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受診控え影響3千億円黒字 健保連の決算見込み

大企業の社員らが加入する健康保険組合の全国組織の健康保険組合連合会(健保連)は19日、2020年度の決算見込みが1388組合全体で2952億円の黒字だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴って受診控えが広がり、保険給付が前年度に比べて2113億円減ったことが要因。黒字は前年度より454億円増えた。

 感染拡大が影響し企業業績が悪化したため、保険料収入は596億円減少。赤字の組合は26減り458となった。

 健保組合には約2882万人が加入する。企業と社員が負担する保険料で運営し、加入者の医療費や、非加入の高齢者の医療費も負担している。

 この「高齢者拠出金」は1113億円増え、3兆5457億円となった。今後はコロナ絡みの特殊要因が縮小する一方、高齢化による医療費増は避けられず、健保連は、21年度以降の決算は赤字になると見込んでいる。

 1人当たりの年間保険料負担は7230円減の49万4736円だった。

 全国の健康保険組合が5月ごろに厚生労働省へ提出した20年度見込みを健保連が集計した。各組合は9月ごろに決算の確定値を提出することになっており、その集計に先立って速報値の段階で公表した。

新型コロナワクチン3回目接種、「賛成」68%

早ければ2021年12月中にも開始が予想される新型コロナウイルスワクチンの3回目接種。医療従事者は3回目の追加接種についてどう考えているのか――。m3.com意識調査で、新型コロナワクチン3回目接種を受けることの賛否について会員医師790人に尋ねたところ、約7割(68.1%)が「賛成」しており、反対は9.5%にとどまった。また、賛成と回答した416人のうち5割弱は、ワクチンを2回接種した人は、年齢や重症化リスクを問わず3回目を接種できるようにするのが望ましいと回答した。

「うんこ」語り合おう 学会設立、スマホゲームも 大腸がん発見、介護を左右

恥ずかしがらず、うんこについてもっと語り合おう―。そう呼び掛けて「学会」を設立した医師や保健師がいる。大便をチェックして大腸がんを早期に発見してもらおうと、スマートフォンのゲームまで開発した。高齢者介護では生活の質を左右する大事な問題。適切な排せつケアを学んでほしいとの思いもある。

 今年7月に一般社団法人「日本うんこ文化学会」を設立したのは、石川県小松市の保健師、榊原千秋(さかきばら・ちあき)さん(59)。在宅介護や難病患者の終末期ケアに関わる中で、便について悩む人が多いことを実感した。

 子どもの頃の便の失敗がきっかけで、高齢になっても排便障害(便秘)が続いていた男性、やせたいからと下剤を飲み続ける若い女性...。プライベートな問題ゆえになかなか相談できず、正しい知識も広がっていない。

 大学院で専門知識を学んだ榊原さんは排せつケアのプロを育てようと、2016年から独自に「POO(英語でうんこの意)マスター」の養成研修を各地で開催。これまでに医師や看護師ら約500人が受講した。

 学会設立を思い立ったのは、現場の実践で得た知見や科学的根拠を議論して学び合いたいから。学者や医療・介護職だけでなく、行政や企業など幅広い人たちに参加してもらおうと、専門用語ではなくあえて「うんこ」という言葉を掲げた。

 「豊かな便は豊かな人生につながる。『食育』と同じように『便育』を広げたい」と榊原さん。11月6、7日に腸内細菌の専門家やうんちの絵本作家らを招き、小松市で第1回学術集会を開く。

 「学会」を冠した団体は実はもう一つある。東京都内で在宅医療を手掛ける医師の石井洋介(いしい・ようすけ)さん(41)が13年につくった「日本うんこ学会」。学術団体ではなく、大腸がんなどの疾患予防を啓発する任意団体だ。

 石井さんは10代で難病の潰瘍性大腸炎を患い、大腸全摘手術を受けた経験がある。病院の勤務医時代、大腸がんの悪化に気付かず命を落とす患者を何人も目の当たりに。話を聞くと、多くの人が細い大便が出るなどの異常を感じていた。

 「大腸がんはほかに症状が現れにくく『サイレントキラー』とも呼ばれる。便の異変に早く気付いてもらえれば」。思い付いたのが、気軽に楽しめるゲームだった。

 うんこ学会の仲間と制作して昨年11月にリリースした「うんコレ」は、課金の代わりに排便報告をしてもらうことで進めるユニークなスマホゲーム。腸内細菌を擬人化した美少女キャラクターが、便の状態に応じて受診などをアドバイスする。

