最近は糖尿病が歯科の領域でも注目を集めている。歯を失う一番の原因となる歯周病の罹患率が、糖尿病患者はそうでない人に比べて二倍以上高く、重症化しやすいというのだ。さらに歯周病は糖尿病を悪化させるという報告もあるという。
東京新聞 2010.11.25
最近は糖尿病が歯科の領域でも注目を集めている。歯を失う一番の原因となる歯周病の罹患率が、糖尿病患者はそうでない人に比べて二倍以上高く、重症化しやすいというのだ。さらに歯周病は糖尿病を悪化させるという報告もあるという。
東京新聞 2010.11.25
電車の中などで、口を開きっ放しにしている子どもを見かけることがある。人間は一般的に鼻で呼吸する。口呼吸が癖になると細菌などを取り込みやすくなり、病気にかかるリスクが増えるほか、歯の成長にも影響する。インフルエンザや花粉が気になる季節に、子どもの「お口ポカン」問題を考えてみた。【中西拓司】
神戸市内の主婦(35)は4歳になる長男が、生後半年ごろから日常的に口を開いていることが気がかりだ。「たまに閉じることもあるが、寝ている時も含めていつも開いている」といい、歯がいつもむき出しになっているので、転倒した際に前歯が欠けたこともあった。口を開ける癖がない長女(7)に比べて虫歯になりやすく、すでに5本治療した。「口を閉じようね」と促しても、すぐに忘れて口を開けてしまう。「健康にも悪そうなのですぐに直したい。どうすればいいのか」と医師を受診したこともあった。
「恒常的に口呼吸しているようなら、早めに耳鼻咽喉(いんこう)科の診察を受けてほしい」。千葉大大学院医学研究院の岡本美孝教授(耳鼻咽喉科・頭頸(とうけい)部腫瘍学)はこう語る。口呼吸が長引けば「のどの炎症や睡眠障害など、さまざまな病気を招く恐れがある」という。
鼻の内部には、左右それぞれに複雑な形をした三つの突起があり、表面の粘膜や繊毛でホコリや微生物などの異物を取り除く働きがある。また、のどを痛めないように外部の乾いた空気に湿り気を与え、温めてから体内に取り込む加湿や加熱の機能もある。鼻はにおいを感じる機能だけでなく、体内に異物が入るのを防ぐフィルターの役目を果たしているというわけだ。
岡本教授によると、子どもが口呼吸する原因としてアレルギー性鼻炎などによる鼻づまりのほか、鼻の奥にある「アデノイド」の肥大などが考えられるという。アデノイドは微生物に対する免疫力を作るリンパ組織の一種とみられており、通常は3~4歳をピークに一時的に大きくなるが、その後は小さくなる。しかし、炎症などによって腫れてしまうと鼻呼吸をしづらくなり、いつの間にか口呼吸が習慣化する場合がある。
2011年1月9日 提供:毎日新聞社
肥満が社会的に大きな問題になっている米国で、肥満対策として砂糖含有飲料(suger-sweetened beverage;SSB)に課税するという案が、州、国家の双方のレベルで議論されている。シンガポールのDuke- Singapore国立大学医科大学院のEric A. Finkelstein氏らは、砂糖含有飲料に40%の税金を課すると、低所得世帯に対する影響を抑えながら国民全体の体重増加を防ぐことが可能で、25億ドルの税収増も期待できるとの試算を示した。論文は、Arch Intern Med誌2010年12月13/27日号に掲載された。
食品や飲料の価格が低下すると消費は増える。特に高カロリー食品でこの現象は顕著だ。したがって、高カロリー商品に課税して価格を上げれば、消費が減って肥満は防げると考えられる。だが、公衆衛生上の観点から肥満対策を考えるなら、社会経済学的地位が異なる集団のすべてに有効かつ容認される多面的な戦略が必要だ。
特定の商品への課税を実施する場合に問題となるのは、どの食品に課税するかという点だ。肥満につながる食品は多様だからだ。課税対象を決定したら、次に考えなければならないのは税率だ。エネルギー摂取量を減らし肥満を抑制できる税率を選ばなければならない。そして、特に低所得世帯の家計が課税により圧迫されないかどうかを調べる必要がある。
購入しているSSBの内訳を見ると、所得によって摂取量が異なっていたのは炭酸入りのSSBで、低所得世帯では他の世帯に比べその摂取が多く、SSB全体の4分の3を占めていた。
炭酸入りSSBに対する税率を20%または40%にした場合に、すべてのSSBからのエネルギー摂取が1人当たりどの程度減少するかを推算したところ、20%なら平均4.2(1.6)kcal/日、40%なら7.2(2.8)kcal/日となった。これによって1年間に減少する体重は、税率20%なら-0.20(0.07)kg、40%なら-0.37(0.13)kgと推定された。さらに国家の税収は20%で8億7890万ドル、40%なら15億4260万ドル増えるとの予想になった。
課税の対象を果汁入り飲料やスポーツドリンクも含むすべてのSSBに広げると、1人当たりの摂取エネルギーは、税率20%で7.0(1.9)kcal/日、税率40%で12.4(3.4)kcal/日減少した。1年間の体重減少は、税率が20%なら-0.32(0.09)kg、40%なら-0.59(0.16)kg、税収増はそれぞれ15億80万ドル、25億2260万ドルと推定された。
低所得世帯はより安価な飲料を選択するため、税額の負担はほかの世帯より小さくなる。たとえば、税率40%の場合に低所得世帯が支払う税金は、国家の税金の増収分の約20%に相当するのに対し、高所得世帯は約30%を支払うことになる。
