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ロ製ワクチンの有効性91% 最終治験を検証、英医学誌

 【モスクワ共同】ロシアの新型コロナウイルス感染症のワクチン「スプートニクV」を開発した国立研究所の研究者らが、臨床試験(治験)最終第3段階の中間結果を検証する論文をまとめ、発症を防ぐ91・6%の有効性が確認されたと英医学誌ランセットで2日に発表した。同ワクチンは高品質で深刻な副作用を引き起こさず、体内に有効な免疫を形成すると評価している。

 ロシア政府は昨年8月、スプートニクVを新型コロナワクチンとして世界で初めて国家承認したが、3段階ある臨床試験の第2段階で承認に踏みきったため、安全性や品質に懸念が出ていた。

 対象となったのは昨年9月から11月までの間に、本物のワクチンと偽薬の接種を2回受けた1万9866人。発症しても症状は軽く、ワクチン接種による深刻な副作用もなかった。持病がある人や、60歳以上の人も接種を受けたが、特に問題はなかったという。

 スプートニクVの開発者は、ワクチン接種でできる免疫は「2年以上効力を維持する」との見方を示している。

 ロシア政府は同ワクチンの輸出を積極的に進めており、現在までに旧ソ連、中東、中南米諸国など約20カ国が承認し、接種が進んでいる。

父親の精子から子どもの自閉症リスクを予測

父親の精子の中に、子どもの自閉症スペクトラム障害(以下、自閉症)のバイオマーカーとなり得るDNAメチル化可変領域を見つけたとする研究結果を、米ワシントン州立大学のMichael Skinner氏らが発表した。このバイオマーカーを調べることで、自閉症の子どもが生まれるリスクのある男性を特定できる可能性があるという。研究の詳細は、「Clinical Epigenetics」に1月7日掲載された。

 今回の研究でSkinner氏らは、自閉症の子どもを持つ男性13人と、自閉症のない子どもを持つ男性13人から集めた精子検体を用いて、エピジェネティクス(DNA塩基配列の変化を伴わずに遺伝子発現を制御する仕組み)、特に、DNAメチル化可変領域に焦点を当てて調べた。DNAメチル化とは、DNA中の塩基の一つにメチル基が付加される化学反応で、遺伝子発現のオン/オフを切り替える働きを持つ。DNAメチル化のレベルが個体間で異なる領域などをDNAメチル化可変領域という。

 その結果、自閉症の子どもを持つ父親の精子のDNAに、DNAメチル化可変領域が805カ所みつかり(303カ所ではメチル化増加、502カ所ではメチル化減少)、これらが自閉症の子どもが生まれる可能性が高いことを示すバイオマーカーとなり得ることが明らかになった。

 そこでSkinner氏らは、このメチル化可変領域をバイオマーカーとして、精子のサンプルデータだけで、自閉症の子を持つ男性と持たない男性を特定できるかを検証した。18人から採取した精子を用いた2回のブラインドテストの結果は、2例の偽陽性を除き、全て正しく特定され、正確度は90%であったという。

 Skinner氏は、「これらのDNAメチル化可変領域をバイオマーカーとして用いることで、父親からその子に自閉症が遺伝するかどうかを評価できる可能性が見えてきた。どの因子が自閉症を促進するかを特定する上でも、大きな一歩だ」と述べている。

【寄稿】コロナワクチンを接種しました~米ミネソタ州の状況と自身の副反応について 米メイヨー・クリニック・井上明星

はじめに
 私は、アメリカのミネソタ州はロチェスターのメイヨー・クリニックで研究留学している放射線科医です。2021年1月12日にPfizer-BioNTech社製のCOVID-19ワクチンを接種したので、その経緯や個人の感想を共有いたします。

ワクチン接種の優先順位
 アメリカでは2020年12月中旬頃から SARS-CoV-2に対するワクチン接種が始まりました。まず、米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)からミネソタ州に毎週火曜日にワクチンが割り振られて、さらに、ミネソタ州が優先順位に応じてワクチンを州内に割り振りますが、1月16日現在、医療従事者のみが対象となっています(Phase 1a)。メイヨー・クリニックに割り振られたワクチンは、下記の表のように内部でさらに優先順位がつけられ(表1)、接種が行われています。現在は下表の5番目の段階で、私のような研究留学生もここに含まれます。

