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食物アレルギー10年前から倍増「食生活の変化一因」

東京都が3歳児を対象に実施しているアレルギー疾患に関する調査で、食物アレルギーに罹患したことのある子どもの割合が09年は14.4%に達し、99年の7.1%から倍増したことが分かった。厚生労働省によると、未就学児の大規模な定点調査で食物アレルギーの増加傾向が裏付けられたのは初めて。
 調査は99年から5年ごとに行い、10月の3歳児健診で保護者に調査票を配布している。昨年は7247人を対象に、ぜんそくや食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状について尋ね、2912人(40.2%)から回答があった。3歳までに何らかのアレルギー疾患と診断された子どもは、99年36.8%、04年36.7%、09年38.8%と横ばい。
 しかし、食物アレルギーと診断された子どもは、99年が7.1%、04年は8.5%で、この5年で急増していた。原因食物は、卵が83.9%で最多。牛乳36.3%、小麦12.9%が続いた。
 東京都アレルギー性疾患対策検討委員の松井猛彦・荏原病院小児科部長は「原因は単純ではないが、添加物や加工食品の増加など、食生活の変化も一因だろう。離乳食の開始の早期化なども考えられる」としている。
              4月23日/毎日新聞

こども歯みがき教室・歯つらつ健口セミナー・相談

こども歯みがき教室
内容 講話、個別歯磨き指導
 日時 6月28日(月) ●午後1時から ●午後2時30分から
 場所 健康相談室(第二庁舎3階)
 対象 3歳以下の乳幼児と保護者
 定員 10組
 申込 健康推進課 ℡25-6315

歯つらつ健口セミナー・相談
 内容 講話「歯周病予防の基本ブラッシング」、歯や口について     の個別健康相談
 日時 6月28日(月) 午前10時から
 場所 保健所問診指導室(第二庁舎3階)
 申込 健康推進課 ℡25-6315

両親のDV目撃、脳に悪影響

子どもこ頃に両親の家庭内暴力(DV)を見て育つと、脳の発達に悪影響を及ぼすことが、熊本大の友田明美准教授(小児発達学)らの研究で分かった。児童虐待防止法では暴力を目撃することも心的外傷を与えるとして児童虐待に当たるとされており、医学的に裏付けられた形だ。
 研究は米ハーバード大と共同で米国人を対象に実施。3~17歳時に自身は虐待を受けず、日常的に父親が母親に殴るけるなどの激しい暴力をふるう姿を目撃した18~25歳の男女15人と、虐待のない家庭で育った33人を選び、MRIで比較した。その結果、目撃経験者は目からの情報を処理する右脳の「視覚野」の容積が、目撃したことのない人に比べ平均20.5%も小さかった。
 視覚野の血流量を調べると、目撃経験者の方が8.1%も多く、これは神経活動が過敏になっている特徴だという。学力や記憶力も調べたところ、目撃経験者の方が低い傾向が出た。
              4月23日/読売新聞

経済的理由で治療中止、約4割の医療機関で

患者の経済的な理由による治療の中断や中止が、この半年間に約4割の医療機関であったことが6月17日、全国保険医団体連合会(保団連、住江憲勇会長)の調査で分かった。特に歯科診療所では半数近くに上った。
 保団連では5月中旬に、各都道府県の保険医協会に調査への協力を依頼。6月14日までに回答を得た8協会の計2829医療機関(病院109、医科診療所1577、歯科診療所1143)について中間報告をまとめた。

 それによると、38.8%の医療機関で、患者の経済的な理由によって治療を中断または中止したことがこの半年間にあった。施設別では、歯科診療所が47.4%で最も多く、次いで医科診療所33.4%、病院26.6%の順。保団連の宇佐美宏副会長は、「歯科は命に直結するわけではないので、医科よりも経済的な影響が強く出る。痛みが治まると受診しない人も少なくない」と指摘している。

 またこの半年間に、医療費負担を理由に患者から検査や治療、投薬を断られたことがある医療機関は42.9%だった。施設別では医科診療所が46.1%、病院が43.1%で、歯科診療所の38.5%に比べ医科医療機関で多かった。竹崎三立副会長は「医科では、慢性疾患で継続して受診していると、簡単には治療を中断できない。しかし、1か月分の薬を3か月かけて飲み切るなどして受診を控えたり、必要な検査を断ったりする例は歯科よりも多い」と説明している。

