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人工乳栄養児は母乳栄養児と比べ、母子間の口腔細菌共有量が多いと判明。

九州大学大学院歯学研究院口腔予防医学分野の研究グルーブは、乳児と母親の口腔細菌がどの程度共有されているか、福岡市東区の4ヶ月健診を訪れた乳児とその母親448組の口腔細菌を高精度に調べ、その関係性について検討した。その結果、ほとんどの乳児の口腔から自分の母親由来の口腔細菌が検出され、無関係の母親と比べて自分の母親とより多くの口腔細菌を共有していることがわかった。また、母親に由来する口腔細菌の構成割合は、母乳で育てられている乳児より人工乳で育てられている乳児で有意に高くなっていた。これは、栄養方法により母親由来の口腔細菌の定着がコントロールされる可能性を示唆している。

全ての奥歯にCAD/CAM冠の保険適用が出来る可能性に期待。

物性の向上により、保険適用の範囲が徐々に広がってきているCAD/CAM冠。現段階では、小臼歯と噛み合わせの条件が整った第一大臼歯までに限定されており、第二大臼歯については適用を見合わせている状況だ。大きな噛む力が加わる第二大臼歯にCAD/CAM冠を積極的に用いてよいかどうか、これを医学的に判断するエビデンスはほとんどなかった。
 生活歯への適用は失活歯と比べリスクが高い可能性や、接着性レジンセメント以外のセメントの使用がトラブル発生に関連する可能性も示唆された。研究グループは「CAD/CAM冠の保険適用範囲が今後全ての大臼歯に拡大されることを前向きに支持するもので、金属アレルギーや審美性はもちろん、歯科用金属の価格高騰による医療費増加の問題解決に繋がることが期待される」としている。

水素細菌

水素細菌の研究開発が活発になっています。
 水素細菌は1000分の2ミリほどの非常に小さい微生物。植物油を与えると、
食べて栄養を蓄え、その栄養分を取り出し特殊なプラスチックに加工すること
ができます。このプラスチックは海水の中では分解されるなど、環境への負荷
が少ないのが特徴です。大手コーヒーチェーン「スターバックス」では100%
植物由来であることと生分解性の要素を併せ持つのは素材の観点で非常に環境
貢献度が高いと評価し、持ち帰り用のスプーンなどの素材に、水素細菌から作
り出した特殊なプラスチックを使っています。
 また、水素細菌は、二酸化炭素も餌にすることができます。水素をエネル
ギー源に二酸化炭素を有機物に変換するため、二酸化炭素削減に貢献する一方、
食品やプラスチック製品、バイオ燃料などをつくることができる一石二鳥の細
菌です。
 水素細菌は1960年代にNASA(アメリカ航空宇宙局)がたんぱく質を宇宙でつ
くることができないか研究に取り組むなど、昔からその可能性は知られていま
したが、二酸化炭素を効率的に吸収させる技術が十分に確立されていなかった
ことなどから、研究開発が大きく進むことはありませんでした。しかし、深刻
な地球温暖化と待ったなしの対策が求められる時代になり、バイオテクノロ
ジーの技術も向上しています。
 アメリカや中国では、この分野で大規模な投資が行われ開発競争が激しく
なっています。日本でも政府は今年3月、水素細菌など微生物の研究開発に積
極的な資金支援を行う方針を表明。大学などの研究機関と民間企業との連携を
推し進めようとしています。4月には、萩生田経済産業大臣、岸田総理大臣が、
最先端の研究を行っている神戸大学の研究施設を視察し、バイオテクノロジー
に力を注ぐ姿勢を鮮明にしました。
 脱炭素社会の実現に向けて二酸化炭素の排出の低減が大きな課題になってい
る中、さらなる技術の向上が期待されます。

歯の疾患や悩み AIが回答案を提示

歯の疾患や悩みをスマートフォンやパソコンから問い合わせると、AIが関連性の高い疾患や回答案を提示し、それを参考に歯科医師、歯科衛生士が簡便・的確に応急処置や早期の受診を勧めるなど回答できる。

