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入れ歯の疑問

 これまで患者さんからの質問の中でよく聞かれたことを書いておきます。
 入れ歯は精密に作られた医療器具なので調整やメンテナンスをきちっと行なうことが快適な使用に繋がります。疑問をもたれた時の参考にして下さい。

@どうしてきっちり型をとったのに強く当る(痛い)ところがでてくるの?

 歯ぐきは、粘膜の厚い所や薄い所があります。歯ぐきの型は均一にとるため弱いところなどが再現できません。そのため入れ歯を作っていれるときには、各患者さんに合わせた調整が必要となります。また、食事や話し方その他によって使い方によっても強く当るところが違います。

Aどうして一度調整した後に別のところが痛くなるの?

 入れ歯は、全体でバランスをとって均一に圧力がかかるようにして弱いところに負担のかからないようにしていますが、痛いところを調整するとその部分の負担が別のところにいくことがあり、調整によっていままで痛くなかったところが痛くなることもあります。そのため、何度も調整することがあります。

Bめんどくさいから自分で調整してもよい?

 痛い所を自分で調整すると削る場所が大きくなったり深く削って空洞になり隙間になったりします。また、痛い原因がかみ合わせの場合もあるため歯科医院での調整が必要です。

C入れ歯安定剤で十分?

 入れ歯安定剤は、動くことによって痛んだり、落ちてくる場合に一時的に使用するものです。隙間がある場合は、一時的な安定剤よりも歯科医院で隙間を埋めてもらうことをお勧めします。ただし、隙間を埋める材料は、入れ歯自体の硬さと同じであるため痛みが出やすいです。痛みを出さないようにするには安定剤で落ち着かせてからでもよろしいと思います。

D歯が抜けたままにしたり、ヒビがはいったり、入れ歯の歯がとれても都合がわるくないとそのままでもいい?

 隙間になったところからものがはいりやすかったり、ヒビをそのままにすると2つに割れてしまいぴったりあわせることができなくなることがあります。また、瞬間接着剤で取れた歯をつけると位置がずれたり、汚れが付いてまたはずれるためきちんと修理しましょう。

E入れ歯をしたら味がわかりにくくなったのですが

 味は舌で感じますが、上顎や口の粘膜にも味覚のセンサーがあり、食感も味の印象を左右するため、総入れ歯にした場合などには、味に違和感を感じることがあります。また、年齢とともに味を感じる能力が衰えるため入れ歯を入れたことにより味がわかりにくくなったと感じることもあります。
 いずれにしても、入れ歯に慣れることが大切です。

F上手にかめないのですが・・・

 入れ歯は、自分の歯ではないのでかみ合わせが悪い場合は、かみにくいです。また、かみ合わせが悪くなくてもうまくかめないことがあります。かみ方の練習する必要があります。
 ・両方の奥歯で均等にかむ
  大きなまま前歯でかみ切るのではなく、小さな塊を少し横から奥歯のほうへ入れ、左右両方の奥歯でかむようにします。そうすると入れ歯が均等に顎に押し付けられるのでかたつきません。
 ・入れ歯でかんで、筋肉のリハビリ
  十分にものをかまないまま過ごしていると、かむための筋肉が衰えます。入れ歯が入っても筋肉がうまく機能しないとかめないということになります。うまくかむなくても入れ歯を使って食事をしているとかむ力がついてかめるようになります。

G入れ歯の正しい入れ方は?

 入れ歯を磨かないと歯と同じように歯石がつきます。そのため歯石についたところが口内炎(義歯性口内炎)や歯石を誤って肺に入ると誤嚥性肺炎を引き起こす危険性があります。
 ・入れ歯専用のブラシで磨きましょう
 ・洗浄剤につける
 ・熱湯をかけない
 ・外食のあとも磨きたい

H入れ歯のニオイや色の変化が気になるのですが・・・

 ・入れ歯自体にニオイは、ないので口の中を清潔に保つことが大切です。
 ・着色したら、台所洗剤で洗う


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