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歯科医の新規参入減などで経営危機解消を

東京歯科保険医協会(中川勝洋会長)は9月28日、「歯科医師増問題を考える―歯科医療改革提言の解説」をテーマに政策研究会を開き、このほどまとめた「21世紀にふさわしい歯科改革提言」の解説や参加した協会会員らを交えた質疑応答を行った。歯科医の新規参入削減よりも潜在需要の開拓の方が先との参加者からの指摘に対し、協会の南條芳久政策委員長は、歯科医増による競争激化で経営状態が悪化する医療機関があることから、新規参入の削減などによる経営危機解消が歯科医療後退の歯止めにつながるとの考えを示した。
 提言では、▽歯学部の統廃合を進め、歯科医の新規参入を年間1200人まで削減する▽歯科医療費が3兆円以上となるよう、診療報酬を緊急に引き上げる▽外来の窓口負担を段階的に解消する―ことなどを提案している。南條氏は、歯科を受診できない患者もいる現状や歯科医療機関の経営危機の深刻さなどを問題視。「国民と歯科医の将来のためにも、大胆な改革を求めていく必要がある。国民と手を携えながら、歯科医療の崩壊を打開する運動を進めていきたい」と語った。

 質疑応答では、参加者から「歯科は国民皆保険制度に乗り切れていない。当面われわれがやらないといけないのは、すべての国民に歯科は皆保険ではなく『制限医療』であると周知することだと思う」との声が上がった。また、歯科医の新規参入削減に対して「潜在患者、潜在疾病はいくらでもある。その開拓を必死にやって、それでもだめなら定員削減というステップにすべき」との意見も寄せられた。
 南條氏はこれに対し、「潜在需要があるのは分かっている」とした上で、「今のような需給関係や『競争と淘汰(とうた)』がある中で、歯科医療機関の経営危機がいろいろな問題を生み出している。潜在需要(の開拓)よりは、経営危機をなくすことが歯科医療の後退の歯止めになる」と応じた。

 協会は10月7日に国会内集会を行い、提言への理解を求めて国会議員らと意見交換を行う予定だ。

■来春に在宅歯科医療などで意見提示へ
 一方、中川会長は、歯科医療と介護のかかわりなどについて今後議論し、在宅歯科医療が進まない理由などに焦点を当てた協会としての意見を来春ごろに提示する考えを示した。
( 2010年09月29日 13:50 キャリアブレイン )

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