 利用者のコメントから症状に関連性の高い疾患を歯科医師などに提示し、相談に回答する医療従事者の負担を軽減するとともに、役立つ情報を提供することを目的としている。

 歯科医師の宇野澤元春 氏が代表を務めるDental Prediction(東京都港区)と日本アイ・ビー・エム(本社・東京都中央区、山口明夫 社長)が開発したもので7月7日に発表した。

 開発にはIBMのAIプラットフォーム「IBM Watoson」を活用。20人以上の歯科医師や歯科衛生士のノウハウと、7,000件以上の相談・回答データを学習したAIモデルを「IBM Cloud」上に構築したもの。
【歯科通信】

日歯 『おしごと年鑑』で口腔の大切さ紹介

日本歯科医師会は朝日新聞社発行の『おしごと年鑑2022』の中で、口腔健康管理の重要性を紹介している。22日にプレスリリースで発表した。『おしごと年鑑』は、小中学校の児童・生徒に向けたキャリア教育用副教材として発行されている書籍で、全国の小中学校や図書館などに寄贈されている。

 日歯は「2040年を見据えた歯科ビジョン」を2020年に発行し、その中で「学校における歯科教育の充実」を提言。同年から「一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育に取り組むべく『おしごと年鑑』への協賛を開始した」としている。

 日歯の情報提供ページでは、口の中が不潔だと歯科疾患だけでなく、「ウイルスが体内に侵入しやすくなる」「口の中の防御機能が低くなる」「全身の免疫力が低下する」と説明し、口腔健康管理の重要性をアピールしている。

【歯科通信】

12歳児のむし歯等数 「平均0.63本に」令和3年度学校保健統計 速報値で

12歳児1人あたりの永久歯の平均むし歯等数が0.63本となった。令和3年度学校保健統計調査の速報値によるもので、前年より0.05本減った。昭和59年度の調査開始以降、ほぼ毎年減少し、過去最低となっている。

 12歳児のむし歯等数は、平成元年の4.30本から11年 2.92本、21年 1.40本と減少し、27年に0.90本と1本を切った。令和3年度の0.63本の内訳は、処置歯 0.39本、未処置歯 0.23本、喪失歯 0.01本。むし歯の罹患率は、高等学校が39.77%で最多、小学校 39.04%、中学校 30.38%、幼稚園 26.49%の順。ただ年齢別に見ると小学生の8歳が46.03%と最も高く、9歳 45.59%、17歳 44.52%、7歳 40.26%が4割を超えていた。

 未処置歯のある者の割合は、小学生 18.42%が最多で、ついで高等学校 15.65%、幼稚園 15.42%、中学生 12.33%となっている。
【歯科通信

解熱剤の買い占め自粛要請 医療機関で不足、厚労相

 新型コロナウイルス感染者の急増で、解熱鎮痛剤「カロナール」が医療機関で不足しているとして、後藤茂之厚生労働相は29日の記者会見で、過度な買い占めを控えるよう医療機関や薬局に周知すると明らかにし「適切な対応をしていく」と述べた。

 カロナールは、発熱や喉の痛みなどに有効な成分アセトアミノフェンを含む処方薬。後藤氏は「急激な感染拡大で需要が急増し、製薬企業からの供給が厳しくなっている」と説明し、特に必要としている患者に処方できるよう、代替薬が使用可能な場合は別の薬を使うことも求める。

歯周病や無歯顎で心不全リスク上昇?

 Atherosclerosis Risk In Communities(ARIC)研究の参加者6707例(平均年齢63±6歳)を対象に、歯周病による心不全、駆出率が低下した心不全(HFrEF)、駆出率が保たれた心不全(HFrEF)のリスクを検討した。

 その結果、追跡期間中央値13年で1178例が心不全を発症し、そのうち350例がHFpEF、319例がHFrEFだった。心不全発症例の59%に歯周病、18%に無歯顎が認められた。多変量調整Cox比例ハザードモデルでの解析で、歯周病があるとHFpEFリスクの上昇(ハザード比1.35、95%CI 0.98-1.86)、有意なHFrEFリスク上昇(同1.69、1.18-2.43)が見られ、無歯顎でもHFpEF(同2.00、1.37-2.93)およびHFrEF(同2.19、1.43-3.36)リスクが上昇した。無歯顎にC反応性タンパク(CRP)およびN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)との関連が認められた。

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