表1. COVID-19ワクチン接種の院内優先順位
1救急部、介護部門、霊安室で働く職員
2COVID-19外来の職員
3COVID-19の検体を採取する職員、入院患者に関わる職員
4COVID-19のワクチン接種を行う職員、外来、在宅医療の患者に関わる職員
5臨床をサポート(患者接触なし)するテレワーク不可の職員
6その他のテレワーク不可の職員
7テレワーク中の職員
(米メイヨ-・クリニック 1月16日現在)
 さて、ミネソタ州全体の話に戻りますが、医療従事者のワクチン接種が終わったら、エッセンシャルワーカーと75歳以上の高齢者(Phase 1b)、65~74歳の高齢者、16~64歳の基礎疾患のある人(Phase 1c)が接種を受ける予定となっています。一般の方のワクチン接種はそれ以降ですが、具体的な時期は未定です。なお、Pfizer-BioNTech社製のワクチンは18歳以上、Moderna社製のワクチンは16歳以上が接種対象年齢となっています。いずれのワクチンも2回接種する必要があり、前者は3週間、後者は4週間の間隔を空けるように推奨されています。

 臨床で働く職員が次々とワクチンを接種している中、私の接種はいつ頃かと調べようとしていた矢先にワクチン接種の案内がメールで届いたのは、1月7日のことでした。この時点で、フロリダ州とアリゾナ州にあるメイヨー・クリニックの支部では希望する職員に対するワクチン接種が完了している状態でした。おそらく、ワクチン供給数に対して職員数がミネソタ州のメイヨー・クリニックよりも少ないためと思われます。メールでの通知が届いたらメイヨー・クリニックの患者向けスマホアプリから予約を取るのですが、最短で1月11日の接種でした。ワクチンを接種することに迷いはなかったのですが、家に帰ってからゆっくり予約を取ろうと思い、夜にアプリを開いてみると1月11日の予約は既に埋まっており、1月12日の枠での予約となりました。

接種会場にて

ワクチン接種会場の様子

はじめに情報端末(KIOSK)でチェックインします。ハンドサニタイザーとワイパーも置かれています。
 パンデミック前は講演で使用されていたレクチャーホールが、接種会場になっていました。ソーシャルディスタンスを確保するには十分な広さです。会場に到着するとハンドサニタイザーで手を消毒してから、情報端末(KIOSK)で受付をするように案内されました。6フィート(編集部注:約1.8メートル)以上の間隔を保って並ぶように列が整えられていましたが、私の予約した午前11時の時間帯は待ち時間はありませんでした。

 氏名や生年月日などを入力すると、事前に予約していた情報が表示され、チェックインが完了します。QRコードの記載された紙を渡され、合計11カ所の接種ブースの一つに案内されました。ミネソタ州のメイヨー・クリニックには2カ所の接種会場がありますが、この会場では約900人が接種予定とのことで、私のワクチン接種を担当してくれた看護師は半日で約50人に接種したとおっしゃっていました(お疲れ様です)。

副反応の説明
 書類を見ながら、副反応について説明を受けました。発熱が5人中1人、倦怠感が4人中1~3人に起こり、多くは24~36時間後に改善することを告げられ、改善しない場合は、職員専用の相談窓口に相談するように説明を受けました。軽微な副反応ではありますが、頻度が高いという印象です。副反応の説明を聞いた後でも、COVID-19感染症による健康被害や感染を広めてしまうリスクを天秤にかけて、ワクチン接種を躊躇(ためら)うことはありませんでした。なお、私は該当しませんでしたが、アナフィラキシーの既往がある場合には、経過観察室に30分ほど滞在する必要があると言われました。

接種1時間で頭重感、夕方には痛み
 COVID-19ワクチンもインフルエンザワクチンと同様に筋肉内注射ですが、刺した時の痛みはほとんど感じませんでした。接種会場を出て、2回目のワクチン接種を3週間後に予約し、昼食に行きました。ところが、接種から1時間ほど経過した頃から頭重感と眠気を自覚したため、数十分間ソファで休憩しました。これにより、午後の生産性が低下したことは否めません。夕方になると、注射した部位の痛みが強くなってきました。発赤、腫脹、熱感はありませんが、左側臥位になり、注射した左肩に体重がかかると結構な痛みがありました。念のため体温を測りましたが、36.0℃と平熱でした。

