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顔面が痛い 歯・あご、原因はいろいろ

虫歯を放置しているうちに、歯の中心部の「歯髄」が細菌に感染し、炎症が起きる。さらに周囲のあごに感染が広がると、「目の下からあごの下まで腫れることがあります」。あごの骨の炎症「顎骨骨膜炎」で、歯科では主要な病気だという。
 顔に痛みを感じる前に、歯に痛みを感じていた人はこの病気の可能性がある。発熱することもあり、炎症の範囲が広がると口を開けることができないために、食事がとれなくなることも。抗菌薬の点滴治療などが必要になり、場合によっては入院してもらうこともあるという。
 感染症の一つなので、免疫力が落ちる傾向がある高齢者や糖尿病の人などは要注意。「虫歯を放っておかず、きちんと治療してください」

 顔面の痛み、あなたは大丈夫?
 ①口が十分に開かない
 ②口を開けると痛みを感じる
 ③治療していない虫歯がある
 ④歯に痛みを感じる
 ⑤歯や顔の痛みとともに腫れや発熱もある
 ⑥歯をくいしばる癖がある
 ⑦顔やあごのまわりの筋肉がこわばっているように感じる
 ⑧日々の生活にストレスを感じている
 ⑨ひげそりや化粧などで顔面に触れると鋭い痛みがある
 ⑩顔の片側が瞬間的に痛むことがある

 まず日常生活の中で①②のあてはまる人はどこか具合が悪い可能性があります。さらに、③~⑤にあてはまる人は虫歯からの炎症や、細菌感染によるあごの骨膜炎が起きている可能性があります。
 ①②に加え⑥~⑧に該当する人は顎関節症の可能性があります。長時間デスクワークをしているようなケースでは、知らず知らずのうちに歯をくいしばったり、かみしめたりすることが多いようです。また眠りが浅いこともかみしめの原因のひとつです。⑨⑩に該当する人は三叉(さんさ)神経痛の可能性があります。
           朝日新聞 2009.11.9

院長一人旅

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 昨日札幌で講演会があり受講しました。ここでも紹介したように緒方先生は、障害者歯科治療では第一人者で非常に勉強になりました。隣が同門の先生で10年ぶり位に会い流れた月日をしみじみ感じ、その後伊達紋別で毎年恒例の浪人下宿仲間の会でした。今年は、30周年の節目(?)でK医師とF薬剤師とで賑やかに過ごしました。やはり歳に勝てず12時を回る頃にはダウンしましたが、朝にはめっぽう強く5時に目が覚めてのんびり過ごしました。特にJRでは、海岸線がきれいでたまにはいいかな~と思いました。写真は、少し暗いですがその店の名物のチキンライスです。

汚れ除き骨の再生力促す 抜かずに歯を復活

 歯周病は、歯と歯肉の溝(歯周ポケット)に、歯周病菌の塊である歯こうや、歯こうが石灰化した歯石がたまり、歯周組織(歯を支える歯肉・歯槽骨・歯根膜、歯のセメント質)に炎症が起こり組織が壊される感染症だ。ほっておくと同組織が歯を支えきれなくなり、歯が抜ける原因になる。
 同療法は、まず歯のぐらつきを抑えるために複数の歯をワイヤで固定。その上でこれらの歯の汚れを取り除き、歯根の表面を滑らかにする「ルートプレーニングケア(RPC)」を行う。同時に患者にも、毎食後と間食後、就寝前と毎日五回の歯磨きをしてもらう。
 同療法のRPCは、歯周病治療に広く行われている歯の汚れ除去法とやり方は同じだが、徹底して汚れを取る点と歯根膜の再生にに力点を置いている点が違う。骨の再生力を生かした治療法だ。
           東京新聞 2009.11.6

動物病院でも未収金や医療過誤訴訟が問題に

12月4日付朝日新聞夕刊は、このところペットの治療費を払わない飼い主が増え、動物病院の獣医師らが頭を痛めていると報じています。ある飼い主は、1週間の入院治療を済ませた愛犬を引き取った後、約10万円の治療費を支払わずに雲隠れしてしまいました。飼い主に電話してもつながらず、請求書を送ったものの宛先不明で戻ってきてしまいました。どうやら最初から治療費を払うつもりはなかったようです。

