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AED設置率、公共施設で95.9% 群馬県調査「今後は使い方周知を」

心肺停止状態で倒れた人に電気ショックを与えて蘇生させるAED(自動体外式除細動器)の公共施設設置率が、県内では95・9%に上っていることが県のまとめで分かった。県は「今後は使い方の周知に力を入れたい」と話している。

 調査は35市町村にアンケートで実施。県と各市町村がAEDの設置が必要と判断した計1668施設(10年6月1日現在)での設置状況をまとめた。その結果、95・9%にあたる1599施設が設置済みで、25市町村では設置率100%を達成していた。

 AEDの設置台数は計1785台で、施設別では▽小中高などの公立学校927台▽文化会館や図書館などの公的施設537台▽公民館148台▽市役所などの行政庁舎135台▽博物館23台--など。県が把握している1年間(09年6月から10年5月)の使用実績は7件だった。

 AEDは04年から、緊急時に一般市民も使用できるようになり急速に普及した。総務省消防庁が09年に公表した調査結果では、AEDで救命措置を受けた人の1カ月後の生存率は42・5%で、受けなかった人の9・7%を大きく上回った。
2011年1月16日 提供:毎日新聞社

アルツハイマー病患者が20年には167万人、市場規模は2900億円に

市場調査を手掛けるシード・プランニング(東京都台東区)がこのほどまとめた調査結果によると、2020年に国内のアルツハイマー病の患者数は167万人に上り、アルツハイマー病治療薬の市場規模は2900億円に達する可能性があるという。
患者数を厚生労働省のデータなどから推計すると、10年に116万人、15年に142万人、20年に167万人、25年に220万人になるという。現時点でアルツハイマー病には、予防法や根本的な治療法がないため、高齢化に伴い患者数は増加。また、アルツハイマー病に移行する軽度認知障害の診断技術などの開発が今後10年前後で進み、早期患者が治療対象に加わると、20年以降、患者数は大きく増加することが予想されるとしている。

 一方、治療薬の市場規模は10年に1090億円、15年に1600億円、20年に2900億円になるという。11年以降に、メマンチン(第一三共)、ガランタミン(ヤンセンファーマ)や、リバスチグミン(ノバルティスファーマと小野薬品工業)の処方が始まれば、現在副作用などで治療を中断している患者への処方や併用療法が進むほか、15年以降にはアルツハイマー病治療薬として抗体医薬品が国内で上市される可能性があり、こうした新薬の登場が市場を拡大させるとしている。
( 2011年01月05日 20:56 キャリアブレイン )

歯周病が引き起こす病気のリスク 心筋梗塞や脳梗塞のリスク数倍にアップ

炎症物質が血管内皮に炎症を引き起こし、動脈硬化を進行させることが知られている。そのため重度の歯周病を持つ人はそうでない人に比べて心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが約2~3倍近く高くなるという研究報告もある。また65歳過ぎの高齢者に急増する肺炎の多くは、口内に大量に繁殖した歯周病菌の混じった唾液が気管に入ってしまうことで起きる(誤嚥性肺炎だ)。がん、心疾患、脳血管疾患に次いで死因の第4位を占めているから、まさに歯周病対策が寿命を左右するといっても過言でない。
                   夕刊フジ 2010.11.30

単発の浅い潰瘍、うがいと薬で対応 口内炎/2

アフタ(浅い潰瘍)が単発的にできる口内炎(孤立性アフタ)の多くは原因が不明で、確立された予防法はない。山村幸江・東京女子医科大講師(耳鼻咽喉(いんこう)科)によると、孤立性アフタの多くは、何も治療をしなくても、1週間から10日程度で治る。ただし、数日間は舌や食べ物などが患部に当たると強い痛みがある。自分でできるケアは「アフタのある場所をできるだけ刺激しないことと、口の中を清潔にすること」(山村さん)。しみて歯磨きができないときは、うがいだけでもする。汚れを洗い流すことが目的なので、必ずしもうがい薬を使う必要はない。うがい薬や冷たい水道水がしみる場合は、ぬるま湯を使う。

 併せて、市販のアフタ用の軟膏(なんこう)や貼り薬を使い、炎症を抑えるとともに、アフタ表面を保護して食べ物などをしみにくくする。うがいなどで患部を清潔にしたうえで、毎食後と寝る前に綿棒を使って塗るといい。

 山村さんは「2週間程度たっても症状が改善しないと、医療機関を受診した方がいい」と話す。虫歯治療のかぶせ物などが常時炎症部分に当たり治りにくくなっている場合もある。医療機関では軟膏、口の中に噴霧するタイプのステロイド薬、重症の場合は痛み止めの飲み薬が処方されることもある。

