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北海道大学・ツルハ:ICTを活用した遠隔健康相談の実証実験を実施

北海道大学大学院保健科学研究院とドラッグストアを全国展開するツルハ(本社札幌市)は、ネットワーク経由で遠隔健康相談を行う「Health Network System」(HNS)の実証実験を実施している。シスコシステムズの遠隔医療技術プラットフォームである「Cisco HealthPresence」とコンティニュア対応全自動血圧計などを利用して、同大学保健科学研究院の相談員がツルハドラッグを訪れた顧客に対して健康相談を実施。両者は、実証実験を続けながらビジネスモデルを模索している。
 全国的な地域医療の崩壊が社会問題となる中で、その要因の1つに医療資源の地域偏在が挙げられる。特にその傾向が顕著な北海道では、医療者だけでなく保健・福祉に関する資源も都市部に集中している。
●保健師などによる遠隔相談で健康維持・増進活動の可能性を探る
北大保健科学研究院教授の小笠原克彦氏
 そうした問題に対応する1つの方法として、北海道大学大学院保健科学研究院(以下、北大保健科学研究院)を中心に、Health Network Systemプロジェクトが進められている。ICTを活用することで、都市部に集中する保健・医療資源を地方で有効活用する試みである。調剤薬局を併設するドラッグストアに遠隔健康相談端末を置いて、北大保健科学研究院の保健師・助産師・看護師が相談員となり、相談者(地域住民)の健康相談に対応する。相談内容は、診察・診断行為に関わらない未病対策と、健康維持・健康増進のための保健相談に絞り込む。

 HNSプロジェクトを推進する北大保健科学研究院教授の小笠原克彦氏は、実証実験の主な目的として以下の5つを挙げている。(1)最先端のセキュリティ技術と高速ブロードバンドを活用した遠隔健康相談の可能性の検討、(2)遠隔健康相談のためのシステム・相談方法の開発と医療・介護への展開の可能性の検討、(3)健康相談に関する物理的・心理的なアクセスの分析、(4)地域住民の健康維持や健康増進意識の変化探索を目的にドラッグストアチェーンの店舗網を相談スポットとして活用する可能性の検討、(5)出産・育児などで離職した保健師や看護師の人的資源の有効活用、である。

歯周病3 喫煙が環境面で最大の危険因子

歯周病には、生活習慣やストレスなどの環境も影響することが知られている。中でも最大の危険因子とされるのが喫煙だ。NPO法人・日本歯周病学会(東京都豊島区)によると、たばこを吸う人が歯周病になるリスクは、吸わない人の2~8倍で、吸う本数が多い程危険も増える。
 また、喫煙による血管の収縮が、歯周病の早期発見も妨げる。歯周病は自覚しにくいが、歯茎からの出血がそのサインとなる。だが血管の収縮によって出血が抑えられてしまい、気付かない間に重症化することもあるのだ。
                   毎日新聞 2010.11.24

餅を詰まらせ、5都県でお年寄りら10人死亡

1日から2日にかけて、東京、神奈川、埼玉、千葉、和歌山の5都県で、お年寄りら計10人が餅を喉に詰まらせ死亡した。
東京消防庁は「餅は小さく切ってよくかみ、高齢者や子どもの場合、家族がそばに付き添ってほしい」と呼びかけている。
同庁によると、東京都内では、2日午後8時までに24人が病院に運ばれ、このうち6人が死亡した。死亡したのは70-82歳の男性5人と95歳の男性。うち5人は自宅で雑煮を食べていた。
他の4県でも、1日午前に61-89歳の男女4人が餅を喉に詰まらせ、死亡した。
2011年1月3日 提供:読売新聞

歯周病2 菌が体内侵入 多様な病気の引き金に

歯周病が怖いのは、歯が奪われるだけではなく、体のさまざまな場所で病気などの引き金となる点だ。歯周病の原因となるプラーク(歯垢)は、歯と歯茎の間の歯周ポケットに蓄積され、歯周病菌が塊になった「バイオフィルム」という状態で存在している。こうして増えた歯周病菌が、血液や唾液などとともに侵入すると、さまざまな悪影響を及ぼす。まず気を付けたいのが、高齢者などに多い「誤嚥性肺炎」だ。唾液に含まれる歯周病菌が気道に入り、感染防御機能が落ちているため感染症を起こしてしまうのだ。
 一方、動脈硬化などによって起きる心筋梗塞にも、歯周病菌がかかわっていることが近年わかってきた。奥田名誉教授らは、動脈硬化によって詰まった心臓の周囲の冠状動脈に存在する細菌の遺伝子が、歯周病菌の遺伝子と一致することを発見し、04年に論文発表した。また妊娠中の女性にとっては、歯周病が早産や低体重児出産などのリスクともなる。96年に米国の研究者が関連性を初めて報告。その後も同様の報告が相次ぎ、07年には、歯周病菌が早産した妊婦のうち3割の人の羊水中から検出されたとの内容の論文も出ている。
                    毎日新聞 2010.11.23

