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"口は災いの元” 歯周病菌 糖尿病などのリスクに  怖い「隠れ虫歯」

日本歯科医師会の昨年の調査によると、「歯科健診を受けている」人は不定期を含めて20~69歳の36.7%にとどまった。予防歯科医学に詳しい鶴見大学歯学部の花田信弘教授は「子供のときには磨き方の集団指導を受けるが、大人は生活や口の状態がさまざまなので、一律の磨き方は言えず、歯科医による定期的な個別指導が必要」と説明する。
 「歯周病菌は口から血管に入りやすく、血管の炎症を起こし、メタボリックシンドロームと同様に血管年齢を上げる」ことも明らかになってきた。歯周病菌を基にできる物質「TNF-α」が細胞に結合すると、血糖値を下げるはずのインスリンが効かず、糖尿病につながるという。
 体のさまざまな病気との関連で、喫煙や飲酒、ストレスや栄養摂取の問題が言われている。「歯周病もまた、がんや呼吸器系疾患、心臓血管疾患、肥満、糖尿病、アルツハイマー型認知症のリスクにつながる」歯周病を治療すると、血管年齢が戻っていくとのデータがある。こうしたことからも花田教授は「歯科分野でも、もっとこれからの病気の予防に取り組むことができる」と提言する。
産経新聞 2010.6.16

顎関節症の治療ロボ

患者はいすに座ったままマッサージを受けられる。旧型はあおむけでのマッサージに限られていた。顎関節症や、口が異常に渇くドライマウスなどの患者は高齢者が多く、施術時に姿勢を変えることが肉体的な負担になるという。内部に搭載した力センサーが、ほおや首の反発力を測定し、適度な力で柔らかにマッサージする。
                  日刊工業新聞 2010.6.24

8020高齢者の歯のコンクール

80歳以上(昭和5年4月1日以前に生まれた方)で自分の歯が20本以上ある方の中で、特に歯が健康な方を表彰します。

 応募方法 8月6日(金)までに、住所、氏名、生年月日、電話番号
をはがきに記入して、
上川中部地域歯科保健推進協議会 
〒070-8525 7の10(第二庁舎3階)
 詳細 同協議会(健康推進課内 ℡25-6315

ヘルパーと介護福祉士にたんの吸引など認める方針―厚労省検討会

厚生労働省の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」(座長=大島伸一・独立行政法人国立長寿医療研究センター総長)は7月22日、2回目の会合を開き、ホームヘルパーと介護福祉士に対し、たんの吸引と胃ろうによる経管栄養の実施を認める方針で合意した。次回以降の会合で、具体的な研修内容などを検討する。
 会合では、日本看護協会常任理事の齋藤訓子氏が、▽急性期やターミナル期における医行為は、医師もしくは指示を受けた看護職員が行う▽経管栄養については、現行の特別養護老人ホームにおける対象範囲・実施体制を踏襲すべき。経鼻経管栄養については、介護職員の実施は認めるべきではない▽老人保健施設におけるたんの吸引や経管栄養については、医師もしくは看護職員が実施すべき―などの内容を盛り込んだ意見書を大島座長あてに提出した。

 これに対し、ジャーナリストで国際医療福祉大大学院教授の黒岩祐治氏は、「ならば、すべてのナースは(たんの吸引などの医行為を)ちゃんとできるのか、と問いたい。看護師ならできる、介護士はできないという発想は間違い」と激しく反論した上で、法律上、介護職員がたんの吸引などの医行為ができないと定められている現状こそが危険と主張。他の構成員も、ホームヘルパーと介護福祉士に対し、たんの吸引と経管栄養を認めることを前提に、研修や法整備についての議論を進める方針に賛同した。

 さらに日本医師会常任理事の三上裕司氏は、医行為を行うことができないはずの介護職員が、たんの吸引や経管栄養を実施するという矛盾を解消するため、「(たんの吸引などは)医行為から外すことが現実的ではないか」と提言した。しかし、国学院大法科大学院長の平林勝政氏は、「介護職が医行為をできるようにするためには、どこでどんな教育をしていくのか、という議論をまず進めるべき。その上で(医行為かどうかという)法律に関する議論をすべきではないか」と主張。多くの構成員が、法整備より研修の内容の検討を優先することで一致した。

