後3時30分~4時30分
        5月10日(火)
        5月11日(水)
        5月12日(木)

        4月23日(土)
        5月15日(日)  午後1時~3時

       ●最終審査=6月4日(土) 大雪アリーナ(神楽4の7)

 対象   平成22年4月1日~同23年3月31日に3歳児健康診査を受診した幼児      と保護者
 申込   健康推進課 ℡25-6315

被災地に歯科診療所 岡田幹事長に要請

日本歯科医師会の大久保満男会長は13日、民主党の岡田克也幹事長を国会内に訪ね、東日本大震災で歯科診療所が大きな被害を受けた岩手県の陸前高田市や大槌町に、仮設診療所を設置するよう要請した。

 長期の避難所生活で口腔(こうくう)内を不衛生にしていると肺炎を引き起こす危険性があると指摘。応急治療や口腔ケアを実施するための財政支援も求めた。岡田氏は「非常に重要な問題だ」と検討する考えを示した。

障害者施設の利用費免除 東日本大震災で

厚生労働省は13日までに、東日本大震災被災地の障害者施設や知的障害児施設の入所者に対し、利用者負担額全額を免除し、食費や光熱水費を減免することを決めた。

 障害者自立支援法や児童福祉法を改正する。介護保険施設の食費や居住費についても減免措置を行う。

口腔粘膜の前癌病変と早期癌

旭川赤十字病院 歯科口腔外科 池畑正宏

口腔顔面領域における悪性腫瘍の臨床的特徴と口腔に限らず全身における癌の発生率について述べる。
 ・口腔顔面領域の癌腫は全癌腫の1%程度にすぎず、その80~90%は扁平上皮癌で  ある。
 ・性別は2:1で男性に多い。
 ・口腔扁平上皮癌の初期は臨床症状に乏しく、疼痛を伴わないことが多い。
 ・進行すると周囲に堤防状隆起と硬結を伴う、無痛性潰瘍を形成する。
 ・腫瘍細胞が神経浸潤した場合や末期には癌特有の癌性疼痛を生じる。
 ・リンパ行性転移を伴うことが多く、呼吸器(肺)や肝臓、骨への転移が多い。
 ・舌癌、歯肉癌、頬粘膜癌、上顎(洞)癌、口底癌の順で多い。人口10万人あたり口  腔・咽頭癌の発生率は長年あまり変化なく、5.3人程度である。
近年、ビスホスホネート投与患者の顎骨壊死についての報告が数多く聞かれるようになって来た。ビスホスホネートは骨粗鬆症や悪性腫瘍の患者に投与されており、作用機序、薬物学的特徴は別紙にて説明する。発生頻度は経口と注射では差があるものの、0.1~10%の範囲内である。顎骨壊死の治療については次のとおりである。
 ・顎骨壊死の有効な治療法はまだ確立されていない
 ・壊死組織の除去、露出骨の粘膜弁による被覆、露出骨縁の除去等はむしろ逆効果?   (保存的療法が無効の際に限られる)
 ・放射線骨壊死に有効な高圧酸素療法もビスホスホネート誘発骨壊死に有効との知見は  ない。
 ・休薬、または中止は効果ない?最近は中止を勧めている。
 ・腐骨を形成することは少ない。

歯科における観血的処置の種類とPT-INR

観血的処置のうち高頻度治療である抜歯においては、広く抗血栓療法継続下での処置が望ましいということが浸透してきている。しかし、歯科における他の観血的処置に関しては抗血栓療法中の患者をどうすべきか共通の認識がないのが現状である。JADAにて特にワルファリン療法中の患者の歯科治療に関して、PT-INRと歯科治療の種類の関係が報告されている。歯科治療のうち、印象採得、予防処置、歯内療法、保存修復処置、スケーリング、ルートプレーニング、普通抜歯、多数歯抜歯および1本の埋伏抜歯は、PT-INR<3.5(日本での治療域設定と異なる)であれば施行可能としている。PT-INR<2.5であるならば、歯肉切除術、歯根端切除術、少数歯のフラップ手術および1本のデンタルインプラントの埋入が可能とされている。歯周治療においては、歯周炎、歯肉炎の進行度により出血の可能性が増加するため、PT-INR<2.5であれば処置可能としている。止血に関しては健常人以上に注意をしなければいけないといえる。特に、処置に際しては愛護的に行うことで組織の挫滅させないよう、また侵襲を少なくするよう常に心掛けることが大切であるといえる。圧迫止血、縫合は基本であるが、エピネフリン、ゼラチンスポンジ、アテロコラーゲン等の局所止血剤の使用、止血シーネの併用によっても創部の被覆、圧迫がより確実となり、高い止血効果が得られる。適切な止血処置は持続性出血、後出血の危険性を回避につながる。

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