 石井さんは「平熱と同じように、まずは自分の普段の『平便』を知ることが大事。うんこで救える命があることを知ってほしい」と話している。

コロナ治療薬「レムデシビル」を保険適用

総会は、15成分(23品目)の医療品を今月12日に薬価収載することを決定した。うち新型コロナ治療薬の抗ウイルス剤「レムデシビル」について、薬価を100mg1瓶で6万3.342円に決めた。今年度(ピーク時)の投与患者数は4万2.775人、販売金額は181億円と予測している。新型コロナは指定感染症であるため、レムデシビルの患者自己負担は発生しない。

歯科は「かかりつけ機能」が論点、次期改定で中医協

中医協総会は8月4日、4年度診療報酬改定に向け「歯科医療」の議論を開始した。厚労省は、かかりつけ歯科医機能や医科歯科連携などの多職種連携、感染防止策、日腔疾患の重症化予防や口腔機能の管理、歯科固有の技術評価といった4点を論点にあげた。
 幸野庄司 委員(健保連)は、「かかりつけ歯科医機能強化型診療所」(か強診)について、「地域包括ケアシステムのなかで中心となる役割を果たすような施設基準に変えていくべきだ」と見直しを求めた。「か強診」は、虫歯や歯周病の重症化予防の管理実績などが要件で、元年時点で約1万施設の届け出がある。
 林正純 委員(日歯)は、「自分の歯で食事ができることは健康寿命の延伸にも寄与するといったさまざまなデータも出ている。全世代での健診・治療の継続管理が一体となった仕組みづくりは重要だ」と述べ、引き続きかかりつけ歯科医の推進が必要とした。

●雇用保険料引き上げ検討 財源逼迫で厚労省 雇調金支給4兆円超え

厚生労働省が雇用保険料引き上げの検討に入ることが7月28日、分かった。新型コロナウイルス禍で雇用調整助成金の給付決定額が4兆円を超え、財源が逼迫しているため、具体的な保険料率は今後、厚労相の諮問機関である労働政策審議会で議論し、早ければ来年の通常国会に雇用保険法改正案を提出する。
 雇用保険は仕事を失っても生活に困らないようにするための事業と、雇用安定や能力開発の事業に大きく分けられる。保険料は労使が支払っており、一部事業には国費も投入されている。審議会では、特例で現在は労働者が賃金の0.3%、企業が0.6%となっている保険料率の引き上げのほか、国費投与の在り方についても議論する。
 雇調金は休業手当の一部を補填する制度。コロナ禍を受けて昨年、日額上限を約8.300円から1万5千円まで引き上げ、助成率を最大全額まで拡充している。
 一方で財源不足は深刻化している。雇調金の資源となる雇用安定資金は元年度末時点で1兆5.410億円だったが、本年度末に864億円まで減るとの試算が出ている。本来失業者向けの事業に充てる積立金から借り入れるなどして対応しているが、こちらも元年度末は約4兆5千億円あった積立金が、本年度末には約1.700億円まで減る見通し。(共同)

免職取り消しの歯科医師が診療再開 診療室は解体、苦難乗り越え

山梨県の市立病院で6日、懲戒免職処分を受けたが、裁判で処分が取り消されていた歯科医師(63)が診療を再開した。処分から約5年、判決の確定から約1年4カ月を要した。

 2016年11月に診療拒否と医療スタッフへのパワハラを理由に堀内茂市長から懲戒免職処分を受けていた。処分取り消しを求めて提訴。地裁は処分を取り消し、東京高裁も一審判決を支持した。最高裁も市の上告を受理せず、処分取り消しが確定した。

 確定後、復帰後の職務について、市と氏が交渉を続けた。市は訴訟期間中に病院の診療態勢が変わったことを理由に処分前とは違う業務を指示。氏は処分前と同様の「外来患者の治療」を求めていた。

 氏の元の診療室が解体され、立ち上げ作業にも時間を要した。病院は新たに約300点の医療機械や治療道具を購入し、それらを歯科口腔外科の診療室に配置・整備する作業に約2カ月を要した。

 市立病院は6日朝までに、ホームページに氏が復帰した「歯科口腔(こうくう)外科」を表示した。病院には他に「口腔外科」もあり、氏の処分時に派遣された歯科医が診療している。

朝日新聞デジタルselect

【北海道】1位旭川医科大学病院、2位国立病院機構北海道医療センター、2021マッチング中間

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 2022年度からの初期臨床研修先を決める、2021年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果で、北海道は募集定員432人に対し、1位希望人数は290人で定員充足率は67%だった。1位希望人数は旭川医科大学病院、国立病院機構北海道医療センター、函館五稜郭病院が上位だった。

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