 翌朝には頭重感や眠気は解消していましたが、注射部位の痛みがさらに強くなりました。着替え、扉の開閉、腕を伸ばして物を取るなどの日常動作で肩を動かすと痛みます。左肩に限局した鈍い痛みで、筋肉痛のような感じです。筋肉痛は広範囲に生じますが、注射部位のみに限局していたので、これまでに感じたことのない変な痛みでした。幸い、翌々日には何事もなかったように消えており、その後の体調はいつもと同じく快調です。ちなみに、私はこれまでのワクチン接種で局所の熱感と軽い痛み以外の副反応症状を感じたことがありません。

 参考のために、他の接種した人たちにも感想を聞いたところ、ほとんどの人が、肩の痛みが1~5日くらい続いただけということでした。一方で、ごく少数ながら、翌日に仕事を休むほどの体調不良を感じた人もいました。なお、2回目のワクチン接種後の方が痛みや倦怠感が強いと聞きます。大切な予定が控えている時は、ワクチン接種を避けた方が無難だと思います。

さいごに
 社会免疫を獲得するには人口の70%が免疫を保有する必要があるともいわれており、多くの人がワクチンにより安全に免疫を獲得し、流行が収束に向かうシナリオを期待したいところです。メイヨー・クリニックでは、多くの職員がワクチンを接種していますが、中には現時点では接種したくないという人もいます。長期的な副反応も十分に評価されていない状況では、少し様子を見たいというのも頷ける話です。日本でも2月中のワクチン承認・接種開始を目指していると聞いております。ニュースではワクチン接種による重篤な有害事象が強調されている印象ですが、報道とは違った視点からの一個人の体験談として、本記事が皆様の参考になれば幸いです。

病院長解任、旭医大激震 情報流出巡り亀裂か 教授不祥事に続くゴタゴタ

旭川医科大にまた衝撃が走った。旭川医大病院の古川博之病院長の解任が役員会で決まり、25日の全学説明会で全教職員に伝えられた。2019年秋以降、教授2人が医療機関や製薬会社から不正に多額の報酬を受ける不祥事が発覚。機能不全に陥ったガバナンス(組織統治)を回復させようとした矢先の解任劇だった。旭川医大に何が起こっているのか。

 大学側は、吉田晃敏学長や副学長ら12人が出席して昨年11月17日に開いた会議の発言を録音し、週刊文春に情報を提供したのが古川病院長と見て、解任の理由の一つに挙げている。

 昨年12月24日発売の週刊文春は「旭川医大学長クラスター病院に『なくなるしかない』」との見出しで、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が当時発生していた旭川市の慶友会吉田病院について、吉田学長が「コロナを完全になくすためには、あの病院が完全になくなるしかない」などと発言したと報じた。

 週刊文春の電子版に載った吉田学長の肉声が決定的な証拠となって大学側は認めざるを得ない状況に追い込まれた。発売後、吉田学長はコメントを発表した。この中で「不適切な発言であったと深く反省している」とした上で、発言の真意について「吉田病院の閉鎖等を望むことを意味するものでない。なくなるしかないのは吉田病院の新型コロナ感染症」と釈明。その一方で、「(発言内容が)外部に漏えいしたこと自体が問題」と、「ネタ元」への非難をほのめかしていた。

 旭川医大の聞き取り調査に対し、古川病院長は全面否定したが、古川病院長を除く会議の出席者が全員、関与を否定したことを根拠に「ネタ元」と決めつけられたという。

 週刊文春への情報の流出経路は不明のままだ。ただ、旭川医大が吉田病院から医大病院への感染者受け入れを昨年11月に検討した際、吉田学長が拒否し、受け入れを取りやめたと、古川病院長が報道各社の取材に証言したことなどから、吉田学長の古川病院長への不信感は決定的になったとされる。