歯周病の進み方 自覚症状ないまま進行

 国民の半数以上がかかっているとも言われる歯周病。自覚症状がないまま進行し、最終的に歯が抜けてしまう病気だ。だが日々の手入れで進行を遅らせることは可能。できるだけ長く歯を保つための知恵を紹介する。歯周病の原因となるのは、歯周病菌と呼ばれる細菌だが、誰もが口の中に持っており、それだけでは病気にはならない。だが、口の中に食べかすなどが残っていると、そこに細菌が集まって塊となり「プラーク(歯垢)」となる。プラークは、きちんと歯磨きをすれば取り除くことができるが、歯と歯茎の間など、磨き残しの部分があると、除々に蓄積されていく。
 プラークがたまると歯茎が炎症反応を起こして腫れるため、歯と歯茎のすき間に「歯周ポケット」が形成されていく。これが歯周病への第一歩だ。歯茎の内部で細菌から体を守ろうと白血球が集まってくる。歯磨きの時に歯茎から血が出やすくなるのはこのためだ。この状態が長く続くと、プラークがさらにたまってカルシウムやリンなどを蓄えて歯石になり、炎症反応によって歯を支えている歯根膜や歯槽骨などの歯周組織が破壊され始める。さらに進むと、歯周組織の破壊とともに歯周ポケットはさらに深くなり、歯を支えることができなくなる。こうなると末期症状で、最終的に歯が奪われてしまう。
                   毎日新聞 2010.11.22

雑煮の餅を喉に詰まらせ81歳男性が窒息死

1日午前9時40分頃、埼玉県春日部市で、無職男性(81)が自宅で食事中に雑煮の餅を喉に詰まらせた。家族の通報で駆けつけた救急隊員が餅(約5センチ四方)を喉から取り除いたが、男性は搬送先の病院で間もなく死亡した。窒息死とみられる。
春日部署の発表によると、男性は当時、妻(68)ら家族3人と朝食を食べていて、4個目の餅が喉に詰まったという。
読売新聞 1月1日(土)

口腔ケアは歯科治療と一体化

第10回理事会が12月16日(木)、歯科医師会館で開催され、多職種連携における歯科医師、歯科衛生士が行う口腔ケアに係る現時点での見解を決定した。見解では「歯科治療と一体化」した歯科医師、歯科衛生士が行う口腔ケアは、口腔に形態・機能の回復を含めた総合的な歯科医学・医療の観点から実施されることが特徴であり、こうした行為は「歯科医師及びその指示を受けた歯科衛生士が行う歯科医行為に該当する」と指摘。また、効果的に口腔ケアを提供していくためには、歯科医師、あるいは歯科医師と歯科衛生士がともに参画する必要があることを主張した。
 口腔ケアを実効あるものとして定着させていくためには、医療関係者の口腔ケアに対する理解を深め、効果的な役割分担と連携を促進していくことが「不可欠」と説いた。
                2010年(平成22年)12月25日

◇「24時間訪問ケア」を考える

在宅ケアの“切り札”として注目されるサービス。それが「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス」だ。厚生労働省の老人保健健康増進等事業の補助金を受け、同サービスの仕組みと事業構築について検討・提案する「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」の中間取りまとめによれば、「日中、夜間、深夜、早朝を問わず、介護サービス・看護サービスが連携を図りつつ、『短時間の
定期訪問』『随時の対応』といった手段を適宜・適切に組み合わせて、利用者に『必要なタイミング』で『必要な量と内容』のケアを一体的に提供する」システムだという。既に社会保障審議会介護保険部会の報告書「介護保険制度の見直しに関する意見」では、制度改革の目玉として創設が提言されている上、今年度の補正予算や来年度予算案でも、モデル事業の整備経費が計上されており、その本
格導入は目前に迫っていると言ってよい.

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