口腔衛生不良、心血管疾患リスクの上昇と関連

平均50歳の一般集団11869名を対象に、口腔衛生と心血管疾患および炎症マーカー・血液凝固因子の関連を調査。口腔衛生不良の対象者で、心血管疾患イベントリスクの上昇が見られ(ハザード比1.7)、C反応性蛋白・フィブリノーゲンの濃度も上昇していた。著者らは、この因果関係についてさらなる検討が必要と指摘している。文献:de Oliveira C et al. Toothbrushing, inflammation, and risk of cardiovascular disease: results from Scottish Health Survey. BMJ. 2010;340:c2451
2010年06月01日 カテゴリ: 循環器疾患

歯周病は”糖尿病の合併症”

歯周病がリスク因子になり得る全身疾患として「心臓血管疾患」「感染性心弁膜症」「糖尿病」「慢性閉塞性肺疾患」「低出生体重児・早産」などが報告されているという。歯周病が全身に影響を与えるメカニズムについてすべて証明されたわけではないが、その一つとして歯周病関連細菌やその菌体成分が血行性あるいは経気道的に標的臓器に到達し、直接作用するなどの可能性が考えられると指摘した。
 なかでも糖尿病との関連については、糖尿病になると血糖値が上昇し、それを抑制しようとインスリンが過剰に分泌。その結果、インスリンが効きにくい状態に陥るという。
 すると「好中球機能不全」「微小循環障害」「AGEによる炎症性組織破壊」「コラーゲン合成の阻害」「線維芽細胞の機能異常」が起こり、これらが歯周組織を破壊するファクターになり得る。
                  化学工業日報 2010.6.11

唾液はどこから出てくるの

口の置くのは唾液をためておく唾液腺というタンクが三つあるの。耳の下にある耳下腺(じかせん)、舌の奥にある顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の三つ。唾液はこのタンクから口の中に通じる管を通って出てくるの。

 唾液は1日どれくら出るのかな。
 だいたい1㍑にもなるのよ。顎下腺から出る量が一番多くて、全体の6割はここからね。
 酸やアルカリの強さをはかるPHという値で見ると、口の中がPH5.4以下になると歯がとけて虫歯になりやすくなるの。7より小さくなるほど酸性が強いの。酸性の強いオレンジジュースを飲んだ時でも、30秒から1分くらいで中性に戻してしまうわ。
                  朝日新聞 2010.6.12

口臭 食べ物などで唾液分泌促して

Q 67歳女性。口臭で悩んでいます。毎日20分ほどかけて歯と舌を磨き、虫歯も治療済ですが、それでも臭いと言われるのです。血糖値を下げる薬と血圧を下げる薬を飲んでいます。人の集まる場所では嫌な気分にさせないようガムをかみますが、血糖値の上昇が心配です。

 なかなか改善しない口臭のお悩みの方は、中高年の女性を中心に多いようです。口臭というと「歯みがきの仕方が悪い」「胃腸が悪い」などと考えられがちですが、実際はそうした原因によるものは少なく、大半は口の中の乾燥(ドライマウス)によるものです。唾液には口の中を循環して汚れを洗い流す働きがありますが、それが減少することで自浄作用が損なわれ、悪臭を放つ物質が口の中に滞留しやすくなるからです。
 ドライマウスの原因は一般にストレスや口呼吸、加齢など多々ありますが、ご相談の方の場合、更年期以降の女性ホルモンの減少、降圧剤の副作用などによる唾液量の減少が考えられます。また「自分の口がにおうのでは」という緊張感によっても唾液が減り、口の中は乾燥気味になります。
 唾液量はなかなか回復しにくいため対症療法になりますが、口の粘膜の適切なケアを毎日行うことで、このタイプの口臭は大幅な改善が可能です。なお、歯ブラシでの舌みがきはあまりお勧めできません。また、日ごろから歯応えのある食べ物やガムをかんで、積極的に唾液の分泌を促すことも大切です。シュガーレスガムなら血糖値が上がる心配はありません。ぜひ、かかりつけの歯科医に相談し、場合によっては専門の医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
                  北海道新聞 2010.5.19

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