 決まった場所ではなく、あちこちに頻繁にアフタができる人は全身の病気も疑われるが、「アフタの多発」というだけで、明確な診断がつかないことも多い。だが、例えば、睡眠が十分に取れないとき、女性の場合は生理周期によって決まった時期にできる人もいる。発症しやすい状況を確認しておくと、生活習慣の改善によって予防につながる可能性がある。

全身の健康状態のバロメーター 口内炎/1

口内炎が痛くて食事も満足にできないなどの経験のある人は多いだろう。激しい痛みの割には1週間程度で治るものが大半だが、舌がんなど深刻な病気が隠れていることもある。

 口内炎は、口の中の粘膜の炎

症一般を指す言葉で、症状や原因はさまざまだ。主な症状には、潰瘍・びらん(浅い潰瘍)▽水疱(すいほう)(水ぶくれ)▽紅斑(盛り上がらずに赤くなっているもの)▽白斑▽血腫--などがある。

 口内炎で多くの人が想像する状態は「アフタ」と呼ばれ、浅い潰瘍の一種だ。多くは直径1~2センチ未満で、口の粘膜の表面の細胞がなくなって中心が白っぽく見える。その周辺は炎症が起こって赤い。食べ物などが患部に触れると、灼熱(しゃくねつ)感と呼ばれる激痛が走る。

 山根源之・東京歯科大教授(歯科・口腔(こうくう)外科)によると、口の中は、話したり食べ物を処理する役割を担うためとても柔軟にできている。ほおの内側の粘膜の厚さは0・5ミリ程度。抗菌物質を含んだ唾液に覆われているうえ、表面に近い場所に毛細血管がたくさんあり、栄養分が頻繁に供給されるので、体の他の部位より傷は治りやすい。

 一方、目や鼻の粘膜と同じく非常にデリケートで、ウイルスに感染したり、全身に異常があるとすぐ影響が出る。高齢者や免疫力の低下した人は、カビの一種のカンジダが原因で、口の中に白いこけのようなものができることがある(口腔カンジダ症)。風邪をひいたり疲労がたまるとアフタができやすい人もいる。山根さんは「口の中の症状は全身状態のバロメーター。口内炎ができたら、体のほかの場所に異常はないか、偏った食生活をしていなかったかなど、健康状態を見直すことが重要だ」と話す。
2011年1月10日 提供:毎日新聞社

歯科情報のDB化目指す 災害時の身元確認に備え 「一刻も早く遺族へ」「大震災16年」

指紋やDNAと並んで身元の確認に有力な歯科情報をデータベース(DB)化し身元確認の新しい制度をつくろうと、歯を鑑定する警察歯科医らが取り組んでいる。1995年の阪神大震災でも多くの歯科医が身元確認に奔走したが、大半が手作業だった。今後の大規模災害などに備え、身元確認の迅速化を目指す。

 ▽金歯から特定

 95年1月25日、阪神大震災発生から約1週間後の王子剣道場=神戸市灘区。警察歯科医だった住谷道夫(すみたに・みちお)さん(69)は12人の遺体を調べていた。カルテやエックス線写真のない50代男性は1枚のスナップ写真が手掛かりに。遺体の前歯に金歯を発見、写真の中で笑う男性の金歯をルーペで見て同一と確認し同じ男性と断定した。

 阪神大震災では、兵庫県警察歯科医会の歯科医延べ159人が実質約10日間で68人の身元を明らかにした。住谷さんは「故人の尊厳を守るのが身元確認。一刻も早く遺族に返したかった」と振り返る。

 ▽PCで自動照合

 85年の日航ジャンボ機墜落事故で亡父が身元確認に尽力した群馬県高崎市の歯科医小菅栄子(こすげ・えいこ)さんは2007年、東北大の青木孝文(あおき・たかふみ)教授(情報工学)と協力し歯のエックス線写真を利用した身元確認システムを開発した。

 同事故で全員の身元判明に要した日数は約3カ月。大規模災害に備え手作業では膨大な時間がかかる危機感が開発の背景にある。

 生前に撮影した歯のエックス線写真と遺体の写真をパソコンで自動照合する仕組みで、現在、歯科情報をDB化する必要性を各地で訴えている。

 小菅さんは「昼間に大地震が起きデパートなどが倒壊すれば、身元確認は阪神大震災の時よりも困難。社会の財産として歯科情報の集約が必要だ」と強調した。

 ▽個人情報の壁

 生前の歯科情報のDB化へ向け、大きな課題は個人情報保護法の壁。日本歯科医師会の柳川忠広(やながわ・ただひろ)常務理事は「実現には法改正が必要」とした上で「死因究明制度も含め国民的理解が得られる形で議論したい」と話す。