 他にも、「猫の入院治療が終わった」と電話したところ、急に連絡がつかなくなった女性の事例が紹介されています。スタッフが、未払いの治療費約6万円を請求するために女性の自宅を訪ねたところもぬけの殻で、産婦人科からも手紙が来ていました。そこに問い合わせると、「先生のところは猫でよかった。こちらは赤ちゃんを置いていかれた」という話だったといいます。

 この記事は、ペットの治療費の未払いケースの紹介の後、最近ははじめから治療費を払う気のない飼い主の受診が増えているという獣医師たちの嘆きとともに、弁護士を顧問にして未収金対策に乗り出している現況を知らせています。

 産婦人科に出産費用を払わずわが子を置き去りにして、猫も動物病院に遺棄した女性も、もしかすると生活に困って、さらなる悲劇が生じることを避けようとして、苦肉の策でこれらの行動を取ったのかもしれません。ですが、深刻化する不況による生活苦を反映しているというだけでなく、飼い主の責任感の欠如を感じるケースが増えているという獣医師や顧問弁護士らのコメントも無視できないでしょう。

 他方、このようなペット裁判報道もあります。10月27日付朝日新聞は、メスのミニチュアダックスフントが避妊手術で死んだのは、執刀した獣医師に過失があったからだと約461万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地方裁判所が、獣医師に約54万円の支払いを命じたと報じています。判決では、犬はもともと重度の高血糖で、手術によるストレスでさら血糖値が上昇し、低カリウム血症による呼吸停止もしくは心不全が原因で死んだ可能性が高いとして、術後管理を怠った獣医師の過失を認めました。また術後の状態から、入院の意向を確認するべきだとして、説明義務違反の過失も認められました。

 獣医師側は「手術の翌日、飼い主が体調の変化に気付いたが、病院に運ばなかった過失がある」と主張しましたが、裁判官に「飼い主は症状によっては緊急対応が必要という説明を受けていない」として退けられてしまいました。術後管理や説明義務など、ペットに対しても人間と同じように厳しい医療水準を要求されるようになっているようです。

 原告代理人の弁護士は、「認められた賠償額は、最近の高額化傾向の流れに沿ったもので、避妊手術でも、飼い主にしっかり説明すべきだという獣医師への警告になる」とコメントしています。ペットの高齢化や生活習慣病が話題になる中、診療の質の向上を求められ、同時に、冒頭にご紹介したような治療費不払いの増加に悩み、しかも歯科医療などと同様に動物病院も競争の激しさにも悩まされるという状況になってきています。

 ペット医療は保険制度が無いに等しい状況ですから、治療費不払いの率も、今後の経済情勢によって、また飼い主の社会意識によって、上昇する可能性が大です。しかし、10万円程度の未払金の回収コストを考えると法的対処も容易ではありません。記事に紹介されている獣医師の「現在、治療費の不払いは売り上げ全体の2~3%と推測されるが、5%を超すと動物病院の存続にもかかわってくる」というコメントは、問題がかなり深刻であることを示唆しています。

 これは医療に限ったことではありませんが、質の向上やリスクマネジメントが強く要求される一方で、その確保のための原資となる売り上げは絞られていくばかりです。これらの原因は、単にデフレ不況だけとは考えにくく、何かもっと大きな変化を表しているのかもしれません。今回は、その変化の一端を示しているエピソードをご紹介してみました。

口腔内を清潔に

11月8日は「いい歯の日」。鹿児島県は80歳になっても歯を20本保つ「8020運動」を推進、虫歯や歯周病の予防を訴える。だが、県内の1歳半児の虫歯有病者率(2007年度)は全国ワースト3位。糖尿病や心筋梗塞など生活習慣病を誘発する歯周病の罹患率は、40歳以上で8割超に上る。県歯科医師会は「虫歯の早期治療、定期的な歯科検診が大切」と呼び掛けている。
 ①病気についてよく知る②朝晩だけでなく、昼休み、寝る前にも歯を磨く③歯肉炎や歯石がないか調べ、あった場合は歯科医院を受診し、除石や予防指導を受けることが重要。
 「歯や舌など口腔内を清潔に保つことが大切。難しくないので予防に努めてほしい」
          南日本新聞 2009.11.3

こども歯みがき教室

日時:①1月8日(金) ②1月16日(土)いずれも午後1時~3時
場所:第二庁舎 調理実習室
対象:3歳以上の未就学児と保護者
定員:各16組
その他:申込多数の場合は、初参加の方を優先し、その後抽選
申込:①12月25日②1月8日までに保健指導課℡23-7816