 こうした結果を受けて、中間報告では「不況下で、患者の受療状況はことのほか深刻だった。改善には、窓口負担の大幅な軽減などが必要」との見解を示している。
( 2010年06月17日 20:47 キャリアブレイン )

口腔ケアがつないだ家族の絆

「主人の口臭が気になって、孫を連れて来れないのよね」
 廊下で立ち話をしていたときのこと。三郎(仮名)さんの奥さんが、ポツリと
つぶやきました。口腔ケアを担当していたIさんは、奥さまの言葉にハッとした
そうです。

「口腔の乾燥が口臭の原因になる」と、以前参加したセミナーで習ったのを思い
出したIさん。唾液の分泌を促すために、ストレッチを加えた口腔ケアを心がけ
ました。また、それまで朝晩に行なっていた口腔ケアを、この患者さんの場合は
なるべく面会時間前に行なうようにしたといいます。

 次のカンファレンスで、Iさんは自分が実践し始めたことを看護師長に報告。
そして、口腔乾燥がある患者さんへの唾液分泌を促すケアと、口臭が気になる患
者さんへのお見舞い時間に合わせた口腔ケアの実施を提案したのです。

「ご家族にもっとお見舞いに来てもらい、患者さんと過ごす時間を増やして欲し
い」。その考えに共感する多くのスタッフが賛同し、Iさんの提案する口腔ケア
が実施されることになりました。

 それから数週間が経った頃のこと。Iさんは、病室でお孫さんと三郎さんが楽
しそうに話しているのを見かけたそうです。

「病室から笑い声が聞こえてきたんですよ。それまで、誤嚥性肺炎予防などのた
めに口腔ケアを行なっていました。でも、口腔ケアは患者さんとご家族の絆を深
める上でも役立つものなのだと、あらためて気づかされました」
 Iさんは、穏やかな笑みを浮かべてそう話してくれました。

入院患者の口腔チェック 治療の仕組み考え 病院で調査 岩手・宮古歯科医師会

宮古市の県立宮古病院(菅野千治院長)に入院する患者の口腔(こうくう)状態をチェックし、速やかな治療の仕組みを考えるための検診調査を、宮古歯科医師会(倉田英生会長)が始めた。

 歯科のない同病院と歯科医との連携を目指す宮古保健所の委託事業。16日は同歯科医師会の及川穣医師ら2人が手分けして病室を回り、「歯の具合はどうですか」などと声を掛けて検診した。

 患者側からは「痛くて入れ歯を外しているが、どうしたらいいか」といった相談も。及川医師は「思ったより口の中がきれいだ。病院スタッフのケアがしっかりしている。しかし、状態の悪い患者については病院と歯科医がばらばらではいけない」と話し、連携の必要性を指摘した。2010年6月17日 提供:毎日新聞社

歯磨きの頻度が少ないほど心血管リスクが上昇

1日の歯磨きの回数が1回未満の人は、2回の人に比べて心血管イベントリスクが1.7倍―。そんな研究結果を、英University College LondonのCesar de Oliveira氏らがBMJ誌電子版に2010年5月27日に報告した。

 歯周病と心血管疾患の関係に対する興味は高まっている。歯周病は口腔衛生状態が悪い患者に発生する慢性の炎症だ。これまでに行われた疫学的な研究は、歯周病と診断された患者の心血管リスクを評価していたが、いずれも小規模だった。

 そこで著者らは、研究の規模を大きくするために、自己申告による歯磨きの回数を歯周病の代替として、心血管疾患との関係を調べることにした。同時に全身性の炎症マーカーであるCRP値、血液凝固能(フィブリノーゲン値)と心血管イベントの関係も調べた。

 分析対象に選んだのは、Scottish Health Surveyに登録されているデータ。ここには、スコットランドの一般住民を代表する人々から、3年から5年おきに収集した人口統計学的データと生活習慣に関する情報(喫煙歴、身体活動量、口腔衛生状態など)が登録されている。今回は35歳以上の男女で、総入れ歯ではなく、心血管疾患の既往がない1万1869人(平均年齢50歳)を選び、1995年、98年、03年のデータを入手した。