SSBに高率の税金を課することによって米国民の体重管理によい影響が現れる可能性が示された。また、大きな税収が期待でき、それらを肥満予防プログラムなどの資金として用いればさらに効果は高まると考えられた。
原題は「Impact of Targeted Beverage Taxes on Higher- and Lower-Income Households概要はArch Intern Med誌のWebサイトで閲覧できる。
唾液(だえき)の作用によって数十分すると、口の中は中性に戻り溶けた歯が補修されます。これを再石灰化といいます。再石灰化を促すはみがき剤やガムなども市販されています。しかし再石灰化の効能に期待しすぎるのは大変危険なことです。再石灰化で修復されるのは肉眼では確認できない顕微鏡的なレベルの話だからです。本人がむし歯かなと気付いた時点で初期を通り越していることがほとんどだと考える方が正しいのです。歯科医師に注意深く観察してもらい、治療した方がいいのか、経過を見た方がいいのかを判断してもらう必要があります。
福島民友 2010.11.22
24時間対応の定期巡回サービスを手掛ける「やさしい手」のヘルパー・石森淳子さんは、夜、訪れた利用者の部屋の前で足を止めた。一瞬、息を殺し、わずかに部屋のドアを開け、中をのぞき込む。
その直後、石森さんは扉を閉め、廊下に戻ってしまった。
「利用者さんが起き上がって部屋を歩いている。このタイミングで入ると、怒られますよ」
利用者は認知症患者だった。その後、石森さんは廊下で息を殺し、ドアのガラス越しに部屋の様子を観察。数分後、もう一度わずかにドアを開け、利用者の様子が落ち着いたことを確認して部屋に入り、紙おむつの交換や薬の服用の介助など、一連のケアをごく順調に済ませることができた。
帰り際、利用者から「ありがとう」と声を掛けられた石森さんは、安堵したように大きく息をついた。
「きょうは本当に順調でした。ちょっとしたことで機嫌が悪くなることもあるから」
ちょっとしたこととは、例えば、少し介護の手順を間違えるなど、ごくささいなことだという。しかし、そのささいなことがもたらす結果は、相当に重い。
家中に響くような大声で暴言を投げ付けられたことがあった。
不審者扱いされ、追い出されそうになったこともあった。
「投げ飛ばしてやろうか」と言われたこともあったという。
さらに困るのは、BPSD(認知症の周辺症状)が始まってしまえば、簡単には治まらないことだ。
「どうしようもない時は、いったん退散し、後で出直すしかありません。それでも、わたしの場合はまだいい。慣れていないヘルパーが来たりすると、それだけで暴言や暴力を誘発する場合があるからです」
認知症患者に対する訪問介護は、ベテランのヘルパーにとってすら、厳しい業務だと言ってよい。
口腔ケアとはただ口の中をきれいにする(磨く)だけではなく、虫歯や歯石の除去、不適合になった入れ歯の修理、清掃、高齢に伴う唾液の減少への対応、嚥下や咀嚼機能の改善などさまざまな内容が含まれています。また、口腔ケアを行うことにより誤嚥性肺炎を防ぐことができます。以前は、あまり口腔ケアは重要視されていませんでした。なぜなら口の中が磨かれていなくても命には別条ないと考えられていたからです。しかし、高齢化社会となり介護領域が注目されるようになった近年、口腔ケアの重要性が見直されてきました。その代表例が「誤嚥性肺炎」です。
老人性肺炎を起こした人の多くは、寝ている間に通常食道へ流れていく唾液が何かのはずみで肺に流れてしまったときに起こるものです。口の中には多くの口腔内細菌があり、これらが呼吸器の奥深くまで入り、かつ抵抗力が低下している場合には肺炎による生命の危険が非常に高まります。肺炎を繰り返す場合には、口腔内が不衛生であることが考えられます。口腔ケアを行うことにより、誤嚥性肺炎に関連する発熱と、肺炎および死亡者数が減少するということが近年報告されていることから、ますます高い的確な口腔衛生の管理が求められることでしょう。
福島民友 2010.11.19
歯周病の進行を防ぐには、口の中を常に清潔にしておくことが重要だ。そのためには日々の手入れが欠かせない。どれだけ歯磨きを徹底しても、取ることのできる口の中の汚れは60~70%と言われる。これを補うのが歯間ブラシだ。歯と歯のすき間の大きさに合わせて、さまざまな太さのものがあり、いずれも薬局やドラッグストアで購入できる。また、歯の表面に付いた汚れをふき取る「フロス」という糸状の道具もある。歯間ブラシが入らないような、狭いすき間でも使うことができ「歯と歯茎の間に糸を当てて汚れを取ることを意識して」とアドバイスする。
毎日新聞 2010.11.26
歯周病は自覚症状がないまま少しずつ進行し、歯がぐらぐらするなどの症状が出た時には、既に相当悪化した状態だ。しかし症状が出る前でも、歯磨きなどで口の中を常に清潔にすることで、進行を防ぐ、あるいは遅らせることができる。日ごろの心がけ次第で、症状が大きく左右される病気でもあるのだ。注意がいるのは、歯と歯のすき間が広くて磨きにくい奥歯だ。ここは毛先の角の部分を歯のすき間に埋め込むようにすると効率がよいという。また同じように磨きにくい前歯の裏側は、歯ブラシを縦にすると毛先が当たりやすい。こうして1本ずつ順番に磨くように歯ブラシをかければ、磨き残しが少なくて済むという。
毎日新聞 2010.11.25