手術着で通勤!アメリカの病院ではScrubが日常着②

私が現在住んでいるところは、ハーバード大学医学部、ブリガム・アンド・ウィミンズ病院、ジョスリン糖尿病研究センター、デイナ・ファーバー癌研究所、ベス・イスラエル病院など名だたる病院が軒を連ねるLongwood Medical Areaからほど近い場所です。周囲には、このメディカルエリアで勤務する医療従事者が大変多く、通園・通勤の際はいつも多くの医療従事者に混ざって子供たちを連れて歩いています。

 留学当初、こちらで驚いたことはいろいろありますが、その中の一つが、医療従事者がScrubと呼ばれる手術着(surgical attire)を着て通勤していることでした。研修医時代、よくこのScrub(当時はオペ着と呼んでいましたが)を寝間着代わりにして当直し、そのまま病棟業務をこなしたりしていたので、疲れ切った当直明けの朝など、着替えるのも億劫でこのまま寮に帰りたい、と思ったことを覚えています。

 また、ICUやNICUの勤務中は数日、あるいは数週間にもわたりずっとオペ着で過ごすので、とても楽で、そのまま病院内で過ごすこともありました。ただ、研修病院が、院内感染、外聞、及び医師のイメージを大切にする病院だったため、オペ着で病院外を歩くことは厳しく禁じられていました。患者さんの目があるから、また、自分たちの医療衣は汚いものだから、と教えられ、歩いて5分の研修医寮に帰るにも、一応着替えて帰っていたのです。

 オペ着は、着心地が楽でしたし、病院で洗ってもらえましたし、着ていく服を考えなくてよかったので、年間1週間しか休みがないような当時の激務の研修生活では、非常に重宝したものでした。

 そんな経験があるため、こちらで、通勤ラッシュの中、たくさんの医療従事者がScrubで通勤するのを見て驚きました。家庭と病院とを同じ服で行き来するのに抵抗はあると思うのですが、ここはEBM(Evidence based medicine)の国アメリカ、一体どんな根拠に基づいてこの習慣をよしとしているのか、あるいは、この地域だけに限った習慣なのだろうか、と調べてみたくなったのです。
吉田穂波

手術着で通勤!アメリカの病院ではScrubが日常着

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私が現在住んでいるところは、ハーバード大学医学部、ブリガム・アンド・ウィミンズ病院、ジョスリン糖尿病研究センター、デイナ・ファーバー癌研究所、ベス・イスラエル病院など名だたる病院が軒を連ねるLongwood Medical Areaからほど近い場所です。周囲には、このメディカルエリアで勤務する医療従事者が大変多く、通園・通勤の際はいつも多くの医療従事者に混ざって子供たちを連れて歩いています。

 留学当初、こちらで驚いたことはいろいろありますが、その中の一つが、医療従事者がScrubと呼ばれる手術着(surgical attire)を着て通勤していることでした。研修医時代、よくこのScrub(当時はオペ着と呼んでいましたが)を寝間着代わりにして当直し、そのまま病棟業務をこなしたりしていたので、疲れ切った当直明けの朝など、着替えるのも億劫でこのまま寮に帰りたい、と思ったことを覚えています。

 また、ICUやNICUの勤務中は数日、あるいは数週間にもわたりずっとオペ着で過ごすので、とても楽で、そのまま病院内で過ごすこともありました。ただ、研修病院が、院内感染、外聞、及び医師のイメージを大切にする病院だったため、オペ着で病院外を歩くことは厳しく禁じられていました。患者さんの目があるから、また、自分たちの医療衣は汚いものだから、と教えられ、歩いて5分の研修医寮に帰るにも、一応着替えて帰っていたのです。

 オペ着は、着心地が楽でしたし、病院で洗ってもらえましたし、着ていく服を考えなくてよかったので、年間1週間しか休みがないような当時の激務の研修生活では、非常に重宝したものでした。

 そんな経験があるため、こちらで、通勤ラッシュの中、たくさんの医療従事者がScrubで通勤するのを見て驚きました。家庭と病院とを同じ服で行き来するのに抵抗はあると思うのですが、ここはEBM(Evidence based medicine)の国アメリカ、一体どんな根拠に基づいてこの習慣をよしとしているのか、あるいは、この地域だけに限った習慣なのだろうか、と調べてみたくなったのです。

吉田穂波

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