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歯科受診勧奨で指針作成‐薬剤師と歯科医が連携強化 栃木県薬剤師会②

 ガイドラインは、一般用医薬品セルフメディケーション振興財団の助成金を得て昨年度末に作成。栃木県薬のウェブサイトで4月下旬に公開した。

 栃木県薬副会長の鹿村恵明氏(グッドファーマシー代表取締役、東京理科大学薬学部教授)は「薬局薬剤師は多職種との連携に取り組んでいるが、歯科医師とはあまり連携できていない。しかし、両者の間には患者獲得等の競合はなく、連携しやすい間柄であるため、お互いが補い合えば良い連携ができると考えた」と話す。

 薬剤師が大学や卒後研修で口腔疾患について学ぶ機会は少ないため、薬剤師が適切な歯科受診勧奨を行えるように、必要な情報を網羅したガイドラインの作成に踏み切ったという。

 商品購入時に加え、購入後のフォローアップにも活用してもらいたい考え。鹿村氏は「医療用医薬品のフォローアップも重要だが、自分で販売した商品のフォローアップこそ薬剤師が実施すべき。そうでなければ他に誰もやる人はいない」と強調する。

 受診勧奨の強化は短期的には薬局の減収を招きかねないが、薬局の信頼度が高まることで中長期的には顧客増加につながるという。

 栃木県薬は、今年度も栃木県歯科医師会と共同で、加齢に伴い口腔機能が低下するオーラルフレイルの早期発見などをテーマに連携事業を実施する計画だ。

歯科受診勧奨で指針作成‐薬剤師と歯科医が連携強化 栃木県薬剤師会

栃木県薬剤師会は、栃木県歯科医師会、千葉県薬剤師会と共同で「オーラルケア商品の購入者に対する歯科受診勧奨ガイドライン」を作成した。薬局で歯痛薬や歯槽膿漏薬などのオーラルケア商品を購入した顧客に、薬剤師が商品を使用しても症状が改善しない場合の歯科受診の目安を伝え、購入後のフォローアップを実施するために必要な情報をまとめたもの。歯科医師との連携を強化し症状悪化を未然に防ぐことは薬局の信頼度向上にもつながるとして、ガイドラインの活用を呼びかけている。

 ガイドラインは、薬局で販売する▽歯痛薬▽歯槽膿漏薬▽口内炎用薬▽口唇ヘルペス再発治療薬▽含嗽薬(うがい薬)▽口臭用薬▽とろみ剤▽亜鉛(サプリメント)▽歯周病ケア専用歯磨き粉▽洗口剤▽入れ歯安定剤――など医薬品を含む15種類のオーラルケア商品について、主な商品名や購入者の自覚症状を提示。症状や所見から考えられることや、薬剤師が歯科受診を勧奨する目安を分かりやすく示している。

 例えば、歯槽膿漏薬(塗り薬)では、商品を3日間使用しても症状が改善しない場合には、歯ぐきからの出血や歯ぐきの腫れは歯槽膿漏ではなく歯周病による可能性があるため、歯科受診を勧奨するとの目安を定めた。

 各商品の添付文書に「しばらく使用しても症状が良くならない場合は使用を中止」「5~6回使用しても症状が良くならない場合は使用を中止」との記載があることを根拠に、5~6回の使用には3日を要するとして受診勧奨の目安となる使用日数を設定した。

 その他、抗凝固薬や抗血小板薬の副作用で歯ぐきから出血したり、カルシウム拮抗薬などの副作用で歯肉が肥厚したりするケースもあるとして、処方医への相談や処方変更提案を行うなど、薬剤師が取るべき対応を示している。

 こうした受診勧奨の目安に加えて、▽受診勧奨に活用できる歯科医師への紹介状のひな形▽オーラルケア商品の継続使用に関する添付文書の記載一覧表▽副作用に歯肉肥厚や歯肉増殖がある医薬品の一覧表▽歯科疾患の基礎知識――などの資料を掲載した。

歯の色が決まるしくみ

歯の色は人それぞれ違います。
外側からエナメル質、象牙質、歯髄という、3構造になっています。
最も内側にある歯髄は、神経や血管が集まったもので、赤い色味をしています。
その歯髄を中に収めているのが象牙質で、薄黄色や褐色を帯びた黄色です。
歯の本体である象牙質を、いわばコーティングするような形で覆っているのが
エナメル質で、乳白色に近い半透明の色味をしています。
しかし、人によって微妙に色合いが異なります。
この色味の違いが、歯の色の個人差です。
エナメル質が透明に近い色の人は、その内側にある象牙質の黄みがよく透けて見え、
少し黄色よりの歯という印象を与えます。
それとは逆に、エナメル質の乳白色が強い人は、象牙質の黄みがあまり透けて見えず、
結果的に白い歯という印象を与えるのです。