 警察庁の死因究明制度の在り方を検討する研究会も10年7月の中間とりまとめで「身元確認迅速化のため、歯科所見のDB化の実現が望ましい」と記載、実現への機運が高まりつつある。

※警察歯科医

 警察と協力し遺体の身元確認に取り組む歯科医。歯の治療痕などを調べ、推定される人物の通う歯科医に照会、エックス線写真など歯科情報と照らし異同識別する。治療痕や歯型は万人不同で、歯は死後の変化が少ないため、焼死体でも身元が分かるケースが多い。520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故では、損傷した遺体の身元が歯の鑑定で特定されたケースも多く、歯科所見の重要性があらためて認識された。
2011年1月14日 提供:共同通信社

「24時間訪問ケア」を考える(4)―利用者にとって―

午後10時。神奈川県伊勢原市の夜間ヘルパーステーション「絆」に非常用コールが鳴り響いた。青木潤一施設長は、不安げな表情でつぶやく。
「中山さん、また硬直したのかな」
 一方、介護福祉士の高橋一江さんは、あわててパソコンのある部屋に向かった。「絆」と契約している利用者から非常用コールが入ると、ステーション内のパソコンモニターに連絡してきた人の情報が映し出されるシステムとなっているためだ。
 発信者を確認した高橋一江さんは、階段を駆け下り、車に飛び乗った。その車が急発進した方角を見て、青木施設長は言った。
「やはり、中山さんからの緊急コールだったようです」
 青木施設長も急いで別の車に乗った。
 
 「絆」の利用者の一人、中山義雄さん(仮名)は、パーキンソン病と頸椎ヘルニアを抱えている。要介護度は5。パーキンソン病の発作が起こると筋肉が硬直し、まったく動けなくなる。日中に1回訪問介護を、夜間に1回の定期巡回のサービスを受けており、それ以外でも緊急コールをする場合もある。90歳代の母親と同居しているが、最近、母にも認知症が出始めているという。

 青木さんが運転する車は、混み合う幹線道路を避け、農道に入った。街灯ひとつない真っ暗な道。地域住民でも、走ることがためらわれるような道を、青木さんは慣れたハンドル操作で進んでいく。そして、10分もしない内に中山さん宅に到着した。

■「非常用コールが命を支えてくれている」

 部屋に入ると、既に高橋さんが中山さんの介護を開始していた。排尿の介助を受けた上で、硬直した体をほぐすための運動をする中山さん。手すりに両手でつかまり、体を伸ばしている。高橋さんは、その横に立ち、運動を手助けしていた。
 部屋の中には、移動のための手すりが設置されている。さらに「絆」に連絡するための端末や、家族を呼ぶための端末など、複数の非常用コールの機械が置かれている。
「部屋の中だけで6か所、家全体では13か所設置しています。トイレに行く途中で体が硬直することもありますから」と中山さん。
 それにしても、体が硬直した時は、一体どうやって非常用コールを押すのか。
「どこでもいいから動く部分を使うんです。わざとベッドの上に倒れ込み、硬直した手をボタンに押し付けるとかして」

 中山さんがパーキンソン病を発症したのは12年前のこと。その後も仕事を続けていたが、4年前、症状も進行し、通勤するのも難しくなったため、仕事を辞めた。しかし、症状はさらに進行。2年前から「絆」のサービスを受けるようになった。

 症状が進行し、最近では呼吸までが苦しくなることがあるという中山さん。それだけに「絆」の夜間サービスと随時訪問サービスは、なくてはならない存在だという。
「非常用コールが私の命を支えてくれていると言えるでしょう」

生活習慣を見直す 歯磨き くすぐるように小刻みに泣いても仕上げ最後まで

赤ちゃんに乳歯が生え始めると、「虫歯をつくらないように」と思うのが親心。ところが仕上げの歯磨きをしようとすると、嫌がって泣いたり、暴れたり・・・。コツや気をつけたいことを、子ども専門の歯科医や歯科衛生士に聞きました。
 嫌がるときは、どうしたらいいのか。「ポイントは三つ」と宮下さんに教わった。①数えながら磨く②ほめながら③手際よくやさしく磨けるよう、親も自分の歯で練習する。
                   朝日新聞 2010.11.29

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