北海道大学病院 高次口腔医療センター 顎口腔機能治療部門の三古谷先生が北大小児歯科同門会にて講演されました。
口唇裂・口蓋裂は最も高頻度に出現する外表奇形である。日本人の発生頻度は大変高く、0.16~0.2%をされている。口唇口蓋裂全体の70%は他の合併異常を持たない非症候群性のもので、その発生機序は、多因子遺伝すなわち遺伝的要因と環境要因の相互作用として説明されている。障害は人の象徴である顔貌の異常にとどまらず、吸啜、構音、咀嚼など主要な口腔機能全般に及び、治療には出生時から成人に至るまでの間、十分に吟味された治療プロトコールにのっとり一貫性を持つ質の高い集学的管理が要求される。
口唇顎口蓋裂治療プロトコール
・出生直後にオリエンテーション、哺乳管理
・3~5カ月に口唇形成術
・1歳に言語聴覚管理の開始、小児歯科的管理の開始
・1歳6カ月に二期的口蓋形成手術法(軟口蓋閉鎖術)
・6~8歳に二期法(顎裂部骨移植術+硬口蓋閉鎖手術)
・18歳に鼻・口唇修正術