日本人の歯は、欧米人に比べて象牙質を覆うエナメル質が薄いことが多く、
象牙質の黄みがよく透けるので、より黄色がかった歯であるといわれています。
また、口元や肌の色によって歯の色の見え方はことなってくるので、
黒人の方の歯は実際よりも白くみえます
肌の色素が薄いと、歯の黄色みが目立ちますが、色素が濃いと目立たなくなります。

医療用アセトアミノフェン 5月の65歳以上への処方、直近5年で最多

新型コロナウイルスのワクチン接種後の熱や痛みといった副反応に対処するため解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンに注目が集まるなか、65歳以上に対する医療用のアセトアミノフェンが2021年5月に、直近5年の同月と比較して最も多く処方されていたことがわかった。

 これは調剤レセプトで実際の処方動向を把握・分析する医療情報総合研究所(通称:JMIRI、読み:ジェイミリ)のデータによるもの。ワクチン接種による副反応を背景としたアセトアミノフェンの処方かどうかまでは不明だが、過去4年の5月と比較して21年の処方患者数は突出して多いことから、JMIRIは「コロナワクチンの接種による発熱や痛みを抑えるために処方された可能性が高い」と分析している。

 同社のデータによると、5月のアセトアミノフェンの処方患者数(65歳以上)は、21年は3万9418人、20年は2万7730人、19年は3万2305人、18年は2万8547人、17年は2万5548人――だった。

 なお、例年8~9月に流行するRSウイルス感染症が今年は5月に急増した。ただ、過去の8~9月にアセトアミノフェンの処方患者数は大きく伸びていない。このためJMIRIは、今年5月のアセトアミノフェンの処方患者数の増加にRSウイルス感染症はあまり影響していないとみている。

◎アセトアミノフェン 自費処方が急増

 5月に保険外(自費)で医療用のアセトアミノフェンを処方してもらった患者数は前年同月比で88%の大幅増となったこともわかった。ロキソプロフェンの自費での処方は例年とほとんど変化はなく、アセトアミノフェンだけ急増していた。ワクチン接種による副反応発生前の予防投与とみられる。

 アセトアミノフェン及びロキソプロフェンの自費での処方は、全体の1%弱と稀なケースであることに留意が必要だが、ドラッグストアでアセトアミノフェンを買い求める人が急増しており、医療用のアセトアミノフェンの処方動向もしばらく注視する必要がありそうだ。

カレンダーの「赤い字」にご注意 五輪で3つの祝日変更

今夏は祝日にご注意を――。東京五輪・パラリンピック開催に合わせて海の日、山の日、スポーツの日が変更になっている。修正が間に合わず、カレンダーや手帳の多くが、変更前のまま。7月19日が赤字のカレンダーの人は要注意だ。

 千葉県松戸市の60代男性は7月末に誕生日を迎える娘のため、同月17日から3日間の予定で遠出するつもりだった。妻から「祝日が動いているよ」と言われて初めて気づき、日程を練り直しているという。

 埼玉県所沢市の会社員男性(52)が使うカレンダーや手帳は祝日の変更が反映されていなかった。岩手県に帰省する日程を考えた時、22日から4連休になっていることを知った。「五輪が延期されることは分かっていたのだから、もう少し早めに祝日の日程を決めてくれていたら」と話した。

 祝日の変更は、改正東京五輪・パラリンピック特別措置法で決まった今年のみの特例措置。東京五輪・パラリンピックの開催期間中、混雑を緩和することで、選手らの円滑な移動と市民生活の両立を図るのが目的だ。

 海の日は7月19日(月)→22日(木)、スポーツの日は10月11日(月)→7月23日(金)、山の日は8月11日(水)→8日(日)に変更され、翌9日(月)は振り替え休日になる。

 このため7月19日は平日で、23日の五輪開会式前後は4連休、8月8日の閉会式前後は3連休、10月11日は平日になる。

「やぶ医者大賞」決まる 滋賀と北海道の医師

へき地医療で功績のあった若手医師をたたえる「第8回やぶ医者大賞」の審査会が26日、兵庫県養父市役所であり、滋賀県長浜市の浅井東診療所の松井善典所長(40)と、北海道松前町の町立松前病院の八木田一雄院長(50)が選ばれた。