 口腔衛生状態に関する調査は、1日の歯磨き回数が2回、1回、1回未満から選択するようになっていた。

 心血管イベントの有無は、入院と死亡に関するデータベースに07年12月までに登録された情報に基づいて判断した。

 主要エンドポイントは、非致死的心血管イベントと心血管死亡を合わせた複合イベントに設定。Cox比例ハザードモデルを用いて複合イベントのリスクを推定した。調整は、年齢、性別、社会経済学的状態、喫煙歴、身体活動量、歯科受診頻度、BMI、心血管疾患の家族歴、高血圧歴、糖尿病歴について行った。

 全体に口腔の衛生状態は良好だった。62%の患者が少なくとも6カ月おきに歯科を受診しており、71%が1日に2回歯磨きをしていた。

 追跡期間の平均は8.1年で、その間に555件の心血管イベントが発生。うち心血管死亡は170件だった。心血管イベントの74%(411人)は冠疾患だった。イベントを経験した人々のベースラインの平均年齢は57.0歳、イベント無し群の平均年齢は49.6歳だった(P<0.001)。

 口腔衛生状態不良群(歯磨きが1日1回未満、538人)では、口腔衛生状態良好群(歯磨きが1日2回、8481人)に比べ、心血管イベントリスクが有意に高かった。イベント発生はそれぞれ59件と308件で、調整ハザード比は1.7(95%信頼区間1.3-2.3、P<0.001)となった。歯磨きが1日1回のグループ(2850人、イベント発生は188件)にもリスク上昇が見られた。調整ハザード比は1.3(1.0-1.5)。

 心血管死亡のみについて、口腔衛生状態不良群の調整ハザード比を求めたところ、リスク上昇傾向が見られたが、差は有意ではなかった(1.5、0.9-2.6)。

 なお、血液標本が採取できた4830人について、口腔衛生状態と全身性の炎症マーカーの関係を調べた。口腔衛生状態不良群のCRP値の平均は4.18mg/Lで、口腔衛生状態良好群の3.07mg/Lとの差は有意だった(一般線型モデルを用いた回帰分析の回帰定数βは0.04、0.01-0.08)。フィブリノーゲン値についても同様で、衛生状態不良群は2.98g/L、良好群は2.86g/Lだった(βは0.08、-0.01から0.18)。これらは、年齢、性別、社会経済学的状態、喫煙歴、歯科受診頻度、BMI、心血管疾患の家族歴、高血圧歴、糖尿病歴と、急性感染症(インフルエンザ、肺炎など)で調整した推定値だ。

 さまざまな交絡因子候補で調整しても、口腔衛生状態不良群の心血管リスク上昇は有意だった。衛生不良群には軽度炎症も認められた。

 著者らは、口腔の衛生状態が心血管リスク上昇を直接引き起こすのか、それともリスク上昇のマーカーなのかを今後明らかにする必要がある、と述べている。

 原題は「Toothbrushing, inflammation, and risk ofcardiovascular disease: results from Scottish Health Survey」2010. 6. 15
BMJ誌

歯治療の2歳女児死亡 埼玉、のどに脱脂綿

埼玉県新座市東北2丁目の歯科医院「にいざデンタルクリニック」で13日、同市の女児(2)が治療中に脱脂綿をのどに詰まらせ、病院に運ばれたが14日午前6時半ごろ死亡した。
新座署は窒息死とみて、遺体を司法解剖して詳しい死因を調べるとともに、業務上過失致死の疑いもあるとして関係者から事情を聴いている。
クリニック側代理人と同署によると、女児は13日、自宅で転倒して上の前歯が抜けそうになり、クリニックを受診。治療中に女児がむずかって頭を動かしたため、上唇と前歯の間に挟んでいた直径7ミリ、長さ2・5センチの円筒状脱脂綿1本が外れ、気管に入った。
治療をしていた女性歯科医(37)が吸引装置で除去しようとしたが取り出せず、女児が息苦しそうな様子だったため救急隊を呼んだという。
部分麻酔をして、いったん抜歯してから元通りに固定する治療中で、女児が暴れないよう母親が抱いた状態で診療台に座り、助手3人が頭や手足を押さえていた。
脱脂綿は唾液(だえき)を吸い取るためのもので、代理人によると、歯科医は「まさか(脱脂綿が)落ちるとは思わなかった」と話しているという。
2010年6月15日 提供:共同通信社

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