歯周病がサルコペニアの病態悪化に寄与。

ジンジバリス菌の感染が骨格筋の代謝異常を惹起。
 歯周病が糖尿病の病態を悪化させる機序の一つに、インスリン抵抗性の惹起が挙げられるが、インスリン依存的に糖の取り込み、代謝を行う組織である骨格筋との関連は解明されていなかった。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病分野の片桐さやか講師、佐賀大学医学部付属病院肝疾患センターの高橋宏和特任教授らの研究グループは、骨格筋組織の脂肪化に着目し、歯周病原細菌の血清抗原体価との関連を調査した。
 その結果、メタボリックシンドローム症候群の患者において、骨格筋脂肪化マーカーとジンジバリス筋の血清抗体価が有意に相関していることが判明。また、ジンジバリス菌を投与したマウスでは腸内細菌叢の変化を伴い骨格筋の炎症関連遺伝子群が上昇、脂肪化が亢進しインスリンシグナルの低下とともに糖の取り込みが阻害されていることを見出した。

『デンケン・ハイデンタル』が本社、工場を移転新設。

CAD/CAM冠用材料の生産を従来の2倍に増強。
 産業ガス大手エア・ウォーターのグループ企業で、CAD/CAMを中心としたデジタル機材と自社製造の歯科用機材を販売する『デンケン・ハイデンタル』。歯科治療のデジタル化が進み、CAD/CAM冠の需要が高まる中、同社は2017年に小臼歯向けの高精度なハイブリッドレジンのブロック材を開発。

新型コロナウイルス感染の後遺症が増加。各国で様々な報告があり、実態解明が急務。

 イタリア・ローマにあるジェメッリ大学病院の調査によると、新型コロナウイルスに感染し、発症から約2ヶ月経っても、87.4%の患者が何かしらの症状を訴えているという。
 具体的には、倦怠感(53.1%)や呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)、胸痛(21.7%)をはじめ、咳、臭覚の異常、ドライマウス・ドライアイ、鼻炎、目の充血、味覚異常、頭痛、喀痰、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢など。
 世界保健機構(WHO)も呼吸器だけでなく心血管や末梢神経への後遺症を示唆している。また、身体の機能面だけでなく、精神面での影響も大きい。「コロナうつ」などと話題になっているが、新型コロナウイルスの感染が拡大するにつれ、うつ病に罹患する人が急増。
 コロナ禍生活でのストレスにより未感染ながら抜け毛を訴える例もあるという。

ワクチン接種、全国1万か所拠点に…氷点下75度の超低温冷凍庫を配備

厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの接種を、全国約1万か所の医療機関などの「基本型接種施設」を拠点として実施する方針を決めた。各拠点には氷点下約75度でワクチンを保管できる超低温冷凍庫を配備、そこを起点に2~8度の冷蔵状態で診療所などに輸送し、多くの人に効率的に接種する体制を整える。

 2月下旬にも接種が始まる米製薬大手ファイザーのワクチンは、基本的に超低温で保管する必要があり、冷蔵での保管は最大5日間に限られる。厚労省は超低温冷凍庫を、2月末までに約1500台配る。6月末までに計約1万台を全市区町村に最低1台割り当て、基本型施設に位置づける。

 基本型は接種会場になるほか、「サテライト型接種施設」に位置づける地域の診療所などへ冷蔵輸送する起点にもなる。サテライト型への輸送は3時間以内を目安とする。基本型とサテライト型を合わせると、人口5000人に1か所程度、接種施設が設けられる。サテライト型から高齢者入所施設などへ医療従事者が訪問して接種することも認める。

 接種は医療従事者を優先し、2月下旬にもスタート。65歳以上の高齢者への接種は早ければ3月下旬に始まる。その後、基礎疾患のある人などへ順次接種される。

 ファイザー製ワクチンは製造販売に向け審査中で、政府は6000万人分購入することで合意している。ファイザー以外では、英製薬大手アストラゼネカと6000万人分、米バイオ企業モデルナと2500万人分のワクチンを購入する契約を結んでいる。

 モデルナのワクチンは氷点下20度での保管が必要で、政府は別にモデルナ用の冷凍庫約1万台を確保する。アストラゼネカのワクチンは2~8度の冷蔵保管が可能だ。

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