 同賞は養父市が2014年に創設。能力の劣る医者を意味する「やぶ医者」の語源が、かつて養父にいた名医とする説にちなむ。今回は全国から6人の応募があり、市医師会の枚田一広会長ら9人が審査した。

 松井さんは、約1万4千人が暮らす地域唯一の診療所で勤務。院外でのみとりを望む声に応えるため、介護施設と連携し、容体が急変した際に昼夜を問わず駆けつける体制を整え、住み慣れた場所で最期を迎えられる環境づくりに尽力した。市民目線で課題解決に取り組む姿勢が評価された。

 八木田さんが勤務する松前町は高齢化率が約50%で、総合病院までは約2時間かかる過疎地。松前病院では1人の医師が内科や外科、整形外科など複数の診療科を日替わりで受け持つ「全科診療医」を設け、限られたマンパワーで地域のニーズに応えている。

 表彰式と受賞者の講演会は11月13日、養父市内で行われる。(竜門和諒)

歯科医師がワクチン接種 新型コロナ、米沢で高齢者対象集団接種開始

米沢市の結婚式場グランドホクヨウで19日、市内の高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種が始まった。県内で初めて歯科医師による接種も行われ、中川勝市長を含む474人が1回目の接種を受けた。

 同施設は7月末まで、週末のみ接種会場を設営し、高齢者3744人が2回接種を受ける予定。医師と歯科医師計5人が接種を担当し、式場を営むナウエル(同市)の従業員とアルバイトの大学生が受付や誘導を行い、式場の設備を生かした会場は終始穏やかな雰囲気だった。中川市長は「非常に広く、安心して接種できる環境となった。なるべく早く市民の接種が完了するよう、これからも態勢を整えていきたい」と話した。

旭川医大学長「弁明意味ない」と辞表 長期政権ついに幕

 国立の旭川医科大学(北海道旭川市)の吉田晃敏学長が17日、萩生田光一文部科学相に辞表を提出したと表明した。全国の国立大で最長の14年もの間学長を務めてきたが、昨秋以降、新型コロナウイルス患者受け入れを巡る不適切発言をきっかけに、付属病院長への

パワーハラスメントや近隣病院からの高額報酬などの問題が噴出。学内外からは解任を求める声が上がり、学長選考会議が処分を議論する中、突然自ら職を辞した。異例の「長期政権」が終わり、今後は学内の立て直しが急務になる。(本田大次郎、井上潜)

 吉田氏の辞表提出については17日午後、代理人の中村元弥弁護士が旭川市役所で記者会見して明らかにした。翌18日には旭川医大の学長選考会議が一連の問題を巡り、吉田氏に事情を聴くことになっていた。

 会見に吉田氏は姿を見せず、中村弁護士が11ページの書面を読み上げ、吉田氏と自身の主張を説明。冒頭、「6月15日付で文部科学大臣に対し、17日をもって学長を辞任する旨の届けを提出した」と述べた。

 そして、吉田氏の処分を議論していた選考会議の姿勢を「解任の結論ありきで、強引に進行されている」と批判した。具体的には、(1)解任請求理由が示されていない(2)選考会議の第三者委員会が行った調査では吉田氏のヒアリングが行われていない(3)第三者委の報告書が開示されていない、などと指摘した。

 吉田氏を巡っては、新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生した吉田病院への不適切発言が昨年12月に発覚。その後、同院からの患者受け入れを巡る付属病院長(当時)との対立や院長へのパワーハラスメント疑惑、市立滝川病院からの高額報酬問題などが次々に明らかになった。

 学内の教授からも文科相への解任申し出を求める署名が出され、学長選考会議は第三者委員会を設置して事実関係を調査。その中で学長特別補佐への不適切報酬問題も発覚した。選考会議は18日に吉田氏から聴取後、月内にも解任相当かどうかの結論を出すとみられていた。

 中村弁護士が示した書面によると、吉田氏は18日の選考会議で事情を説明する準備をしていた。しかし、時間の制約があるなかで説明しても「今月末までに解任の結論を出すものと予測せざるを得ない」「選考会議で弁明することに意味がない」と判断。解任された場合は裁判で争うことも協議したが、「関係者に迷惑をかけること、これ以上大学に混乱を招くことは好ましくないと考え、身を引く決意をした」という。

 辞表提出により、吉田氏は18日の選考会議には出席しないとし、直ちに新しい学長の選考手続きに入るよう求めた。

 一方、文部科学省の担当者は17日夕、朝日新聞の取材に対し、「会見の事実は承知しているが、まだ辞表は届いておらず、受理していない」とした。今後選考会議の意向を聴く方針だという。
2021年6月18日 (金)配信朝日新聞

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